お墓の花立について詳細解説!素材による耐久性や手入れ方法を知ろう
お墓の花立とは?徹底解説
- 花立とは、お墓にお花を供える筒の部分
- お墓の花立は素材により耐久性が異なり、手入れ方法も変わる
- ステンレスなど多様な素材の花立がある
- 花立は店舗やネットで購入可能
久々にお墓参りをしに行ったら、お花を供える筒の部分が壊れてしまっていたという経験をした方はいませんか。
お花を供える筒の部分を、「花立(はなたて)」といいます。
花立てが壊れると、「あまり頻繁にお墓参りをしていなかったからだ」と、がっかりするかもしれません。
でも、花立は、お墓の部品のなかで最も壊れやすいものなので、あまり落胆せず、速やかに交換しましょう。
この記事では、花立の購入や交換、手入れの方法をお伝えします。
花立てのさまざまな種類についても解説するので、自分の好みに合った花立を選べるようになりますよ。
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など、数々の不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。
お墓の購入に関しては、初めての方が多いため、不安や疑問を持つことは仕方のないことでしょう。
しかし、お墓購入後に後悔することだけは避けたいですよね。
お墓について詳しく知るには実際に複数の石材店の話を聞き、しっかりと情報収集することをオススメします。
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花立の役割と種類
まずは花立の役割や、種類についてご案内します。
花立は、素材も取り付け方もさまざまです。
花立は先祖に花を手向けるための花瓶
お墓における花立は、その名の通り、花を立てるための道具です。
仏教には「五供(ごく)」という考え方があり、5つのお供え物をすることで供養の気持ちをあらわすとされています。
5つのお供え物とは、以下のものを指します。
- 線香
- 花
- ろうそく
- 水
- 食べ物
お墓には、花立の他に線香立てやろうそく立て、供物台があることでしょう。
五供のなかのひとつを担うのが、花立なのです。
「花を活ける容器として考えるなら、花瓶を置いてもいいのでは?」という考えもあるかもしれません。
しかし、お墓に花瓶をそのまま置くだけでは、風などで倒れて割れてしまいます。
割れないように、墓石にしっかり固定する工夫がされてある花瓶が、花立なのです。
素材における花立の種類
花立には、素材によっていくつか種類があります。
主な素材は次の5つです。
- ステンレス
- アルミ合金
- プラスチック
- 銅
- 陶器
それぞれ説明します。
- ステンレス
現在多く使われているのが、ステンレス製の花立です。
3,000円程度から手に入り、サビに強く、軽くて手入れがしやすいので人気です。 - アルミ合金
ステンレス製に比べてやや重く、グレーの色味が濃い場合が多いのが、アルミ合金製です。
2,000円程度からあり、丈夫で長持ちするのが特徴です。 - プラスチック
乳白色をしている場合が多いのが、プラスチック製の花立です。
1,000円台のものもあり、安価なのが特徴ですが、最も劣化しやすいといえます。 - 銅
やや重く、赤褐色をしていれば、銅製の花立と考えられます。
相場は1万円ほどとやや高価ではありますが、水の変質を防ぎ、花を長持ちさせる作用があるのが人気です。 - 陶器
墓石の安定した面に置かれることが多いのが、陶器製の花立です。
固定され、取り外しができないのが特徴で、現在はお墓用としてはあまり売られていません。
新しいお墓であればステンレス、古いお墓であればプラスチックや陶器の花立であることが多いでしょう。
取り付け方における花立の種類
花立は、何らかの方法でお墓に固定しなければなりません。
この取り付け方には、以下の3種類があります。
- ネジ式
- 落とし込み式
- 接着式
それぞれ詳しく説明します。
- ネジ式
花立と、墓石に固定された台座がネジで止められているのがネジ式です。 - 落とし込み式
墓石に穴が開いていて、その穴に花立がすっぽり入るようになっているのが落とし込み式です。 - 接着式
古いお墓の場合、陶器製などの花立が墓石にそのまま接着剤で止められているケースがあります。
以上、ひと口に花立といっても、さまざまな種類があることをお分かりいただけたでしょうか。
素材によって、花立が壊れてしまう原因も違います。
次章では、花立が壊れる原因と対処法についてお伝えします。
花立が壊れる原因と対処法
花立てが壊れる原因と対処法は、種類によってさまざまです。
それぞれ詳しく説明します。
花立が壊れてしまう原因
花立てが壊れてしまう原因の多くは、お墓が屋外にあることからきています。
素材の種類によって、とくに大きな原因となるものを紹介します。
プラスチックは経年劣化が原因
プラスチックは、熱や光によって劣化する性質を持っています。
プラスチック製の洗濯バサミが折れてしまった経験はないでしょうか。
同じように、花立も長い間日光にさらされることで劣化してしまい、亀裂が起こってしまうのです。
金属製はサビによる腐食が原因
金属製の花立には、全てにサビによる腐食の問題がつきまといます。
花立には当然のことながら水を入れますし、やがて蒸発しても雨の日には自然と花立の底へ水が溜まります。
常に水分がついている底の部分から、水漏れを起こしてしまうことが多いでしょう。
陶器製は凍結が原因
陶器は経年劣化に強く、サビも発生しないのですが、割れやすく凍結に弱いという欠点があります。
外気温が下がると、花立にたまった水が凍結し、体積が膨張します。
すると花立はその膨張を受け止め切れず、膨張が繰り返されることによって、器にひび割れが起こってしまうのです。
どの素材の花立も凍結によるひび割れはありえますが、とくに陶器はその割れやすさから、より早く被害が起こるでしょう。
以上のように、日光や雨風にさらされること自体が花立の劣化原因となります。
なかなか防げることではありません。
また、ときには、ネジ式のネジが壊れてしまったことにより交換を余儀なくされるケースもあります。
花立が壊れたときの対処法
花立てが壊れたときには、接着剤による応急処置も可能ですが、いずれ交換しなければなりません。
取り付け法によって違う対処法について説明します。
ネジ式は台座ごと交換する
ネジ式の花立は、台座ごと交換しましょう。
ネジ式の花立の場合、「ネジ山さえ合えば、台座だけ残して違う花立にしても大丈夫なのでは」と思いがちです。
しかし、台座を残して花立ての部分だけ変えるのは、あまりお勧めできません。
いずれ台座のネジ山だけが破損してしまう可能性が高いためです。
台座ごとの交換であれば、違う素材の花立に換えることも可能です。
つまり、これまでプラスチック製だったのを、経年劣化に強いステンレス製にすることもできます。
落とし込み式は口径が同じものを購入する
落とし込み式の花立の場合、これまでと同じサイズのものを購入しないと、花立が墓石の穴に入らないということが起こり得ます。
ただ、落とし込み式の花立のサイズはだいたい口径6センチ程度と決まっており、同じサイズのものを探すのに苦労をするようなことは、あまりないでしょう。
しかし、6センチよりも直径がかなり大きい、あるいは極端に小さい花立もないとはいえませんから、これまでの花立のサイズをよく確認しましょう。
ネジ式から落とし込み式にしたいなら石材店に相談する
これまでネジ式だった花立て部分を、落とし込み式にしたいなら、石材店に相談しましょう。
ネジ台座を取り外し、墓石にドリルで穴をあければ、落とし込み式に変更できます。
日曜大工が得意な人は自分でやりたくなるかもしれませんが、石が破損すると周辺の墓石ごと交換しなければならなくなり、高くつきます。
必ずプロである石材店に連絡しましょう。まさにそのお墓を施工した石材店がベストです。
以上、花立が壊れる原因と対処法についてご案内しました。
花立は、壊れたら速やかに交換するのが大事です。
それではどこで購入し、交換するべきでしょうか。次章で説明します。
花立を購入する方法
花立てを購入する方法は、主に3つです。
- ホームセンターで購入する
- インターネットで購入する
- 石材店に相談する
それぞれ詳しく説明します。
ホームセンターで購入する
ホームセンターのお墓用品コーナーには、花立が売られています。
行きつけない石材店に出向くのはなんとなく腰が重いけれど、商品を実際に見て買いたいという人におすすめです。
たくさんの種類がありますから、これまで使っていた花立の口径や高さをきちんと測ってから買いに行きましょう。
インターネットで購入する
インターネットには、あらゆる種類の花立が売られています。
いろんな花立を見比べて、値段、素材、デザインともに納得できるものを買いたいという人におすすめです。
ただ、ホームセンターや石材店のように、疑問点について相談できる店員がいません。
ネット上の仕様書をよく読んで、わからない点があればショップに質問メールを送るなどすれば、失敗のない買い物を楽しめます。
石材店に相談する
サイズを自分で確認して花立てを購入することに不安を感じる人や、ネジ式の台座固定が自力ではできない人は、石材店に相談しましょう。
花立てを持参してお店に行けば、ピッタリのサイズの花立をみつくろってくれます。
また、実際にお墓に出向き、台座固定も行ってくれます。
さらに、花立の他に不安が生じたことがあったら、この機会に相談ができて便利です。
以上、花立の購入方法についてご案内しました。
せっかく花立を交換するのですから、なるべく長持ちさせたいですよね。
次章では、花立の手入れ方法についてお伝えします。
花立の手入れ方法
花立は、経年劣化などによりどうしても破損してしまう可能性の高い部品ですが、日頃の手入れによって、見た目を美しく保てます。
花立ての手入れ方法は、次の通りです。
- 花立を取り外す
- 花立専用ブラシで底の方まできれいにヌメリをとる
- サビ取り剤でサビを取り除く
それぞれ詳しく説明します。
- 花立を取り外す
取り外しのできる花立は、必ず取り外してから掃除を始めましょう。
細かな部分の汚れまで手入れすることができます。 - 花立専用ブラシで底の方まできれいにヌメリをとる
花立専用ブラシとして売られている柄の長いブラシで、花立の底の方まで水洗いしましょう。
きれいにヌメリを取ることがポイントです。 - サビ取り剤でサビを取り除く
もしもサビがついてしまっていたら、サビ取り剤でサビを取り除きます。
サビ取り剤は、強力なものだと素材に傷をつけてしまう恐れがあるため、素材に適したものを使いましょう。
以上、花立の手入れ方法をお伝えしました。
せっかく買った花立ですから、いつまでも見栄えよく、長持ちさせたいですね。
まとめ
この記事では、お墓の花立の種類、交換方法や購入方法についてお伝えしました。
花立はあまり長持ちするものではないため、破損を見つけたらすぐに交換するのが大事です。
サイズさえ間違わなければ、さまざまな素材のなかから自分の好みで選ぶことができます。
自分も家族も満足できるような花立を、じっくり選びましょう。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
お墓の花立は、素材や形などさまざまなタイプがありますので、形状に合ったものを選びます。近年は、劣化に強いステンレス製で、取り外しができるタイプが人気ですが、取り外しができるタイプならではの悩みもちらほら。簡単に取り外しができてしまうことで、盗難に合うこともあるのです。霊園・墓地によっては盗難防止のために、墓石の一部につけられるようになっているタイプもあります。
死者に花を添えるという行為は、ネアンデルタール人の頃から行われていたという説があります。仏教では仏の慈悲を表し、こちらに花を向けるようにお供えします。仏教にちなんで五色にするという説もありますが、最近はあまり色や花の種類にこだわらず、故人が好んでいた花、季節の花をお供えするケースが多いようです。