お客様に納得・信頼・安心を伝え続ける。お墓業界を変える「お墓きわめびとの会」
日本最高峰のブランド墓石といえば、香川県が産地の「庵治石(あじいし)」。お墓を建てようと思ったことのある方であれば、庵治石の名前は聞いたことがあるかもしれません。
庵治石の本場である香川県で、原石の採掘からお墓を建てるまでをサポートしている団体があると聞き、ライフドットの山口が早速「お墓きわめびとの会」に取材に行ってきました。
「お墓きわめびとの会」とは? から引用
「お墓きわめびとの会」という名前から、職人気質で気難しい人の集まりのようなイメージを持ってしまいますが、そんな心配をよそに笑顔で出迎えて下さったのは「お墓きわめびとの会」を運営している、株式会社願(ねがい)の代表取締役である原田さん。「お墓きわめびとの会」の活動について詳しくお話を伺ってみました。
この記事の目次
「お墓きわめびとの会」とは? 減少している石材店を活性化させる会
「お墓きわめびとの会」って、何をしている会なのでしょうか?
墓石づくりに関わる色々な業界のために、なんやかんやしています。
なんやかんや・・・?もう少し教えて頂けるとうれしいのですが・・・。
一言で言うと、お墓に関わる業界全体のサポートをしています。
お墓や墓参りの文化をこれから先の世代へ伝えていきたいと思っているのですが、墓石を加工する職人さんの数がどんどん減ってきているんです。私がこのお墓業界に入って25年経ちますが、当時と比べると四国の石材店の数は半分近くまで減ってしまっています。
職人さんが減ると、墓石の加工ができなくなって、技術も途絶えてしまうでしょ?そうならないように、お墓や葬送文化の啓もう活動を行ったり、墓石職人さん向けに時代にあったお墓の提案方法を、勉強会やセミナーを通じてお伝えしています。
お墓を販売する側にとっても、お墓を購入されるお客様にとっても、双方にとってプラスになる活動をするのが「お墓きわめびとの会」です。
一つひとつの墓石店がよいものをつくっていることを、世の中に伝える
お墓きわめびとの会 原田さんとお話しをする中で、「ひとつひとつの墓石店では、できる事に限界がある」という実情を知ることができました。
お墓業界が抱える限界とはどんなものなのか?その限界をどうクリアしていくのか?詳しく伺いました。
【墓石店を極める】お墓業界をつなげて、業界全体の質を高める
国内の墓石屋さんのほとんどは、お客様の要望を精いっぱい叶えて差し上げようと努力されています。お墓を建てる技術を磨いて、墓石で使用する石の知識も一生懸命勉強されています。
値段も、素材も、そのお客様が求めている「より良いもの」を提供しようとされているんですよ。
インターネットで墓石について調べると、一部ですけど評判のよくない業者の存在もあるようですが、どうなんでしょうか?
残念ながら、ほんのごく一部には悪質な石材店もいるようです。
そのほんの僅かなごく一部の業者のために、亡くなられた仏様のため、お客様のためにと「より良いもの」を提供しようとしている墓石屋さんまで疑われてしまっているのは本当に悲しいです。
でも、その評判を払拭しようにも、小さな墓石屋さんではなかなか難しいものがあります。100年近く続いている老舗の墓石屋さんでも、ホームページが無かったり、読みやすいパンフレットや会社案内が準備できないばかりに、お客様から信用していただけなかったりしています。
墓石屋さんというのは職人の世界ですからね。実のところ、営業活動が苦手な方や、仕入れルートの開拓が苦手な方が非常に多いという点も考えないといけません。
お客様に安心してもらえる情報を提供したり、「より良いもの」を提供したいという思いを届けようにも、小さな墓石屋さん一社では限界があると思いませんか?
確かに、職人気質な墓石屋さんだけでは、どうにもならないですね。その限界を、「お墓きわめびとの会」はどうやってクリアしようとされているんでしょうか?
「お墓きわめびとの会」では、墓石の採掘元、商社、メーカー、墓石店をグループ化して全国的な組織を作りました。
グループ化したことで、今まで情報が寸断されていた各業者の間で、意見交換や素材情報、お客様に喜ばれた提案などの情報共有が活発にされるようになったんです。
「お墓きわめびとの会」が、墓石業界内の横のつながりをつくる役割になっています。結果として、お客様が求めているサービスを提供しやすい環境が、少しずつではありますが業界全体に整ってきたように思います。
「お墓きわめびとの会」、すごいじゃないですか!
ここまでが墓石屋を「極める」という部分です。
【墓石屋が変わる】時代に合わせたWEBでのサービス提供
職人の世界って、伝統や文化を非常に重要視する人が多いんです。まぁ、当然と言えば当然なんですけどね。
反対に、新しいものや、新しい方法をあまり好まない人も多い世界なんです。
あー・・・、確かに。インターネットとか・・・。
そう!それ!特にそれ!
業界は高齢化してますが、お墓を選ぶ方の年齢層は若くなっているとも言えるんですよ。
例えば、70歳80歳のご家族がいたとするでしょ?「そろそろお墓を考えないとなぁ」となります。昔は地域の墓石屋さんがたくさんありましたが、今ではどんどん少なくなっている。そうすると、お子さんやお孫さん世代の方がインターネットでお墓のことを調べてくれるんですよ。その時に一枚ペラのホームページも持っていないとどうなります?
当然、その墓石屋はお客様から選んでもらえないですよね。
せっかくの優れた技術があっても。より良いものを提供したいという思いがあっても。
でも、墓石屋さん自身の力だけでは、そこからなかなか変われないんですよ。
だから全国の大きな組織を作って、まずはお墓業界の仲間を作るところから始めてもらいました。世代交代された墓石屋さんを中心に、インターネットからのお問い合せに対する対応についての勉強会が開催されたり、墓石店が「変わる」手ごたえも感じされてきています。
時代の流れと、お墓離れへの危機感から「お墓きわめびとの会」が誕生した
家族経営が中心の墓石屋さんを、採掘元から商社、メーカーまで横断的に繋いで仲間を作る事で、地元密着型の墓石屋の限界を超えるサポートをしている「お墓きわめびとの会」が誕生したのは平成28年2月23日。
「お墓きわめびとの会」が生まれたのは、「世間のお墓離れを何とかしたい」「家族経営の石材店の技術を残したい」「採掘元の山が無くなると、日本のお墓文化が消えてしまうのでは」という危機感を抱いた事がきっかけだそう。
立ち上げから約4年、会員企業に商談の場として使ってもらえるよう墓石の展示場もつくり、社屋も整備し、順調かと思われた「お墓きわめびとの会」の前に壁が立ちはだかります。
時代に合わせたサービス提供が必要なのだと伝え続けた
お墓業界は、新しいものをなかなか受け入れてもらえない職人気質な世界という事ですが、新しい試みをしようと立ち上がった「お墓きわめびとの会」は、当初から順調だったのでしょうか?
めちゃめちゃしんどかったですよ!
「お墓きわめびとの会」の特別会員である石材商社さんと、元々お取引のあった墓石屋さんがお付き合いで参加してくれたものの、それ以外の墓石屋さんからの反応はさっぱりでした。
墓石屋さんのホームページを作って、商談スペースも自由に使ってもらえるようにつくって、普段は入れない庵治石の丁場見学もできるように手配したり、結構頑張ってたんですけどね・・・。実績が無かったので、墓石屋さんにもお客様にも目に見える形でのメリットを提供できていませんでした。
インターネットを使っての集客や宣伝について墓石屋さん一社一社に根気よく説明しても、なかなか理解してもらえなかったのが辛かった。
立ち上げ当初のめちゃめちゃしんどい時期を、どうやって乗り越えてきたのですか?
地道に説明するしかなかったので、全国の墓石屋さんにひたすら通って、通って・・・ですね。「たった1ページのホームページでもあることがとても大切なんだ」「仲間を増やすことで極めて、変えられるんだ」と伝え続けました。
一昔前は、ただ黙って待っていつだけでも、「お墓を建てたい」という近隣にお住まいのお客様が店頭まで来てくれていたけど、今はそうではないことを知ってもらわないといけない。お墓業界は、時代から遅れているアナログな業界なので、インターネットを通じて全国の方にお墓づくりの技術や歴史を伝えないといけない。「人に認知されないと、信用されないのだ」という現状を話したんです。
そうこうしている間に、本当に少しずつですが会員になってくれる墓石屋さんが増えてきました。会員が増えてくると情報交換も活発になるし成功事例も出てくる。そうすると「俺も」「私も」って腰を上げる会社が増えてくるんですよ。
そうは言っても、今でもめちゃめちゃしんどいんですけどね(笑)。
お客様に安心と信頼を提供する「お墓きわめびとの会」の活動とは
全国規模で加盟する墓石屋さんが増えてきた「お墓きわめびとの会」ですが、私たちお墓の購入者にとってのメリットとは何があるのでしょうか?
お墓を建てる方のほとんどが、お墓を建てるまでの事をイメージされると思うんですよ。予算がいくらで、どこの墓地で、どこの墓石屋さんに頼んで、どんな石材を使って、どんな形で、という感じに。
墓石を建てた後の事ってあまりイメージできないかもしれませんが、お墓は建ててから先がめちゃくちゃ大切なんです。
将来への安心感を約束する全国ネットワーク
ちょっとここで、お墓を新築の住宅に置き換えて考えてみましょうか。
新築で住宅を購入したとします。マンションでも戸建てでもいいですけど。10年もすると老朽化してガタが来ますよね?外壁の塗りなおしや、水回りのリフォームだなんだかんだと必要になってきます。
その時に、家を建ててくれたメーカーが倒産して無くなってしまったらどうしますか?
どうしたらいいか困ってしまいますよね。他の会社を探してお願いするにしても、よその会社で建てた家だと修繕費もかさみそうだし。
僕がこの業界に入った25年前と今とでは、四国の墓石屋さんの数が半分になっています。これって四国に限った話ではなく、後継者問題やお墓離れの影響でお店をたたむ墓石屋さんは全国的に増えています。という事は、お墓を建ててくれた墓石屋さんがなくなってしまう可能性はあるわけです。
しかもお墓は、10年、50年、100年、何世代も先まで使うことだってありますよね?
お墓は続くのに、墓石屋は減り続けている・・・。お墓のメンテナンスはどうしたらいいんですか?
そこで活きてくるのが「お墓きわめびとの会」の全国ネットワークです。
会員になってくれている墓石屋さん同士が助け合ってくれているので、万が一お墓を建ててくれた墓石屋さんがお店をたたんでしまったとしても、お墓のメンテナンスや追加の字彫りの対応が可能です。
この安心感はすぐには実感できないでしょうが、そう遠くない将来、きっとお客様の役に立つと思います。
お墓づくりの現場を公開することで得られる信頼感
墓石の採掘、職人による加など、普通だったら見ることができないお墓づくりの工程もご覧頂けることも、「お墓きわめびとの会」がお客様に提供できるメリットです。
お墓の購入を希望される方はもちろん、これから検討しようとお考えの方でも、ご要望があれば、高松空港や高松駅まで無料お迎えにあがって、実際の石や加工現場を見てもらえるようご案内しています。目で見て、触れてもらえる環境を準備していますから、後悔しないお墓づくりのお手伝いができると考えています。
「お墓きわめびとの会」に加入している墓石屋さんでお墓を買う方法
「お墓きわめびとの会」ホームページをご覧いただき、お問い合わせください。
墓石屋さんを紹介するからには、腕が確かで安心してもらえる石材店を紹介します。
ちなみに「お墓きわめびとの会」は、紹介手数料などを墓石店さんから一切頂いていませんから、費用の面でも安心して下さい!
これからお墓を建てようとされている方へ
最後に、これからお墓を建てようと考えている方へ一言お願いします。
お墓をつくるにあたって、全てを墓石屋さんに任せるのではなく、ご家族や、お墓に入るご本人自身にもお墓づくりに参加してほしいですね。
石材の採掘元まで見て、墓石へと加工される様子も見て、心の底から納得してお墓をご購入頂きたいです。
お子さんやお孫さんに、「このお墓がつくられるところを、山まで見に行ったんだよ」と思い出話が話せるようなお墓づくりをしてほしい。そのためのサポートや支援は喜んでさせてもらいます。
お墓きわめびとの会 ショールーム
日本全国の有名採掘元や加工メーカーによる様々な国産墓石を展示したショールームです。実際の墓石を見て、触れて、納得したお墓を見つけてください。
所在地 | 〒761-0121 香川県高松市牟礼町牟礼3720-122 |
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交通アクセス | JR予讃線・高徳線「高松駅」からお車で約23分 高松琴平電気鉄道志度線「八栗駅」から徒歩約20分 |
開館時間 休館日 | 10:00~18:00 毎週水曜日(祝日の場合は営業)、年末年始、夏期 |
電話番号 | (087) 870-1127 |
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