お墓の見積もりは必ず相見積もりを利用しよう!見積もりの3つのチェックポイントとは
お墓の見積もりとは?徹底解説
- お墓の見積もりは、複数の石材店から取ると良い。
- お墓の費用には墓石代以外にも永代使用料や管理料が含まれる。
- 石材店選びは価格と質、信頼性を総合的に判断することが大切。
- 異常に安い見積もりや価格変動の激しい業者には警戒が必要。
お墓は、住宅の建築と同様に一生のうちで何度も建てるものではありません。
人によってはお墓も住宅も建てないということも、決して珍しくない世の中になりました。
しかし、それでも親族が亡くなれば、一度はお墓を建てるかを検討しなくてはなりません。
いざお墓を建てようと考えると、分からないことばかりで不安に駆られてしまう人もいるでしょう。
中には「石材店に言いくるめられて高いお墓を購入させられるのでは?」と考えている人もいるのではないでしょうか。
ここでは、お墓を建てる際に利用する石材店の選定方法や相見積もりのチェックポイントについて解説します。
お墓を建てるための知識をしっかりと押さえておけば、石材店の担当者とも対等に金額交渉ができるようになるでしょう。
お墓に関して何も分からない人でもコツさえつかめば、まったく難しい内容ではありませんので、ぜひ参考にしてください。
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この記事の目次
お墓を建てるときに必要になるさまざまな費用
お墓を建てるときには思っている以上にさまざまな費用がかかります。
何も分からない状態でお墓を建てようとすると、お墓そのものの価格にばかり目が行きがちです。
しかし、お墓を建てる場合は、お墓以外の費用も想像以上にかかります。
ここで、しっかりとお墓に関係する費用について学んでいきましょう。
一般的なお墓の相場は196万円
2015年に「いいお墓」が調査した内容によると、購入したお墓の全国平均価格は約196万3,700円です。
この金額は、永代使用料と墓石の代金を足した合計金額の平均です。
永代使用料とは、お墓を建てる墓地を借りるために支払う費用になります。金額は、地域差はあり、例えば東京都では平均相場が約256万7,100円、愛知県146万600円、広島県115万6,900円です。
お墓を建てるときに必要な費用の詳細
お墓を建てるには全国平均で約200万円の費用とかなりの高額ですが、ここでは、墓石や永代使用料、また加えてそれ以外の詳細についても見ていきましょう。
墓地・霊園の永代使用料
墓地や霊園の永代使用料の全国平均相場は77万3,900円です。
墓地や霊園を利用するためには墓地を借りる必要があり、その費用を永代使用料といいます。
墓地使用契約を交わす際に支払いを行うのが一般的です。
つまり、お墓を建てる前に支払う費用になります。お墓の引っ越しをする場合は、墓地を所有者へ返還することが必要です。その際に、永代使用料は返金されませんので注意しましょう。
檀家になるための費用
寺院墓地にお墓を建てる場合は、檀家になるために入檀料を10万~30万円程度支払う場合があります。
檀家とは、お寺のサポーターのような役割です。
もともとお寺の運営は、お寺を支える檀家がお金を出し合って支えるという考えが根底にあります。
公営墓地や民営墓地の場合は、檀家にならないケースも多いためこの費用はかかりません。
墓地や霊園の年間管理料
墓地や霊園の年間管理料は、約4,000円~1万5,000円程度です。
これは霊園の形式や地域によってかなり差があるでしょう。
一般的には、寺院墓地は1万円程度、公営墓地が4,000円~1万円程度、民営墓地が、5000円~1万5,000円程度となっています。
公営墓地が安く、順に寺院墓地、民営墓地が高くなる傾向です。
墓石の平均費用
2015年の墓石の全国平均相場は約134万9,200円です。この金額も地域差があります。
例えば、東京都は155万5,200円、愛知県101万7,100円、広島県63万4,000円など、都市部の方が高くなる傾向です。墓石の価格には一般的に施工する費用まで込まれています。
開眼供養のお布施など
開眼供養を僧侶にお願いする場合のお布施は3万~10万円程度です。
地域などでも金額は異なります。開眼供養とは、お墓が完成した後、故人の位牌からお墓に魂を移す儀式のことです。
開眼供養は、僧侶に依頼して行います。お墓のある場所が遠方であるときはお車代として1万円程度も必要です。
また、お食事会を開くケースで僧侶が参加しないときには御膳料として1万円程度包むのが一般的です。
もちろん、開眼供養を行わない場合は僧侶を呼ばないわけですから、これらのお布施の費用はかかりません。
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霊園・墓地によっては自由に石材店が選べない
お墓を建てる際に自由に石材店を選べない場合もあります。
なぜなら、霊園や墓地によって指定石材店というものが設定されていることがあるからです。
指定石材店がある場合、その霊園や墓地を利用するとき、ほかの石材店には墓石の発注ができません。
これは墓地使用契約書などにその旨が記載されていることが多いでしょう。
もちろん、指定石材店がない墓地や霊園もあります。
主に指定石材店を設定しているのは寺院墓地や民営墓地です。
指定石材店を設定している場合、ほかの石材店と競合がなくなるため墓石の金額としては高めに設定されていることが多いでしょう。
「自分の納得のいく石材店でお墓を発注したい」という人にとっては、しっかりチェックしておきたいポイントになります。
自分で自由に石材店が選べる場合の探し方
指定石材店がない場合は、自分で自由に石材店を選定します。
自由度が高い反面、石材店の仕組みや石材の知識などがないと業者に足もとを見られるというリスクもあるでしょう。
そこで、ここではそういったリスクを回避すべく石材店の選定方法について解説します。
インターネットで情報収集をする
石材店を探すにはインターネットを活用することがおすすめです。
近年は、ホームページを開設している石材店が多くなりました。
そのため、自分が希望するお墓の具体案がない場合は情報収集してみましょう。
親切な石材店ですと墓石の目安となる金額なども提示されているため、自分のイメージするお墓のレイアウトがハッキリしやすい傾向があります。
めぼしい石材店に電話で聞いてみる
インターネットで良いと感じた石材店へ実際に疑問点などを電話して聞いてみましょう。
何社か質問しているうちに、業者によっても対応が異なることに気がつくかもしれません。
丁寧に説明してくれたり、面倒がらずにこちらの話を掘り下げてくれたりするような業者は対応としては良好です。
多くの業者は見積もりを無料で出してくれるので、具体的なお墓のイメージがあるのであれば相談してみましょう。
霊園や墓地周辺の石材店を訪問してみる
墓石を建てる霊園や墓地周辺の石材店をいくつか訪問してみましょう。
墓地から近いことから、実際に施工している経験がある可能性が高く、その土地の特性なども熟知しているかもしれません。
また、あまり遠方の石材店にお墓を発注すると、実際に墓石を運んだり施工したりする際に余計な運搬費や経費がかかりがちなので、訪問することで距離なども確認してみるといいでしょう。
金額の安さだけでは決めない
石材店はお墓の安さだけでは決めないようにしましょう。
スーパーで量産しているパッケージ商品ではありませんので、「1円でも安ければお得!」という考え方はまったくあてはまりません。
安いに越したことはありませんが、お墓の値段は、石材の量と種類、施工しやすい場所か、などの要素が価格を決めます。
一般的に石材店を経営していれば、当然利益をとらなくては商売になりませんので、あまりに安くしてくる業者は何か理由があるのだと考えた方が良いでしょう。
お墓の相見積もりをする際の3つのチェックポイント
石材店へお墓を発注する前には、必ず複数社に相見積もりをとっておきましょう。
なぜなら、石材店にとって金額が大幅に異なる可能性があるからです。
ここでは、相見積もりを石材店へした際の3つのチェックポイントについて解説します。
1.極端に価格が安い石材店は要注意
相見積もりで極端に価格が安い石材店は要注意です。
相見積もりをすると自分の予算にあわせて石材店を選定できる点は非常に大きなメリットといえます。
しかし、同じようなデザインで同じような石材の量を使用して大幅な金額のブレがある場合は要注意です。
考えられるのは、その石材店がブローカーである可能性があります。
2.ほかの石材店の価格を見てどんどん値下げしてくる業者も要注意
こちらの顔色を見て、どんどん値下げしてくる業者も注意しましょう。
値段交渉は駆け引きという一面がありますが、周りの状況を見てころころと態度を変えるような業者は、自分たちの都合で手のひらを返す可能性があります。
石材店は、お墓を建てるときだけでなく納骨する際などにも利用しますので、信頼できる業者を選んだ方が長い目で見ると安心です。
3.石材店は価格だけでなく対応の印象も考えて
石材店の説明が誠意のある対応なのかもポイントです。
そもそも墓石をはじめて建てる人にとって、お墓の話は分からないことだらけになります。
その状態で、ずさんな説明や上から目線での対応しかできないような業者は、いくら安い金額を提示してきても発注を考えた方が良いです。
しっかり説明して、納得のうえ発注してもらおうという姿勢の業者ならばそんな対応はしないでしょう。
人間的に合う・合わないということもあるので、実際に会って話をするということは重要です。
お墓の相場はあってないようなもの
お墓の相見積もりをおすすめする理由は、相場はあってないようなものだからです。
ここでは石材店業界の中身について簡単に説明いたします。
石材は価格が変動する時価相場
石材は価格があっても時価で変動していきます。
なぜなら、石材によっては在庫の確保ができず価格が高騰することもあるからです。
石材は地球の一部を削って墓石にしています。
そのため、いつかは石材の種類によっては枯渇していくという天然ものです。
石材店がどんな仕入れルートをもっているかにも左右されます。
そのため、必ず同じ石材の種類で相見積もりをしておきましょう。
石材店によって価格構成が異なる
石材店によっても価格構成が異なるため、相見積もりは重要な役割を果たします。
どのぐらいの利益を乗せたいかという問題は、その業者の自由です。しかし、業者の事情は発注する側には分かりません。
そのため、複数社に相見積もりをすることで確認する必要があるのです。
事業形態によって価格が変わる
石材店と一口にいっても事業形態によっても価格が異なります。
例えば、石材の問屋のような業者から石材を仕入れている場合や自社で直接石材を仕入れできるルートをもっている場合などもあるのです。
中間マージンが発生しないような事業形態であれば、その分を発注者に還元できるという業者もあるでしょう。
また、悪質な石材店ブローカーという輩もいます。
1社だけの見積もりだと、比較対象がまったくないため、どういった事業形態の業者なのかも分かりません。
まとめ
お墓の見積もりは、「単に安ければ買い」というわけではないことが理解できたのではないでしょうか。
お墓を建てるには墓石だけではなく、永代使用料や年間管理料などさまざまなものがあります。
分からない状態で請求されると、金額が高いため驚いてしまうかもしれません。
しかし、ここでしっかりお墓全体の費用の目安と、石材店の探し方を押さえておけばきっと役に立つことでしょう。
今まで解説した内容を振り返ってみましょう。
この記事のまとめ
- 一般的なお墓にかかる費用は約200万円
- 寺院の檀家に入檀するには10万~30万程度がかかる
- 永代使用料の全国平均相場は約77万円
- 年間管理費の目安は4,000円~1万5,000円
- 墓石本体の全国平均相場は約135万円
- 開眼供養を僧侶に依頼する場合のお布施は3万~10万円程度
- 僧侶へのお車代は1万円、御膳料も1万円程度が相場
- 指定石材店がある霊園や墓地では、ほかの石材店に見積もりはできない
- 石材店の指定がない場合はインターネットで十分に情報収集を行う
- 石材店は値段の安さだけで決めず、電話や訪問で対応がしっかりしているかも確認
- 石材店に依頼する場合、必ず複数社に相見積もりをして検討する
- 石材ブローカーのような悪質業者も潜んでいるので極端に安い業者は注意
お墓に関する知識がないままで、石材店と金額交渉をするのは非常に難しいでしょう。
対等な金額交渉をするには、こちらもしっかりと業界全体の仕組みやそれぞれの価格の相場は把握しておきたいものです。
業者によっては、知識がないと分かると自分たちのいいように誘導してくるしたたかな石材店もあります。
納得して墓石を建てるためにも、こちらが安心できる業者を選定することが非常に重要になります。
面倒と思わず、必ず相見積もりで3社程度は依頼してみましょう。
墓石全般についての基礎知識に興味のある方は、こちらの記事も併せてご覧ください。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
お墓は一生のうち一度ご縁があるかないかの買い物ですから、費用感がつかみにくいだけでなく、建墓までの工程もわかりにくいものです。最近は、インターネット等で情報をオープンにしているところが増えているため、細かく調べて注文をする人も増えてきました。そうはいっても、具体的に石材の種類を指定して建墓を依頼する人はそう多くありません。ほとんどは、墓石の形や色、全体のイメージをまとめ、それを石材店が予算に応じて形にしていく作業になります。
同じ石種であっても、目の粗さによって等級が異なります。また、希少価値のあるものや、仕入れ値の高いものも、販売額は高めになります。
今はネットで墓石が買える時代にはなりましたが、建墓やメンテナンスの工事となると顔が見えないだけに不安は拭えません。特に災害等で墓石の倒壊や墓地全体の修繕が必要になると、地域の事情に精通した石材店の力が不可欠です。値段だけで比較するのではなく、長く付き合うことができる石材店に建墓を依頼したいものです。