はじめての墓地購入 失敗せずに選ぶための5つのポイント
墓地の購入とは?徹底解説
- 墓地には公営、民営、寺院、共同の4種類があります。
- 墓地選びは宗教や管理者、立地を考慮する必要があります。
- 費用は使用料と管理費で、面積によって変わります。
- 墓地の環境は現地で確認し、日当たりや清潔さが大切です。
お墓を建てるためには、まずは墓地を購入しなければなりません。
でも、墓地を取得するなんてことは人生の中でも一度あればいいのではないでしょうか。最初で最後のことだから、経験だってないし、誰に相談したらいいのかも分からないですよね。
ここでは、墓地を購入する上で多くの方が疑問に思われていることに対して1つずつお答えしていきます。みなさまにとって、素敵な墓地と出会うことのできる、その一端になれれば幸いです。
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この記事の目次
墓地の購入で失敗しないための5つのポイント
お墓を建てるのは、亡くなった方を土の中に還してあげて、そこに建てられたお墓に手を合わし、故人や自分たちの幸せを祈るためです。少しでもいい墓地を見つけて、お墓参りしたくなるお墓を建てることができるといいですね。ここでは、墓地を購入するための5つのポイントをお教えします。
1.宗教・宗旨を確認する
まずは、宗教宗旨の確認をしましょう。
どんなにその墓地が気に入ったものだとしても、宗旨や宗派に制限があってはお墓を建てることができません。公営斎場や民営斎場や共同墓地は宗教を問わないことがほとんどです。寺院墓地に関しては、その墓地自体が宗教施設であるために、他のお寺や宗教者が入れないこともあります。充分に事前の確認をしておきましょう。
2.跡取り、墓守を考慮する
そのお墓、どなたが跡を引き継いでくれますか?
また、その方がお墓を引き継いだ時に、お参りしやすいかなども考えておきましょう。お墓は自分個人のものではなく、代々つながっていくものだということを考慮しましょう。
3.立地を考慮する(自宅からの距離・交通アクセス)
お墓参りをしやすさの一番の要素は、自宅から墓地までの距離です。
あるいは、車などですぐに行けるか? 駐車場はあるか? 電車やバスなどの交通機関は近くにあるかなど、自分がお墓参りするときのことをイメージしながら墓地を選んでいきましょう。
4.価格を調査する(面積と費用の関係性)
墓地にかかる費用は、「永代使用料」と「年間管理費」があります。墓地の費用は地価と比例するのが一般的です。また、売り出す墓地面積はそれぞれ異なるのですが、それを1㎡あたりに換算すると「墓地単価」が割り出せます。たとえば・・・
- A霊園:(売出価格)4㎡ 800,000円 →(平米単価)1㎡:200,000円
- B霊園:(売出価格)1㎡ 400,000円 →(平米単価)1㎡:400,000円
…という具合に比較すると、一見B霊園の方が安く見えますが、単価で行くと逆転してしまうのです、 墓地を選ぶ時は必ず費用と面積をも頭に入れておきましょう。
5.周辺の環境を確認する
日当たり、風通し、または墓地の清潔さなどを見て、「ここにお墓を建てたい!」という場所を見つけることが大切です。
- 駐車場は整備されているか
- 園内に坂道は少ないか
- 参道はきれいにされているか
- 日当たりや風通しはよいか
- お墓の真上に木の枝がないか(落ち葉の始末が大変)
- お墓の真下に木の根が走ってないか(石材を持ち上げます)
- 水道施設はきちんと完備しているか
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5つのポイントを理解したところで、実際にお墓を調べてみたい方は、あなたにあったお墓をこちらから検索できます。
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Q. お墓は代々継いでいきたいですか?
墓地は4種類に分けることができる
墓地にもさまざまなものがあります。山裾を切り開いて大規模造成をしたような霊園から、住宅街の片隅に昔からあるような素朴な墓地まで。
墓地は、大きく分けると下記の4種類に分類することができます。
- 公営墓地
- 民営墓地
- 寺院墓地
- 共同墓地
まずは、こうしたさまざまな墓地の特色を見ていきましょう。
1.公営墓地
公営墓地とは、地方自治体が管理する墓地です。
都営〇〇霊苑や、〇〇市営墓地などと呼ばれるのがそれにあたります。
公営墓地の利点は、なによりも自治体が運営しているという点です。地域住民の埋葬や供養を行政サービスとして行っているわけですから、墓園内の管理などはしっかりしています。
年に数回は共益部分の清掃を行ってくれるところが多いようで、民営墓地のように倒産の恐れがないのも安心材料だと言えるでしょう。
さらには、宗旨宗派を問うようなこともありません。あくまでその自治体に住む地域住民のための墓地なので、信教の自由が保障されています。
出入りの石材店が決まっているわけではないので、どの石材店でも工事をすることができます。施主からすると、複数の業者を比較検討することができるので、よりよいお墓をつくることができます。
以上のように、利用者にメリットの多い公営斎場は人気が高く、すでに空きがない、あっても抽選になってしまい入手しづらい、という面があります。
また、費用は墓地によって様々ですが、公営だから安いとは言い切れず、その土地の地価に比例していると言えるでしょう。
2.民営墓地
民営墓地とは、民間企業が管理運営する墓地のことです。現行の墓埋法(「墓地、埋葬等に関する法律」)では、墓地の管理運営者は、下記のように3つに制限されます。
- 地方自治体
- 宗教法人
- 公益法人
根本的に営利目的である民間企業の墓地経営は認められていません。
これは、墓地という場が実質的な宗教施設で公共財的な側面をもっているためであり、営利に走るべきでなく、また経営破たんを起こすわけにはいかないからです。それでも民営墓地は数多くありますが、こうした墓地は、あくまで登記上の管理運営者を宗教法人にしておいて、実質的な経営を石材店や開発業者が行っています。
民営墓地には「〇〇メモリアルパーク」のような民間企業が前に出たようなものもあれば、「〇〇寺霊苑」のように寺院墓地を檀家だけでなく広く一般に売り出しているものもあります。
これは、寺院が自身の土地で墓地経営をしている、と考えてよいでしょう。民営墓地と寺院墓地の中間にあたるようなものです。民営墓地のサービスは運営会社によって様々で、送迎用のバスを用意してくれるところもあれば、おしゃれなガーデン風の墓地もあります。
また、宗旨宗派を問われることはあまりありませんが、石材店が決められていることが多く、その場合は複数社との相見積もりができないので注意が必要です。
3.寺院墓地
寺院墓地とは、寺院が運営する墓地のことです。
基本的には檀家向けの墓地なのですが、「民営墓地」のなかでも触れたように、寺院が檀家以外の一般向けに売り出している墓地もあります。
このような墓地では宗旨宗派を問わないことが多いのですが、中には契約時にお寺の檀信徒になることを求められることもあるので慎重に考えましょう。また、寺院の境内を出入りすることがあるために、石材店が指定の場合があります。
4.共同墓地
共同墓地とは、地域や自治会で管理する墓地のことです。
戦後まもなくに「墓埋法」が制定されるまでは、お墓や埋葬に関する法律による取り決めがなく、埋葬や供養はその村々の判断や慣習に則って行われてきました。
いまも住宅街や村はずれに残る墓地はその名残で、昔のままの面影を残しているものもあれば、新たに整備や造成をしている墓地もあります。基本的には、その地域の住民向けの墓地なので、自治会や管理組合に問い合わすとよいでしょう。
墓地の費用は安価であることが多く、石材店の指定もないでしょう。ただ、明確な取り決めがない分、その地域ごとの慣習で物事が動くので、そのあたりの柔軟な対応が求められるかもしれません。
墓地は、土地を買うのではなく土地の「永代使用権」を買う
墓地を購入するというのは、その土地を購入するわけではありません。施主は、墓地の永代使用権を買うのです。そのため、不要となったら管理者に返還しなければならないのです。誰かに貸したり、転売することはできません。
墓地が倒産しても、お墓は差し押さえの対象にはならない
民営墓地の場合、管理会社が経営破綻を起こしている事例はいくつかあるのですが、宗教法人法83条で、礼拝用の建物などの差し押さえは禁止されているために、お墓が差し押さえの対象になることはないでしょう。 しかし訴訟問題にまで発展している民間霊園もあるにはあります。
まとめ
墓地の購入は急いでするものではありませんが、さまざまな墓地を比較、検討しながら決めるのがよいでしょう。上に挙げた5つのポイントをもとに、宗教、立地、予算、環境や管理体制など、自分たちにとってよりよい墓地を総合的に判断しましょう。また、お墓はあとを見てくれる人がいてはじめて成り立つものです。可能であれば次の世代の人たちも巻き込んで話し合うことをおすすめします。
墓地購入のための5つのポイント
- 自分の宗教がその墓地に入れることができるか
- 跡取りや墓守のことを考えて墓地を検討しましょう
- 立地や自宅からの距離など、実際にお墓参りに行く行程をイメージしてみましょう
- 自分たちの予算に合った墓地か、面積に対して適正な価格かを見極めましょう
- 日当たりや管理体制など、その墓地はよい環境かどうかを現地で感じてみましょう
墓地に関する基礎知識
●墓地は4種類(公営墓地、民営墓地、寺院墓地、共同墓地)に分けることができる
●墓地の購入は、土地の購入ではなく、永代使用権の購入
●管理会社が万一倒産しても、お墓は差し押さえの対象にはならない
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
お墓探しは家探しに似ています。違うのは、自分や家族だけでなく、先祖や子孫が利用したり、またそこに縁のある人が集まり、お参りする場所であるということ。
立地、設備、管理、宗教・宗派を考えながらに、自然と人が集い、手を合わせたくなるお墓を選びたいものです。
墓地の種類を事業主体で分けると4種類(公営墓地、民間墓地、寺院墓地、共同墓地)に分けられますが、その中でも霊園・墓地によって特徴がありますので実際に足を運んでみないとわからないこともたくさんあります。
数多くある霊園・墓地の中から、条件に合ったお墓を探すのは大変です。時間をかけて納得のいくお墓に出会えると良いですね。