【3分でわかる】開眼供養・開眼法要とは?開眼供養のお布施などを徹底解説!

お墓の前で読経する僧侶

開眼供養とは?徹底解説

  • 新しい墓に魂を宿す開眼供養は、僧侶が読経する儀式
  • 開眼供養の前には、施主決定、僧侶手配、日程設定などの準備が必要
  • 開眼供養は墓建立や改葬時に行われ、特定の時期はない
  • 開眼供養のお布施は3~5万円、加えて謝礼や会食費がかかる

お墓を新しく建てた際には、宗派によっては、僧侶に依頼して、お墓に魂を入れてもらう開眼供養を行います。
開眼供養は納骨に合わせて行うことが多いです。

ここでは、開眼供養と開眼供養の流れなどについて解説します。

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この記事の目次

  1. お墓の開眼供養・開眼法要とは?
  2. 開眼供養の準備とポイント
  3. 開眼供養の流れ
  4. 開眼供養を行う時期
  5. 開眼供養にかかるお金
  6. 開眼供養の服装
  7. 閉眼法要
  8. 開眼供養の歴史
  9. 監修者コメント

お墓の開眼供養・開眼法要とは?

建物が建ったら竣工式を行うのと同様に、新しいお墓を建てたら、墓石に魂を入れる開眼供養を行い、僧侶を招いてお経をあげてもらいます。
お墓は造っただけでは単なる石です。
単なる石の墓石は開眼供養を行うことで、仏の魂を迎え入れて、初めて礼拝の対象となります。

開眼供養と開眼法要は同じ意味で、死者の魂をお墓に入れる儀式なので入魂式御魂入れ御性根入れお精入れとも呼ばれます。
その他、宗派によっても異なり、浄土真宗の場合は、目を開いたり、魂を入れたりという概念がないため御移徙(ごいし、おわたまし)建碑慶讃法要墓所建立法要などの名称です。
お墓の場合には、さらにお墓開きとも呼びれます。

なお、お墓を改葬した場合にも開眼供養を行います。

開眼とは?

開眼とは、仏像や仏画、位牌、仏壇、お墓などに魂を入れて安置することを言います。
もともとは仏像の目を開くという意味です。
仏像作りでは大部分を完成させておいて、最後に仏像の目を描きます。
これを儀式化したものが開眼供養で、開眼供養を行って初めて仏像に霊験が宿るとされています。

開眼供養の準備とポイント

  1. 施主(法要の主宰者)の決定
  2. 僧侶の手配
  3. 日時の決定
  4. 参列者への連絡、出欠の確認
  5. 会食の手配
  6. 墓地の準備
  7. 引き物の手配
  8. 寺院・僧侶への謝礼の用意

施主(法要の主宰者)の決定

一般的には、祭祀承継者墓地の使用権所有者)が務めます。

僧侶の手配

菩提寺が決まっている場合には、菩提寺の僧侶に開眼供養を依頼します。
寺院経営の境内以外の墓地でも、一般にその寺院の僧侶が開眼供養を行います。

寺院墓地以外の墓地は寺院から離れていることが多く、移動時間もかかるので日程調整は早めに行いましょう。
また、広い墓地の場合、僧侶に墓地へ来てもらう際には、待ち合わせ場所と連絡方法(携帯電話など)を確認しておきましょう。

寺院との付き合いがない場合

寺院との付き合いがない場合には、墓地の管理者や石材店に相談して、希望する宗旨・宗派の僧侶を紹介してもらいます。

日時の決定

開眼供養の日程には、特に決まりはありませんので、僧侶・石材店と相談しましょう。
埋葬する遺骨がある場合は、四十九日・百か日・一周忌などの法要の時に、納骨式とあわせて行うことが多いです。

参列者への連絡、出欠の確認

開眼供養に誰を招くかは、特に決まりはありません。
家族、親戚、親しい友人などを招くケースが多いです。
日程が決定したら、早めに連絡して、出欠を確認します。

会食の手配

法要後、僧侶と参列者を会食の席に招くのが一般的です。
墓地の施設のほか、近くの料亭、ホテルなどで行っても構いませんので、事前に席の予約、料理の注文などをしておきます。

墓地の準備

お墓とその周囲を掃除して清めます。
祭壇や法具の借用、供花・供物の手配など、僧侶や石材店と十分に打ち合わせをして準備します。
両隣、もしくは向こう三軒両隣のお墓にもお供えをする地域もあるようです。

引き物の手配

参列者の手土産を用意します。
表書きは祝儀か不祝儀かによって異なります。

寺院・僧侶への謝礼の用意

寺院・僧侶への謝礼は、法要前のあいさつをする際に渡します。

開眼供養の流れ

  1. 墓の準備
  2. 寺院本堂または墓地の会館などで読経
  3. 参列者が墓前に移動する
  4. 開眼供養
  5. 会食

墓の準備

敷地内、墓石とも掃除をして清め、棹石には白布を巻きます。
墓前には祭壇を設け、墓の準備燭台、花立などの法具を据え、供花、供物などを供えます。

寺院本堂または墓地の会館などで読経

参列者が墓前に移動する

開眼供養

僧侶がお経を上げ、施主が棹石の白布を取ります。
その後、参列者が順に焼香します。

開眼供養では、僧侶にお経をあげてもらう以外に、墓前に故人の好物をお供えしたりします。

会食

席を移し、会食をします。

開眼供養を行う時期

開眼供養を行う時期に決まりはありません。
ただ、亡くなった家族のために墓を建てた時や、古い墓から改葬するために新しい墓を建てたときは、納骨の際に開眼法要と納骨法要をあわせて行うのが一般的です。

お墓は新しい仏のために建てることが多いため、遺骨がある場合には、開眼供養は入る方の四十九日の忌明けか年回忌、百か日、一周忌などの法要の時に、納骨式とあわせて行います。
そうすれば、親類縁者など参列者も出席しやすいでしょう。

生前にお墓を造っていない方は、ほとんどの場合、四十九日までにはお墓を造れません。
注文後、そんなに早くお墓はできないためです。
その場合には、後に墓石が整ったところで、開眼供養を行います。

寿陵の場合

生前にお墓を建てる寿陵の場合、お墓の完成時に開眼供養を営みます。
寿陵の場合、手許に遺骨がなく、法要は不要と考える人もいるようですが、将来遺骨を納めるところなので、これからこの場所で拝むという意味もこめて、法要を営むのが一般的です。
寿陵の場合には、墓前で開眼供養だけを営みます。

ただし、開眼供養を最初の納骨の際にあわせて行っても構わないとするところもありますので、寿陵の場合には、開眼供養をすべきかどうかは僧侶に確認するとよいでしょう。

なお、墓の完成後は、遺骨が納められていなくても、維持管理費(護寺会費)が必要になります。

開眼供養にかかるお金

開眼供養のお布施の相場

開眼供養にかかるお金として、まず大切なものは読経への謝礼です。
お布施の額に決まりはありませんが、3万円~5万円が相場だと言われています。
お布施の額に迷ったら、僧侶に相談しましょう。

もし、具体的な答えが得られない場合は、年忌法要の際のお布施額を目安にしましょう。
法要を営んだことがない場合は、同じ菩提寺の親戚などに相談しましょう。
開眼法要と納骨法要を同日に行う際には、1.5倍~2倍程度の額を包むのが一般的です。

その他のお布施についての基本は「お布施の意味や相場がわかる!基本知識やマナーを紹介」を参考にしてみてください。

また開眼供養の費用に限らず、お墓全体の費用について詳しく知りたい方は「お墓の費用相場は約200万円!費用の内訳・価格を抑えるポイントも紹介」の記事をご覧ください。

開眼供養のお布施の表書き

開眼供養と納骨法要を行う場合

新たに埋葬する遺骨のためにお墓を建てる場合は不祝儀です。
開眼供養と納骨法要を行う場合、寺院・僧侶への謝礼は、奉書紙に包むか、白封筒などに入れて、表書きは御布施または入魂御礼御礼とします。
黒白または双銀結び切りの水引の不祝儀袋を使います。

納骨法要と一緒の開眼供養に呼ばれた場合は、不祝儀なので、黒白または双銀結び切りの水引の不祝儀袋に御仏前と表書きをします。

開眼供養だけ行う場合(慶事)

なお、生前にお墓を建てた場合など、納骨法要をせず、開眼法要だけを行う場合は、慶事ととらえる場合もあります。
生前建墓はお祝い事なので、表書きをお布施ではなく、寺院・僧侶への謝礼なども、紅白蝶結びの水引の祝儀袋を用いるのが本来で、表書きも内祝御礼開眼御礼御入魂御礼などとします。
白封筒ではなく、赤白結びきりの水引でのしのついていないタイプの祝儀袋を使います。

多くの祝儀袋の右上についているのしは、あわびを表すもので、生ぐさものを嫌う仏教では、慶事の場合にものしのついていないものを使うのが正式です。

祝儀袋のし説明

生前にお墓を建てた寿陵の開眼供養に招かれた場合には、おめでたいことなので、御建碑御祝、建立御祝、建立祝、祝建碑と表書きをして、お金を包みます。
寿陵は、長寿・子孫繁栄・家内円満を招く、縁起の良いこととされています。

なお、浄土真宗では、どのような仏事でも表書きは御布施でよいとされています。

開眼供養と納骨が続けて行われる場合

四十九日にあわせて開眼供養をする場合、慶事と弔事が同時に行われることになります。
その場合、のし袋はどうすればよいのでしょうか。

この場合、開眼供養ののし袋は慶事用のものにします。
納骨が続けて行われる場合には、ろうそくを赤から白に換えます。
また、僧侶は袈裟も着替えます。

別々に用意するお布施は水引の異なるものを2つ用意します。
もし、両方のお布施を同時に渡すなら、無地の白い封筒を使います。

お布施以外の寺院・僧侶への謝礼

御車代(おくるまだい)

お車代の金額や表書きについて解説」でも解説していていますが、寺院境内の墓地以外で、僧侶にお墓まで出向いてもらう場合は、御車代を包みます。
5千円~1万円が相場です。
御車代は僧侶が自分の車で来た場合も渡します。
表書きを御車代として、白封筒に入れます。

御膳料(おぜんりょう)

開眼供養後の会食に僧侶が出席しない場合は、それに見合う金額を包みます。
表書きは、御膳料、御斎料、御酒肴料などとして、白封筒に入れます。
5千円~1万円が相場です。

御塔婆料

卒塔婆供養を行う宗派では、御塔婆料が必要です。

その他の開眼供養にかかるお金

石材店、墓地の管理者へのお礼

開眼供養の際に石材店や墓地の管理者にお世話になった場合はお礼をします。
白封筒に表書きは御礼として、金額は1万円程度が相場です。
地域によって異なるので、寺院や近隣の人に確認するとよいでしょう。

開眼供養のお祝いをいただいたら…

いただいた額の半返し相当の品物を御礼内祝いとしてお返しします。
品物は消耗品が一般的で、その他、カタログギフトなども増えています。

開眼供養の服装

生前にお墓を建てた場合

生前建墓はお祝い事ですので、服装は礼服を着用しましょう。

新しい仏のためにお墓を建てた場合

新たに埋葬する遺骨のためにお墓を建てる場合は、不祝儀になり、服装は喪服を着用します。

閉眼法要

お墓を改葬するときは開眼法要とは反対に、墓石から魂を抜いて、ただの石に戻す閉眼法要を行います。

開眼供養の歴史

日本で最初、かつ最大の開眼供養は、東大寺の大仏の完成の際です。
最後に大きな筆でダルマのように、大仏に「目」を入れた(開眼)のが、スタートです。
天平勝宝4年(752年)の東大寺大仏の開眼供養を1つの契機として、さまざまな仏教儀式がセレモニー化されていきました。
東大寺大仏の開眼供養は、聖武天皇によって開催され、天竺から唐を経て日本に来た菩提遷那(ぼだいせんな)が大仏の眼を入れました。

監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

開眼法要は、呼んで字のごとく眼を開く、つまり魂を入れていく儀式になります。生前にお墓を建てたり、新築の家に新しい仏壇を納品するような場合は、お祝い行事になります。一方、没後四十九日までにつくる位牌や、新仏となった故人の納骨時は弔事になります。

生前に自分の位牌をつくったり、お墓を建てたりすることを「逆修(ぎゃくしゅう)」といい、そのお墓のことを「寿陵(じゅりょう)」といいます。生前に建墓したお墓の開眼供養をする際の準備は、寺院墓地ならお寺に、公営墓地や民間墓地なら石材店に聞いてみましょう。メインの石塔が幕が幕に覆われていることもあり、それを外す作業を「除幕」といいます。その後、法要が執り行われます。