曹洞宗2大本山の歴史や見どころをご紹介!知ると参拝がより充実
曹洞宗の本山納骨とは?徹底解説
- 曹洞宗の大本山は福井の永平寺と神奈川の總持寺。
- 曹洞宗は「只管打坐」で坐禅を中心とした修行を重視。
- 永平寺は分骨納骨可、總持寺は永代合葬墓に納骨可、条件は各寺院ごとに異なる。
- お墓選びは複数の霊園を訪れ、情報を集めることが大切。
「うちは曹洞宗だけど、本山のことはあまり知らない。」
「曹洞宗の本山に行ってみたいけど、どんな歴史があるのかは分からない。」
そう思っている人も多いでしょう。
この記事では、2つの曹洞宗の本山について詳しく解説しています。
最後まで読めば、曹洞宗の2つの本山について、歴史や見どころを詳しく知ることができます。本山の拝観をさらに充実したものにできますよ。
また、本山に納骨する方法も分かりやすく解説していますで、本山納骨を検討している方は参考にしてください。
ではさっそく、曹洞宗の2つの本山について見ていきましょう。
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この記事の目次
曹洞宗の大本山は、福井県「永平寺」と神奈川県「總持寺」の2か所
そもそも大本山(だいほんざん)とは、全国にあるお寺を統轄しているお寺のことを言います。
他の宗派では多くの場合、宗派の大元となる大本山は1つですが、曹洞宗には大本山が2つあります。
ひとつは福井県にある「吉祥山永平寺(きちじょうざんえいへいじ)」、もうひとつは神奈川県の「諸嶽山總持寺(しょがくさんそうじじ)」です。
曹洞宗の大本山が2つとなった理由を、曹洞宗の歴史を簡単に確認しながら、解説していきます。
曹洞宗の歴史
曹洞宗は、鎌倉時代の1227年、道元(どうげん)によって開かれた宗派です。
道元は、「○○宗」といった宗派名を立てることを嫌っており、曹洞宗が開かれた当初は、宗派の呼称はありませんでした。
曹洞宗という宗派名を用いるようになったのは、四代目の瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)の頃からだと言われています。
そして、この瑩山紹瑾こそが教団としての曹洞宗を確立し、飛躍的に発展させたのです。
このような歴史から、曹洞宗では道元と瑩山紹瑾の2人を、宗祖(しゅうそ)という宗派を開いた人物としています。
次は、宗祖が2人いるという視点から、大本山が2つとなった理由を見ていきましょう。
大本山が2つある理由
曹洞宗では、道元と瑩山紹瑾の2人を宗祖としていることから、それぞれの宗祖が建立したお寺を大本山としました。
「吉祥山永平寺」は道元が建立し、「諸嶽山總持寺」は瑩山紹瑾が建立したお寺です。
すなわち「吉祥山永平寺」は曹洞宗の根本の教えが説かれたお寺で、「諸嶽山總持寺」は曹洞宗発展の拠点となったお寺という訳です。
ここまでは、曹洞宗の歴史と大本山について解説してきました。
次は、曹洞宗とはどのような宗派なのかを紹介していきます。
曹洞宗は禅宗の一つ
「禅宗(ぜんしゅう)」とは、仏教の中でも特に「坐禅(ざぜん)」を重んじる宗派の総称です。
「坐禅」とは、姿勢を正して坐った状態で精神統一を行うという修行法です。
禅宗には曹洞宗の他にも臨済宗(りんざいしゅう)や黄檗宗(おうばくしゅう)があり、この3つの宗派は「日本三禅宗」と呼ばれています。
では、禅宗である曹洞宗の教えとは、どのようなものなのでしょうか?
曹洞宗の教え
曹洞宗の教えは、「悟ろうとする気持ちすら捨てて、ただひたすら坐禅に打ちこむ」という「只管打坐(しかんたざ)」というものです。
「只管打坐」のただ黙々と坐禅する姿そのものが、悟りの姿であり、仏の姿であるという考えなのです。
では、ここまで解説してきた曹洞宗の概要を、もう一度おさらいしましょう。
曹洞宗の概要・ポイントまとめ
曹洞宗の宗祖や大本山、教えを表にしました。
曹洞宗の大本山について詳しく知る上で、押さえておくと理解がいっそう深まるポイントです。
曹洞宗 概要 | |
---|---|
開祖 | 道元(どうげん)・瑩山紹瑾(けいざんじょうきん) |
大本山 | 「吉祥山永平寺(きちじょうざんえいへいじ)」・「諸嶽山總持寺(しょがくさんそうじじ)」 |
教え | 雑念も悟ろうとする気持ちも全て捨て、ただひたすら坐禅に打ちこむ「只管打坐(しかんたざ)」 |
曹洞宗の概要を踏まえて、次は大本山「吉祥山永平寺」について詳しく解説していきます。
福井県にある「吉祥山永平寺」の概要
曹洞宗の大本山のひとつ、「吉祥山永平寺(きちじょうざんえいへいじ)」は福井県吉田郡永平寺町にあり、「永平寺」と呼ばれ現在でも多くの人々に親しまれています。
永平寺は三方を深い山に囲まれ、もう一方には永平寺川が流れており、冬になると雪が深々と降り積もります。
また、永平寺は約10万坪もの敷地内に、70余りの建物がある、とても大きなお寺です。
では、永平寺が建てられた背景から、永平寺が大本山となった歴史の流れを見ていきましょう。
建立背景と歴史
曹洞宗を開き、布教活動をはじめた道元は、他の宗派によって弾圧され、京都市内から京都府宇治市に移りました。
しかし、京都府宇治市の布教拠点も襲撃された道元は、京都府から離れ、現在の福井県を拠点とすることにしました。
そして1244年、道元が「大佛寺(だいぶつじ)」を建立したのが現在の永平寺のはじまりです。
1246年に寺名を大佛寺から永平寺に改め、禅の道場として、道元の理想とする厳しく純粋な修行が行われるようになりました。
それから約370年もの月日が流れ、1615年に徳川幕府の法令によって、永平寺は曹洞宗の大本山となったのです。
次は、永平寺で最も大切にされている仏さまを見ていきましょう。
本尊
お寺の本堂の中心に置かれる仏像を「本尊(ほんぞん)」と言います。
永平寺の仏殿には、本尊として「釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)」「阿弥陀仏(あみだぶつ)」「弥勒仏(みろくぶつ)」の3体がまつられています。
「釈迦牟尼仏」は現在を、「阿弥陀仏」は過去を 、「弥勒仏」は未来を、それぞれあらわす仏さまです。
ちなみに、未来をあらわす「弥勒仏」は、56億7千万年後にあらわれる仏さまとされています。人間の寿命を考えると、途方もない年月ですね。
次は、現在の永平寺ではどのような修行が行われているのかをご紹介します。
現在の永平寺
現在の永平寺では、常時100人以上の「雲水(うんすい)さん」と呼ばれる修行僧たちが、厳しい修行生活を送っています。
僧堂(そうどう)という場所では、雲水さん一人ずつに「単(たん)」という一畳の空間が与えられ、わずか一畳の空間で坐禅と睡眠、行鉢(ぎょうはつ)と呼ばれる食事を行います。
この僧堂と、お手洗いである東司(とうす)、そして浴室は「三黙道場(さんもくどうじょう)」と呼ばれ、一切の私語が禁止されています。
また、永平寺の各建物や、各建物をつなぐ回廊の掃除を「作務(さむ)」と言い、ほぼ毎日、雲水さんたちは作務を行います。
このように、永平寺では現在でもとても厳しい修行が行われていますが、修行僧は日本全国だけでなく、海外からも集まるそうです。
拝観料やマナーについて
厳しい修行道場でもある永平寺は、一般の人たちも拝観することができます。
ここからは、永平寺の拝観料や、拝観する際のマナーなどをご紹介します。
まずは、拝観できる時間帯を確認しておきましょう。
永平寺の拝観時間
- 8時30分~16時30分
なお、朝の行事によっては拝観時間が変わることもあります。
他にも、年末年始は拝観時間が毎年大幅に変わりますので、年末年始に拝観したい人は、事前に永平寺のホームページで確認しておきましょう。
また、永平寺はとても大きな敷地なので、拝観には時間がかかります。
よって、拝観が終了する時間の1時間前には永平寺内に入っておくことをオススメします。
朝のおつとめにも参加できる
永平寺では毎日、朝のおつとめとして、雲水さんたちがお経を読みます。希望すれば一般の人でも、この朝のおつとめにも参加することができます。
時間は日によって変わりますが、ざっくりとした目安で言うと、5~10月は朝4時頃から、11~4月は朝5時30分頃からとなっています。
参加希望の人は、前日までに永平寺受付に電話連絡をして、朝のおつとめに参加したい旨を伝えれば、時間を教えてもらえます。
なお、朝のおつとめに参加する日は、開始時間の40分前までには永平寺受付に到着しているようにしてください。
永平寺の拝観料
永平寺の通常時の拝観料を表にしました。
大人 | 500円 | 一般拝観の事前予約は不要です。団体割引はありません。 |
---|---|---|
小中学生 | 200円 | |
未就学児 | 無料 | |
障がい者手帳を提示した人 | 200円 | 付添人は500円です。 |
なお、年末年始は拝観料が無料となる日時があります。
永平寺を拝観する際のマナー
永平寺では毎日、雲水さんたちが厳しい修行を行っています。拝観の際には、修行道場だということを忘れず、マナーを守るよう心がけましょう。
では、永平寺を拝観する時のマナーをご紹介します。
- お寺の中では帽子を取ること
- 各建物をつなぐ回廊は、左側通行で歩くこと
- 大声で騒いだりせず、心身ともに整えて静かに拝観すること
- 携帯電話はマナーモードにするか、電源を切ること
- お寺内に置いてある鐘や太鼓などの儀式に使う法具には、決して触らないこと
- 順路から外れて、回廊の外や建物の外に出ないこと
- 雲水さんに直接カメラを向けて撮影しないこと
また、回廊などで雲水さんたちとすれ違う時は、立ち止まって合掌し、一礼するとより丁寧です。
他にも、仏殿などにある仏さまには、合掌し一礼するようにしましょう。
永平寺への行き方
ここまでは、永平寺の拝観方法などについて解説してきましたが、ここからは実際に永平寺へ行く場合のアクセス方法をご紹介します。
まずは、JR福井駅から永平寺まで、直行バスを利用する場合です。
福井駅から永平寺までの直行バスを利用する場合
JR福井駅とバス停「永平寺門前」の区間では、京福バスの「特急 永平寺ライナー」という直行バスの往復便が運行されています。
この「特急 永平寺ライナー」に乗れば、JR福井駅から永平寺まで30分ほどで到着します。
なお、「特急 永平寺ライナー」の乗車券は、JR福井駅東口にある京福バスのチケットセンターにて購入することができます。
また、永平寺から「特急 永平寺ライナー」に乗る場合の乗車券は、バス停「永平寺」の向かいにある「一休」という蕎麦屋さん、またはバス停の隣にあるお食事処「井の上」というお店にて、乗車券を購入することができます。(2019年7月時点)
電車とバスを利用する場合
直行バスを利用せず、電車とバスを利用して永平寺に行く方法です。
- JR福井駅に着いたら東口から出て、「えちぜん鉄道」に乗り換えます。
- えちぜん鉄道の勝山永平寺線で「永平寺口駅」まで行きます。
- 永平寺口駅からは、京福バス「永平寺門前行」または「永平寺行」に乗り換えて、どちらも終点で下車します。
- 下車したバス停から徒歩5分ほどで永平寺に到着します。
なお、京福バスの乗車時間は約13分です。
車で行く場合
車で永平寺に行く場合、北陸自動車道「福井北JCT」から中部縦貫自動車道に入ります。
そして、中部縦貫自動車道「永平寺参道IC」で降りて、東南へ5kmほど進むと永平寺に到着します。
また、駐車場ですが、永平寺の駐車場や町営駐車場、他にも近隣にコインパーキングなどがあります。
【訪れたら要チェック!】永平寺の見どころ3選
ここからは、筆者オススメの永平寺の見どころを3つご紹介していきます。
永平寺拝観の際には、ぜひチェックしてみてください!
山門(さんもん)
永平寺の敷地内に入り、階段をのぼった所にある山門(さんもん)は、修行僧たちにとって非常に大きな意味を持つ門です。
修行僧たちは永平寺での厳しい修行に入る際、最初に山門前で入山(修行)する許しを乞います。
この山門の左右の柱には、「ここより先はとても厳しい修行の道場であり、覚悟がある者のみ門をくぐることが許される」という意味の句があります。
そして、いったん山門をくぐれば、修行を終えるまでは二度と山門から出ることは許されません。
この山門の両側には、仏教の守護神である四天王の仏像がまつられており、厳粛な雰囲気が漂っています。
永平寺を拝観する際には、雲水さんたちがこの山門で何時間も入山の許しを乞い、確固たる意志と覚悟をもってこの山門をくぐったということを覚えておきましょう。
承陽殿(じょうようでん)
永平寺の山門から北西方向に位置する「承陽殿(じょうようでん)」は、道元のお墓にあたる「御真廟(ごしんびょう)」という場所です。
道元が「承陽大師(じょうようたいし)」とも呼ばれていたことから、承陽殿という名が付けられました。
この承陽殿は曹洞宗の発祥の根源であり、曹洞宗の聖地とも言える、永平寺の中でも最も神聖な場所なのです。
現在でも、道元の遺骨が承陽殿の中央に安置されています。また、永平寺の歴代住職の位牌などもまつられています。
傘松閣(さんしょうかく)
傘松閣(さんしょうかく)は、1993年から2年の歳月をかけて再建された、新しい建物です。
1階は参拝者の控室や研修、宿泊のための部屋となっていますが、2階は156畳の大広間です。
この2階の大広間は別名「天井絵の大広間」と呼ばれており、230枚もの花や鳥などを描いた、昭和初期の著名な画家たちの絵が、天井にびっしりとはめ込まれています。
傘松閣の2階に上がって天井を見上げたとたん、その圧倒的な美しさに思わずため息が出てしまいます。
次は、もう一つの大本山「諸嶽山總持寺」について、詳しく見ていきましょう。
神奈川県にある「諸嶽山總持寺」の概要
神奈川県横浜市鶴見区にある「諸嶽山總持寺(しょがくさんそうじじ)」は、曹洞宗の信徒だけでなく、地元の人々にも「總持寺」と呼ばれ親しまれています。
現在でも修行道場として、全国から總持寺に修行僧たちが集まってきます。
總持寺は約15万坪もの敷地を有しており、その広大な敷地内には總持寺の各建物だけでなく、大学などの学校施設もあります。また、毎年夏には盛大な盆踊り大会が催されており、夜には花火も打ち上げられます。
では、總持寺ができた背景を解説していきます。
總持寺のはじまり
總持寺はもともと、神奈川県横浜市ではなく、現在の石川県輪島市にありました。
曹洞宗を教団として確立させた、曹洞宗の宗祖の一人「瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)」が、坐禅の最中にお告げを聞いたことから、總持寺の歴史は始まります。
瑩山紹瑾がお告げを受けた同じ日に、石川県輪島市にあった「諸嶽寺(もろおかでら)」という、曹洞宗とは違う宗派のお寺の住職も、夢でお告げを聞きました。
不思議なことに、瑩山紹瑾と住職が受けたお告げは、一致しました。
住職は「諸嶽寺を瑩山紹瑾に譲るべし」と、瑩山紹瑾は「諸嶽寺を曹洞宗の寺院にするべし」という内容のお告げだったのです。
そして、瑩山紹瑾は住職から諸嶽寺を譲り受け、「諸嶽山總持寺」としたのです。その後、1615年の徳川幕府の法令により、總持寺は永平寺と並んで大本山となりました。
次は、石川県輪島市にあった總持寺が、なぜ神奈川県横浜市へと移転したのかを見ていきましょう。
總持寺が移転した理由
石川県輪島市の總持寺は、明治時代の1898年4月の夜、火災によって敷地内の建物の多くを焼失してしまいました。
当時の總持寺住職は、大本山總持寺の「現代的な使命」などを深く考え、石川県輪島市から都市近郊である神奈川県横浜市に、總持寺を移転したのです。
現在、石川県輪島市の旧總持寺は「總持寺祖院(そうじじそいん)」として再建されています。
次は、總持寺の中心に置かれる仏像「本尊」について解説していきます。
本尊
總持寺の本尊は「釈迦牟尼如来(しゃかむにしょらい)」です。
この釈迦牟尼如来は、死の恐怖や病気などの、人々の悩みや苦しみを救済するためにあらわれる仏さまとされています。
また、總持寺の釈迦牟尼如来像の手の形は、人々の不安をとり除き、あらゆる願いをかなえてくれるということを表しています。
では、總持寺の拝観について具体的に見ていきましょう。
拝観料やマナーについて
總持寺の敷地内には拝観料なしで自由に入ることができますが、總持寺では敷地内の各建物を周る「諸堂拝観」も行われています。
諸堂拝観は、修行僧に案内され、各建物の説明を聞きながら周るという、一周約1時間のコースとなっています。
次に、諸堂拝観の時間を確認していきましょう。
諸堂拝観の開始時間
總持寺の諸堂拝観は定時に行われており、1日5回行われています。
諸堂拝観 開始時間 | 午前10時~ |
---|---|
午前11時~ | |
午後1時~ | |
午後2時~ | |
午後3時~ |
行事の都合によっては諸堂拝観を行っていない場合もあります。
拝観料
諸堂拝観の拝観料です。30人以上の団体であれば、拝観料が少し下がります。
30人以下(個人) | 1人 400円 |
---|---|
30人以上(団体) | 1人 350円 |
マナー
總持寺の諸堂拝観の際のマナーをご紹介します。
- 建物の中では帽子を取ること
- 大声で騒いだりせず、心身ともに整えて静かに拝観すること
- 修行僧が説明をしている時は、しゃべらず静かに聞くこと
- 携帯電話はマナーモードにするか、電源を切ること
- お寺内に置いてある鐘や太鼓などの儀式に使う法具には、決して触らないこと
修行僧や他の参拝者の迷惑とならないように、気を付けましょう。
また、仏殿などにある仏像には、合掌し一礼するようにしましょう。
行き方
では、実際に總持寺へはどうやって行くのか、電車や車でのアクセス方法をご紹介します。
まずは、電車を利用して總持寺まで行く場合の方法です。
電車を利用する場合
- 東海道新幹線「新横浜駅」から、JR横浜線に乗り換える
- JR横浜線「東神奈川駅」でJR京浜東北線に乗換え、JR京浜東北線「鶴見駅」で下車する
- JR京浜東北線「鶴見駅」の西口から南へ向かって徒歩7分で到着
また、品川駅からなら、JR京浜東北線に乗れば「品川駅」から「鶴見駅」まで乗り換えなしで行けますよ。
車で行く場合
車で總持寺まで行く方法です。
東京方面からは、首都高速横羽線「汐入」出口より北西へ約15分です。
横浜方面からは、首都高速横羽線「生麦」出口より北へ約10分です。
總持寺には駐車場がありますが、年末年始や行事がある時など、駐車場を利用できない場合もありますので注意が必要です。
總持寺までの行き方が分かったら、次は總持寺の見どころを見ていきましょう。
【訪れたら要チェック!】總持寺の見どころ3選
總持寺には3つの「日本一」があります。
それは、門と仏像、本堂というお寺の中心である建物です。
ここからは、總持寺に訪れたらぜひ見てほしい「日本一」を、3つともご紹介します。
三門(さんもん)
總持寺の表門である「三松関(さんしょうかん)」を通った先にあるのが、「三門(さんもん)」です。
總持寺の三門は、鉄筋コンクリート造りでは日本最大級の大きさを誇ります。
三門は一般の人もくぐることができますが、門に近づくにつれて、その巨大さに圧倒されることでしょう。
この巨大な三門の左右には、元横綱である北の湖関の、15歳の時の姿をモデルにしたと伝えられている仁王像がおさめられています。
香積台(こうしゃくだい)
總持寺の総受付である「香積台(こうしゃくだい)」には、「大黒尊天(だいこくそんてん)」がまつられています。
大黒尊天とは七福神の一人であり「人々の願いを叶え、福をさずける神」として、現在でも多くの人たちに厚く信仰されています。
總持寺の大黒尊天は日本一大きいとされており、高さ約180センチメートルもの大きな木彫りの仏像です。
この總持寺の2つ目の日本一である大黒尊天は、香積台の奥まった暗所にありますので、見逃さないように注意してくださいね。
大祖堂(だいそどう)
總持寺の「大祖堂(だいそどう)」も、日本一の大きさを誇る本堂です。
1000畳もの広さがある大祖堂では、朝夕のおつとめや、法要などが行われています。
この大祖堂には、宗祖の瑩山紹瑾と道元をはじめ、歴代の禅の僧侶がまつられています。一般の人もお参りをすることができ、線香をあげることもできますよ。
ここまで、曹洞宗の2つの大本山について、歴史や拝観方法、見どころを解説してきました。
次は、曹洞宗の大本山で体験できることをご紹介していきます。
曹洞宗の大本山で体験できること
曹洞宗の大本山である永平寺と總持寺では、禅の体験や、お経を書き写す「写経(しゃきょう)」などの体験ができます。
ここからは、各大本山それぞれで体験できることを解説していきます。
永平寺で体験できること
まずは永平寺で体験できることを見ていきましょう。
日帰りで体験できることから、1泊2日や3泊4日間をかけて体験できることがあります。
【日帰りの体験】坐禅体験と写経
日帰りで体験できることは、坐禅体験と写経です。
どちらも予約なしで体験できますが、永平寺の行事の都合によっては、実施されない日もあります。体験できることの内容や時間などをまとめました。
現在、新型コロナウイルス感染症流行のため、写経は休止、坐禅のみ一部制限を設けての実施となっています。
内容 | 受付時間 | 納める金額の目安 | |
---|---|---|---|
坐禅体験 | 約30分の坐禅を行います | 午前の部(10時~) 午後の部①(13時30分~) 午後の部②(15時30分~) | 500円 |
写経 | 般若心経などの3種類のお経を写経します ※2021年3月時点では中止 | 随時受付 | 1,000円 |
【1泊2日や3泊4日の体験】参禅(さんぜん)と参籠(さんろう)
永平寺での、宿泊を伴う体験には「参禅(さんぜん)」と「参籠(さんろう)」があります。どちらも事前申し込みが必要となります。
体験を希望する人は、体験希望日の2週間前までには、体験申し込みをしましょう。
内容 | 体験期間 | 納める金額の目安 | |
---|---|---|---|
参禅 | 坐禅や作務などの、修行僧の修行生活を体験します ※2021年3月時点では中止 | 1泊2日 | 1万円 |
3泊4日 | 2万円 | ||
参籠 | 永平寺に宿泊し、精進料理と修行道場の雰囲気を味わいます ※2021年3月時点では中止 | 1泊2日 | 中学生以上 9,000円 |
小学生 5,000円 |
また、3泊4日の参禅研修は決められた日のみの開催となりますので、詳しくは永平寺公式ホームページの「体験(坐禅・写経・参籠)」にて確認してください。
現在、新型コロナウイルス感染症流行のため、参禅・参籠は休止となっています。
總持寺で体験できること
次は、總持寺で体験できることを見ていきましょう。
永平寺と同じく、日帰りで体験できることから、1泊2日で体験できることがあります。
【日帰りでの体験】参禅と写経
日帰りで体験できることは参禅と写経です。總持寺での日帰りの参禅は、自由参加の坐禅会として開催されていて、「月例参禅」と「暁天(きょうてん)参禅」の、2つのコースがそれぞれ月に1回開催されています。
どちらのコースも予約なしで参加できますが、先着100名で受付終了となりますので注意が必要です。
また、写経を体験できる写経会も、月1回の開催となっています。
写経会の場合は予約が必要で、定員は80名です。
コース | 内 容 | 時 間 | 参加費 | |
---|---|---|---|---|
参 禅 | 月例参禅 | 毎月1回開催 | 午後1時~午後4時 | 500円 |
暁天参禅 | 毎月指定した日を自由参加の坐禅会として開催 | 午前5時15分~午前7時 | 300円 | |
写経会 | 写経をしてから、精進料理をいただきます | 9時40分~15時 | 3,500円 |
参禅と写経会の開催日程については、總持寺の公式ホームページで確認してください。
現在、新型コロナウイルス感染症流行のため、参禅会の開催は未定となっております。
【1泊2日での体験】参禅(さんぜん)
總持寺では、1泊2日で坐禅や写経などを体験する参禅として、月に1回行われる「禅の一夜」というコースがあります。
「禅の一夜」は事前申し込みが必要となりますので、参加したい人は總持寺の公式ホームページで日程や申し込み方法などを確認してください。
現在、新型コロナウイルス感染症流行のため、参禅「禅の一夜」の開催は未定となっております。
内 容 | 体験期間 | 参加費 | |
---|---|---|---|
参禅 「禅の一夜」 | 坐禅や朝のおつとめ、写経などを体験します | 1泊2日 | 6,000円 (坐禅着レンタルの場合 7,000円) |
ここまで、曹洞宗の2つの大本山で体験できることを紹介してきました。
次は、曹洞宗の大本山に納骨する方法を解説していきます。
曹洞宗の大本山に納骨する方法
曹洞宗の大本山である永平寺と總持寺に納骨する方法を見ていきましょう。それぞれ納骨の方法が違うので、まずは永平寺の場合から確認していきましょう。
永平寺では分骨を受け付けている
永平寺への納骨は、全ての遺骨を納めるのではなく、遺骨の一部を納める「分骨(ぶんこつ)」という方法で、受け付けています。
永平寺に納骨を希望する場合、永平寺の「総受処カウンター」にて申し込みを行います。
納骨を申し込んだその日に、納骨のための法要を行ってもらい、納骨するという流れです。
この納骨のための法要は、毎日行われているので、予約などは必要ありません。
ただし、永平寺に納骨した遺骨は、他の人たちの遺骨と合わせて埋葬されるため、返却はできません。
では、実際に永平寺に納骨(分骨)する場合の手順を解説していきます。
永平寺に納骨(分骨)する3つの手順
永平寺では1日5回、納骨(分骨)のための法要を行っています。
法要が行われる時間は、午前は9時30分と11時、午後は1時と3時、そして4時30分となっています。
納骨の申し込みは、法要開始時間の30分前までに済ましておく必要があるため、時間にゆとりをもって行きましょう。
また、納骨のためのお布施は3万円以上を納めます。
【納骨する手順】
- 受付時に申込書へ記入するため、事前に戒名や死亡年月日等を調べておく
- 永平寺の総受処カウンターへ行き、納骨の申し込みをする
- 法要15分前までに法要控え室に入り、法要会場への案内を待つ
参照URL : 大本山永平寺「ご供養」
次に、總持寺に納骨する方法を見ていきましょう。
總持寺では永代合葬墓への納骨を受け付けている
總持寺では「永代合葬墓」への納骨を受け付けています。
總持寺の永代合葬墓への納骨とは、全ての遺骨を、他の人たちの遺骨と合わせて一つのお墓に埋葬する方法です。
しかし、總持寺の永代合葬墓には、納骨できる人の条件があり、お墓の承継者がいない人、すなわち子どもがいない夫婦や単身者であることとされています。
そして、總持寺の永代合葬墓に遺骨を納めた後は、故人の命日など、いつでも永代合葬墓へお参りをすることができます。
總持寺に納骨する場合
總持寺に納骨する場合は、全ての遺骨を永代合葬墓に納めるため、事前の連絡や各種手続きが必要となります。
納骨方法や費用、必要となる手続きなど、詳細については、總持寺の管理事業部へ問い合わせてください。
参照URL : 曹洞宗大本山總持寺 永代合葬墓「慈照塔」
2つの本山への納骨に興味がある人へ
ライフドットでは、この2つの本山に関連した墓地の詳細ページを掲載しています。実際にかかる費用や、利用者の口コミなどを参考にしてみてください。
- 所在地
- 東京都港区西麻布2-21-34
- アクセス
- 表参道駅から1.1km地図を見る
- 霊園種別
- 寺院墓地 /
- 宗旨宗派
- 曹洞宗
- 区画種別
- 一般墓
まとめ
最後にもう一度、曹洞宗の大本山について、今まで見てきた内容をおさらいしましょう。
- 曹洞宗の大本山は福井県にある「吉祥山永平寺(きちじょうざんえいへいじ)」と、神奈川県にある「諸嶽山總持寺(しょがくさんそうじじ)」
- 曹洞宗の宗祖は道元(どうげん)と瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)
- 曹洞宗の教えは、ただひたすら坐禅に打ちこむ「只管打坐(しかんたざ)」
- 永平寺では拝観時間が季節によって変わる
- 總持寺の敷地内には自由に入ることもできるが、諸堂拝観という拝観コースもある
- 曹洞宗の2つの大本山では坐禅や写経が体験できる
- 永平寺では分骨という方法で納骨ができ、總持寺では永代合葬墓への納骨ができる
曹洞宗には2つの大本山があります。
それは、道元にゆかりのある「永平寺」と、瑩山紹瑾にゆかりのある「總持寺」です。
どちらのお寺も、今も修行道場として多くの修行僧たちが生活しています。
本山を拝観する際には、修行僧たちの生活を通して、曹洞宗の教えや歴史に思いをはせてみてはいかがでしょうか。
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終活といっても、生前整理、葬儀、お墓の検討などさまざまです。
そのなかでも「お墓」は、一生に一度あるかないかの買い物ですね。
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監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
お釈迦様は菩提樹の下で、七日七晩座禅をし、悟りを得ることができたと言われています。この悟りを実体験するための修行が座禅です。座禅の足の組み方には特徴があり、これを結跏趺坐といいます。両足を反対の足の太腿の上にのせて組むやり方で、慣れないとこの姿勢を保つだけでも一苦労でしょう。
曹洞宗の座禅は、只管打座といい、ただひたすら何も考えずに座禅に打ち込むことが修行だとされています。つまり無になるということで、禅問答をする臨済宗の禅とは性質が違います。
禅の教えでは、座禅だけではなく、料理、掃除、仕事等、日常生活のすべてを修行と考えます。