墓石の意味を知りたい!形や家紋やパーツの意味をひとつずつ解説
墓石の意味とは?徹底解説
- お墓は石製で長持ちし、遺骨を守る。
- 墓石パーツには竿石、台座、花立、香炉があり、各々意味がある。
- 家紋は家系を示し、墓石に刻まれるが、最近は省略されることも。
- 墓石の色は視認性や意味を持ち、文字色にも特別な意味がある。
普段当たり前のようにお墓参りしていると、墓石の意味について、考えもしないですよね。
そして、墓石は、たくさんのパーツの組み合わせによってでき上がっていることをご存じでしたか?
墓石には意味があり、パーツひとつひとつにも意味や役割があります。
お墓がどのような部材の組み合わせでできていて、そしてそれらが何のために使われているのか。
この記事では、墓石の意味、それぞれのパーツが持つ役割について詳しく解説いたします。
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墓石の意味を解説
日本では古くから、亡くなった人の埋葬地に墓石を建ててきました。「お墓」という字を辞書で調べると、『遺体・遺骨を埋葬した場所。また、そこに記念のために建てられた建造物』と書かれています。
どこにも「石」という言葉は見当たらないのです。
死者の埋葬地が「お墓」であるならば、墓標は木でもいいのです。実際に塔婆と呼ばれる木の板が墓標として用いられていましたし、いまでは樹木葬がどんどん社会に浸透しています。
それでも大多数の人は「お墓」と聞くと墓石を連想します。どうしてお墓は石のなのか。
日本社会で、死者供養のために石が用いられてきた背景から、墓石の意味を解説いたします。
どうしてお墓は石なのか
お墓に石が用いられるのは、石が人間よりも長い年月、そこにい続けられるからだと思われます。
というのも、日本では特定の神仏を信仰するというよりは、自分たちの祖先を大切にして死生観を積み上げてきた文化があります。
そこで大切なのは、世代を超えて命がつながっている、ということを意味です。つまり、ひとつの命は、先祖が自分につながり、やがて子孫へと受け継がれていくということ。そのためには、どんな時代の人でも、そこにいけばご先祖様に会える場所が大切です。
こうした世代を超えたつながりを象徴するために、ずっとそこにい続けられる耐久性と堅牢性を保証してくれるものが必要で、最もふさわしいのが石だったのです。
墓石は、遺体を守ってくれる
いまでこそ火葬が主流ですが、100年ほど前をさかのぼれば、日本でも土葬が主流でした。土の中に埋葬すると、やがて野犬やイノシシのような動物が荒らしにやって来る。
つまり、遺体や遺骨を守るために石を置いたのだというのが、お墓の始まりのひとつの仮説です。
時代を下ることで石工の技術が向上して、いまのお墓の形になっています。
墓石は、死者と会話をさせてくれる
墓石は死者と会話をさせてくれます。そのことは、日本最古の歴史書であり、日本の神話でもある『古事記』に描かれています。
死んでしまって黄泉の国に行ってしまったイザナミ(女性の神様)とイザナギ(男性の神様)が千引岩(ちびきいわ)という大きな石越しに会話をするシーンがあります。
私たちも、お墓参りに行くときには、土の中の遺骨に向かって語りかけないですよね。
墓石の軸石に語りかけるのは、石にこそご先祖様が宿っているからだと考えているからではないでしょうか?
墓石以外のお墓
私たちは「お墓」と聞くとすぐに石塔、つまり墓石を連想しますが、石を用いない墓石もたくさんあります。
樹木葬
最近流行の樹木葬です。東京都の都営霊園でも開設され、多くの希望者が殺到しています。墓石の代わりに樹木をお墓の目印とする樹木葬では、礼拝の対象は植木や植物です。
納骨堂などの建物
納骨堂も立派なお墓です。納骨堂とは、棚などが置かれそこに遺骨を安置するものです。最近では永代供養と合わせて非常に多くの人に利用されています。
板塔婆や角塔婆
木でできた「塔婆(とうば)」をご存じでしょうか。よく墓地に行くと石塔のうしろに立てかけてあるのを見かけます。昔は、塔婆を墓標としていたこともあります。お墓を建てるほどのお金がない人や、旅人がよその土地で息絶えた時などには埋葬地に塔婆を立てました。
墓石の各パーツの意味を解説
墓石はさまざまなパーツの組み合わせで来ています。
それぞれにどんな意味や役割があるのか、パーツ別にご紹介いたします。
竿石(さおいし)
竿石とは、墓石の中でも最も大事とされている部分の石材のことです。
竿石は墓石の中心 仏様やご先祖様の魂が込められる石
お墓の中心にして頂点に据えられているのが竿石。
「軸石」や「仏石」とも呼ばれます。
「〇〇家乃墓」や「南無阿弥陀仏」などと彫刻されています。
お墓を建てると寺院に開眼供養してもらいますが、お性根はこの竿石に込められると考えられています。
竿石にはさまざまな文字を彫刻する
墓石の中心である竿石にはさまざまなことを彫刻します。
- 家の名前・宗派の言葉
竿石の正面には家の名前を刻みます。
「〇〇家乃墓」「〇〇家先祖代々之墓」などと彫刻します。
また、自身が信仰する宗教宗派の言葉も見かけます。- 浄土真宗「南無阿弥陀仏」「倶会一処」
- 日蓮宗をはじめとする法華系の宗派では「南無妙法蓮華経」
- 真言宗「南無大師遍照金剛」
- 曹洞宗や臨済宗などの禅宗「南無釈迦牟尼仏」
- 神道「〇〇家奥津城」
- 戒名
ひとりの死者に1つの墓石を据える場合、竿石の正面にその人の戒名を刻み、これが夫婦になると、夫婦の戒名を並べて刻んでいました。
しかし時代が下り、1つの墓石で先祖代々を祀るようになると、正面には家名を彫り、戒名は竿石の側面に彫刻するようになりました。
竿石の左右に彫刻しますが、ここ最近では竿石だけではなく、戒名を彫刻するための霊標(墓誌)を用意することもあります。 - 建立年月日と建立者名
いつ、だれがこのお墓を建てたのかを刻みます。
通常は竿石の裏面に彫刻します。
地域性によって墓石の形状が異なり、台石に彫刻することもあります。 - 自分たちの希望する言葉・花柄・図柄
最近流行の洋風のお墓では、竿石に家名ではなく、自分たちの希望する言葉を彫刻します。
「ありがとう」「絆」「安らかに」など、家族をつながりを象徴する言葉や故人へのメッセージといったものが多いでしょう。
また、花柄や図柄も彫刻できます。
台座
台座とは、竿石を乗せるための石です。墓石は、芝台、中台、上台という台石を積み上げて、最後に竿石を乗せるという構造でできていますが、この上台と竿石の間に台座を挟むことができます。
絶対に必要なものというわけではありません。
蓮華台(れんげ)
蓮華の形に加工した台座です。
蓮華の台座は、蓮の花ビラが上方向に咲いていて、これを「上蓮華」と呼びます。
「上下蓮華」というものもあります。これは、台座を乗せる上台の天面に、下方向に咲く蓮華を彫り込むことで、蓮華が上下方向に咲いているように見えます。
蓮は仏さまの花。どんな仏像でも仏画でも、仏さまは蓮の花の上に描かれています。
泥池に咲き誇る蓮の花は、まさに苦に満ちたこの世の中に輝く仏さまにたとえられたのです。
スリン(座布団)
蓮華を簡略化したものにスリンがあります。
関西地方では「座布団」と呼ばれ、四辺が丸みを帯びていて、まさに仏様をお乗せする座布団の役割を果たします。
蓮華代をは予算が高くついてしまうけれど、墓石を高くしたいという人にはおすすめです。
四隅が下方向に尖っている「剣スリン」と呼ばれるものもあります。
上台(うわだい)
上台とは、台石の中で一番上部に据えられる石のことです。
上台の天面は、竿石や台座と接する面なので、角面をさまざまな形に加工します。
- 水垂(みずたれ)加工
傾斜をつけて雨や水が外側に流れるようにします。 - 亀腹(かめばら)加工
亀のお腹のようになめらかに面取りします。
これは、昔の儒教のお墓が、亀の背中に竿石を乗せていたことに由来するものと思われます。
有名なのは岡山県にある池田輝政のお墓や、鹿児島県の島津都美のお墓。
中国では神は四神のうちの「玄武」にあたり、日本でも古来より縁起物の象徴とされていたのです。 - 下蓮華(したれんげ)加工
蓮の花ビラを下向きに咲くように加工します。
これは、台座に蓮華台を置いて、上下蓮華仕上げにする時に用いられます。
中台(なかだい)
中台とは、芝台、中台、上台と積み上げられる台石の中で2番目に据えられる石のことです。
この下に置かれる芝台がない場合は、中台を「下台」と呼びます。
中台には、石の正面に刳り穴が開けられ、中に遺骨が納められるようにします。
芝台(しばだい)
芝台とは、台石の中で一番下部に据えられる石のことです。
4つの石で組まれていることから「四ツ石」とも呼ばれ、カロートの役割を果たすこともあります。
カロート
カロートとは、遺骨を埋葬あるいは安置する空間のことです。
カロ―トの形状は地域によってさまざまです。
主に、土中のカロートと地上のカロートに分けられます。
- 土中のカロート
盛り土の中にカロートを設け、その上に墓石を建立します。
4つの側面を御影石で囲み、底面は土に還るようにしておきます。
また、関東ではカロートを棚状に作り、複数の骨壺を安置できるようにしておきます。 - 地上のカロート
西日本、特に九州に近づくと地上のカロートが間につきます。カロートがどんどん大きくなり、やがては沖縄のお墓で有名な亀甲墓のように、人の住む住宅までに大きくなります。
水鉢(みずばち)
水鉢とは、水を供えるための石です。
天面に水を溜めるためのくぼみがあり、常に死者に水のお供えができるようにしておきます。
また、この水鉢がカロートを塞ぐ役割をしています。
納骨の際は、この水鉢を動かすのです(地域によって異なることもあります)。
花立(はなたて)
花立とは、花を供えるための石です。
まっすぐのもの、花瓶の形のもの、竹筒の形のもの、水鉢と1セットになっているものなど、さまざまです。
また、この花立ての正面に家名や家紋などを彫刻することもあります。
花立の穴の中は水が溜まりやすく、汚れや劣化の原因になるため、最近では横に穴をあけて水を外に逃がせるようにしています。
その上、ステンレスの花筒を利用することでさらに清潔を保てるでしょう。
香炉(こうろ)
香炉では、線香を灯します。線香は立てて灯すケースと寝かして灯すケースがあります。
これは宗派や地域によって異なり、それに応じて香炉の形も変わります。
水鉢に埋め込む香炉、丸型の香炉、笠がついてその中で線香を灯す香炉など、さまざまなものがあります。
墓誌(ぼし)・霊標(れいひょう)
墓誌とは、亡くなった人の名前を刻むための板石のことで、「霊標」「戒名板」とも呼びます。
浄土真宗では法名を授かるために「法名碑」と呼びます。
戒名は竿石の正面に彫刻されていましたが、時代が下るごとに竿石の側面に彫られるようになりました。
これは、1つの石塔が先祖代々の供養塔となったからです。
しかし、竿石の両脇ではせいぜい4~8名の名前でいっぱいになってしまいます。そこで用いられるようになったのが墓誌です。
いまでこそ当たり前に置かれている墓誌ですが、一般化しだしたのは戦後からと、まだその歴史は浅いのです。
墓誌には、死者や先祖の戒名、生前の名前、命日、年齢などを彫ります。
拝石(はいせき)
拝石(はいせき・おがみいし)とは、墓地の地面に置かれる敷石のことです。地域によっては拝石でカロートをふさいでいるところもあります。
卒塔婆立(そとばたて)
卒塔婆立てとは、卒塔婆を建てるための石です。石製のもの、ステンレス製のものなどがあります。
羽目(はめ)
羽目とは、墓域を囲む石のことです。家の外壁や垣根の役割を果たすと思えばいいでしょう。
地域によっては「外柵」や「玉垣」とも呼びます。羽目は、ただ境界としての意味だけでなく、デザインにこだわることで、お墓の印象が大きく変わります。
根石(ねいし)
根石とは、墓域を囲む石で、羽目の土台となる部分です。これを「巻石」や「腰石」と呼ぶ地域もあります。
羽目を据える場合は、この根石の上に石材を据えていきます。根石には二つの意味があり、ひとつは隣接する墓域との境界、もう1つは盛り土を囲うための石材という意味がありますです。
根石の内側に土や砕石を埋め、その上に石塔を乗せます。
門柱(もんちゅう)
門柱とは、一般的な住宅でも見かけますが、お墓でも入り口の左右に配します。
墓地面積が狭い時には不要ですが、広い時には門柱を置くとぐっと印象がよくなるでしょう。
門柱の正面に家名や家紋を彫刻したり、門柱の上に灯籠を乗せることもあります。
灯籠(とうろう)
灯篭は、墓域の前面の左右に置かれる灯を灯すためのものです。
墓域との境界に灯を灯して邪気を払います。
寺院や神社で置かれている灯篭を、お墓にも用いたのが始まりだと思われます。
物置石(ものおきいし)
物置石とは、文字通り荷物を置くための石です。
お墓参りの時は、お花や線香やローソクなどが置けて、あると便利な石です。
手の込んだものでは扉を付けた収納型のものもあり、お墓掃除の道具を入れておく人もいます。
墓石に刻まれている家紋の意味
墓石には家紋を彫刻します。家紋の意味は、墓石が「家」の象徴であることを表しています。
家紋は、墓石が和型であれ洋型であれ、刻まなくてもいいのですが、多くの方は家紋を彫刻します。
最近流行の洋型の墓石の場合は、家紋を入れない人が増えてきました。
これは「家」観念が希薄になってきていることに比例しているでしょう。しかし、洋型の墓石でも家紋を彫刻する人は意外に多くいます。
墓石は亡くなった人を偲ぶ場所であり、自分自身の想いを祈る場所です。死者と自分をつなぐものが「家」という観念なのかもしれません。
日本には仏教が伝来する以前から祖霊信仰があり、先祖祭祀を大事にしてきました。家が長く、力強く続いていくことは、自分たちのルーツである先祖を大事にしてきていることに他ならないのです。だからこそ、家系のしるしである家紋を、墓石に彫刻するのです。
墓石の色や文字色にも意味がある
墓石には彫刻部分に色を入れることがあります。墓石の文字色などで主に使われる色は、黒、白、赤、金などです。
ホームセンターなどで売っている水性塗料を使うので、その気になれば石材店に依頼しなくても自分自身でもできるでしょう。ただし、金の場合は、塗料ではなく金箔を押すこともあるので、石材店に相談しましょう。
墓石の文字に色を付けるのには2つの意味があります。
彫刻文字を見やすくする
彫刻部分に色を入れることで、文字が見やすくなるという効果があります。文字の彫刻部分は、思いのほか見えづらいものです。
竿石正面のように、文字が大きければ、墓石の表面と彫り込んだ奥の部分の陰影ではっきり見えるでしょう。
しかし、戒名や建立者などの小さい文字の部分は、石の目に混ざり込んで彫り文字がみえづらいことはしばしばです。
文字色を赤や金にするのは中国大陸の影響で、長寿や健康への祈りが込められている
健在な人の名前を彫刻する場合は、そこだけ赤(朱)を入れます。
建立者名や、生前墓の場合によく用いられます。
また、墓石文字の金色は九州地方によくみられます。
赤や金には長寿や健康への祈りが込められており、これには中国文化の影響があると言われています。
秦の始皇帝は不老不死を願ってやまなかったことで有名です。不老不死のために作られた薬が「金丹」。金と水銀でできています。
そして水銀の原料は「辰砂(しんしゃ)」と呼ばれる透明で赤褐色の鉱物で、こちも道教で仙人になるための秘薬だったそうです。
赤と金は、中国社会では吉祥の色とされ、それが日本のお墓にも反映されています。墓石に金色を入れる風習が九州に多いのも、大陸文化の影響をより濃く受けているからでしょう。
墓石タイプで異なる形状の意味
墓石にもさまざまなタイプがあるのをご存知でしょうか。そして、墓石の形状によってそれぞれ異なる意味があります。
代表的なものをご紹介します。
五輪塔
仏教による死者供養と石塔の普及が進んだのが鎌倉時代です。
そしてこの時代の代表的な石碑が五輪塔です。
五輪塔は、5つの異なった形状の石を積み上げて作られています。
上から宝珠型、半円型、三角(笠)、丸、四角。
それぞれを空、風、火、水、地を表しており、これらはこの世界を構成する5つの要素である「五大」を表しています。
現代では、三十三回忌や五十回忌を終えた古いご先祖様の石塔として認識されています。
宝篋印塔
宝篋印塔とは、「宝篋印陀羅尼(ほうきょういんだらに)」と呼ばれる経文を納めるための仏塔です。
この塔を供養することで、罪は軽減され、延命がもたらされると信じられたため、五輪塔と並んで、多くの人が建立しました。
ただし、五輪塔が比較的シンプルなのに対し、宝篋印塔はその装飾性が強いために、有力者の供養塔として位置づけられました。
一般的な墓地ではあまり見かけませんが、寺院などでは石造の遺品として全国に点在しています。
五輪塔が問いきり(三十三回忌などで死者供養を完成させること)以後の供養として考えられているように、宝篋印塔も古いご先祖様の供養塔とされています。
ちなみに筆者の実家は代々墓として五輪塔があり、妻の実家では古い宝篋印塔があり、それぞれ今でも大切に供養されています。
角柱墓(一般的なお墓)
私たちがよく見る一般的なお墓を「角柱墓」と呼びます。「三段墓」という言い方もします。
本来、角柱墓は個人や夫婦のための石塔で、家の先祖を祀る墓は五輪塔でした。
しかし、戦後に「墓地、埋葬などに関する法律」が制定され、どこにでも遺骨を埋葬できなくなると墓地が不足していき、角柱墓が先祖代々の墓となっていったのです。
兜巾型(神道のお墓)
神道のお墓は、竿石のてっぺんが尖っています。これを兜巾(ときん)型と呼びます。
神道の三種の神器の一つの天叢雲剣を表しています。
古いお墓ではいまでも旧日本軍の軍人のお墓を見かけますが、これも神道に由来しています。
洋型のデザイン墓
洋型のデザインには大きな意味はありません。
従来のお墓の形がいやだと考える人がよりモダンなデザインを好んで建てています。
従来のお墓は世代を超えた家族や家のつながりを表していましたが、これを好まない人たちがよりモダンなデザインを好んで建てています。
最近では家制度や家という観念が薄れてきているので、より個人の想いを反映した、個性的なお墓が建てられています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
それでは最後にこの記事を箇条書きでまとめます。
この記事のまとめ
- お墓が石である理由は、遺体や遺骨を守ってくれて、世代を超えてそこにい続けてくれるから
- 石以外のお墓もある(樹木葬、納骨堂、塔婆など)
- 墓石はさまざまの石の組み合わせできている
- 竿石の正面には家名や宗教の言葉を彫る。側面や裏面には建立者名や戒名などを彫る。
- 洋型のお墓では好きな言葉や図柄を彫刻できる
- 家紋は家のつながりを表している
- 文字に色を入れることで見やすくなる。赤(まだ亡くなっていない人の名前)や金(九州地方に多く見かける)は長寿への祈りが込められている
- 五輪塔や宝篋印塔は古い先祖を供養するための石塔
墓石全般の基礎知識ついて詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
石は普遍的なものとして、広く墓標として使われていました。
あの世とこの世の境界線という意味もあります。
イサナギとイザナギが登場する神話の世界では、黄泉平坂にある千引岩といわれる大きな石があの世とこの世の境界線のシンボルになっています。
「○○家の墓」があたかも昔から脈々と続いているように錯覚しがちですが、墓石を一家のシンボルとしてひとつの石塔を建てるようになったのは、明治以降に広まったもので、昔からのしきたりというわけではありません。
このように、墓石も時代とともに、地域によって変化しています。
戦後に建てられたお墓は、火葬率上昇とともにお墓の形も遺骨を入れるカロートの構造が重要視されるようになりました。
現在は樹木葬や納骨堂など納骨方法が多様化しています。