納骨堂の見学へ行こう!見学で必ず確認したいポイントをわかりやすく紹介

【納骨堂 見学】アイキャッチ

納骨堂の見学方法とは?徹底解説

  • 納骨堂は屋内で遺骨を安置し、いつでもお参りできる施設。
  • 選ぶ時は宗教や供養方法、コスト、運営体制、営業時間を確認。
  • 見学では費用、管理状況、アクセス、収蔵方式、施設の品質をチェック。
  • 選定プロセスは情報集め、問合せ、訪問、その後契約から納骨まで進む。
  • 不満なら他の埋葬方法も考慮。

多様化していっている「弔い方」のなかでも、「どこにご遺骨を納めるか」「どのようなかたちでご遺骨に接していくか」は、非常に多くの人が頭を悩ませる部分だといえます。

ご遺骨をどう供養するかは、人によって異なります。代々のお墓の人もいますし、樹木葬にする人、手元で供養をしていく人、また納骨堂という選択肢を取る人もいるでしょう。
今回は主に納骨堂に納めることを想定している人に向けて、解説していきます。

この記事を読むことで、納骨堂をお墓として検討しているときにどんなポイントを見学時に確認するといいのかわかるようになります。後悔しない、納得のいくお墓を選びの参考になるでしょう。

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この記事の目次

  1. 納骨堂とは何か
  2. 一生に一度の契約だから、納骨堂の見学はとっても大事!
  3. 納骨堂へ見学に行く前に確認したい点
  4. 納骨堂に見学へ行くための簡単3ステップ
  5. 【後悔しないために】納骨堂の見学時に、確認するべきポイント
  6. 納骨堂の管理担当者に聞いたほうが良い質問
  7. 見学後の契約はスムーズに!納骨までの流れ
  8. 納骨堂の見学で満足できなかったときの選択肢
  9. まとめ
  10. 監修者コメント

納骨堂とは何か

納骨堂 マンション墓

納骨堂とは、簡単に言うのであれば、「ご遺骨を納めるための施設」をいいます。

納骨堂は、墓地とは異なり、全天候型の屋根がある施設のことを指します。墓地とは異なりどのような天候でも足を運べること、掃除などの管理を一任できることから、清潔で快適な空間のなかでお参りができるというメリットがあります。

現在は納骨堂にもさまざまなかたちがあります。ロッカータイプのように多くのご遺骨が納められるところもあれば、仏壇型になっているところもあります。また、従来のお墓と同じ墓石のかたちをとっている納骨堂もあります。

一般的に、納骨堂は「一からお墓を建てる場合」に比べると、金額が抑えられる傾向にあります。プランや施設によって異なりますが、50万円程度が相場となるでしょう。

一生に一度の契約だから、納骨堂の見学はとっても大事!

納骨堂に限ったことではありませんが、「墓地・霊園」「お墓」は、多くの人にとって一生に一度の買い物です。動くお金も大きいものです。このため、特段の事情がない限り、「ここにしようかな」とあたりをつけた納骨堂(墓所)には、実際に足を運んで、どのようなところかを確認することを強くおすすめします。

納骨堂(墓所)は、その人にとって「最後の住まい」となるところです。同じように「一生に一度の買い物(であることが多い)」に分類される「家」を、まったく見学も資料請求もせずに建てる人はいないでしょう。

実際、当サイトの調査でも、「納骨堂(墓所)を決める前に、現地に見学に行った」という人の割合が84パーセントを超えていました。また、「現地には行かなかったけれど、資料請求は行った」という人の割合も7.8パーセントでした。

この2つを合わせれば、まったく何の下調べもなく契約した人はわずか8パーセント程度であるということがわかります。

納骨堂(墓所)を決めるために、現地に足を運んだり資料を請求したりすることは、必須ともいえるでしょう。特段の事情がない限りは、必ず足を運ぶべきです。

なおこれは、2018年の3月から3週間程度にわたって、過去3年間にお墓を購入(契約)した30歳以上の男女(男女比率は296:146)に対して行ったアンケートの結果です。

出典:Life(当サイト) 【実録!】お墓購入者の80%以上が3か月以上かかった?!お墓を買うことに関する調査結果」

複数の納骨堂を見学し比較検討しよう

納骨堂(墓所)を決める際には、複数の施設に足を運ぶことをおすすめします。納骨堂(墓所)の印象は、写真で見た時と現地に足を運んだ時では随分異なります。また、一か所しか見ないで決めた場合、「ほかの納骨堂(墓所)が良かった」という後悔が生まれかねません。

比較検討することでしか見えてこないものもあります。
たとえば、一軒目のスタッフの対応があまりよくなかったとしても、「納骨堂は厳かな場所だから、あまり愛想がよくないのは当然なのかもしれない」と無理やり自分を納得させてしまう可能性があります。

また、全体的に施設が暗い場合でも、比較検討する納骨堂がなければ「こんなものなのかな」と感じてしまいかねません。

いくつもの納骨堂(墓所)に足を運ぶことで、その施設の清掃の仕方・スタッフの接客態度・施設の明るさなどを比較検討できるようになります。その結果、第2希望であった施設が第1希望であった施設よりもよく感じた、などのような感情の変化が起こる場合もあるでしょう。

しかし、納骨堂(墓所)に足を運ぶのはなかなか大変なものです。場合によっては休日がまるまる1日つぶれることもあります。このため、資料請求の段階である程度絞り込んでおくことをおすすめします。

少なくて2軒程度、多くて5件程度でしょうか。ただ、家族で意見が分かれているのであれば、行くべき納骨堂(墓所)の数はもう少し増えるでしょう。

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4つの質問で見つかる!

Q. お墓は代々継いでいきたいですか?

納骨堂へ見学に行く前に確認したい点

ポイントを示す女性

「納骨堂へ見学に行こう!」と決める前に、まず確認してほしいのが以下の5点です。特に「宗教の確認」は最重要項目といえます。

  1. 宗教の確認
  2. 供養方法の確認
  3. 価格の確認
  4. 事業形態の確認
  5. 納骨堂が開いている時間の確認

宗教の確認

人が亡くなったときに、必ず見なければならないものがあります。それが、「宗教」です。

日本は比較的宗教に関しては寛容な人が多く、こだわりのない人が多いと思われます。しかしそれでも、葬儀~収蔵においては、必ずこれを意識させられることになります。無宗教の人であっても、「無宗教であること」を意識しなければなりません。

納骨堂における宗教の縛りは、以下のように分けられます。

  1. 特定の宗教でなければ不可。それ以外の宗教は受け入れない
  2. 宗教には縛りがあるが、親和性の高い宗派ならば認める
  3. 生前の信仰は問わないが、収蔵後はその納骨堂の宗教・宗派によって弔っていく
  4. 一切問わない

1は、神式の納骨堂などにしばしばみられる考え方です。
2については解説が必要でしょう。これは、「浄土真宗のお寺が運営する納骨堂ではあるが、親和性の高い在来仏教(臨済宗や日蓮宗など)の信徒ならば入ってもらえる。
しかし、同じ仏教系でも、新興宗教系のものは認めない」などの考え方です。
統計をとったわけではないのであくまで体感的なものですが、お寺の運営する納骨堂の場合、この2か3の考えをとっているところが多いように思われます。

3は、「生前にキリスト教を信仰していた人でも、うちの寺で受け入れる。しかし供養は、浄土真宗のやり方をとる」というものです。
公営の納骨堂などは、4のやり方をとることが多いでしょう。どのような宗教・宗派でも受け入れるとする考え方です。

「納骨堂」という響きだけを聞くと、「ご遺骨(故人)中心の収蔵方法」のように思われます。しかし実際には納骨堂を運営する団体側によって、宗教の制限がかけられていることもあります。この点が合致しない場合、納骨堂の見学に行っても結局契約ができないということにもなりかねません。現在は比較的寛大な考え方をとっている納骨堂が多いように思われますが、まずは宗教について確認しましょう。

供養方法の確認

供養方法についても、確認をしておかなければなりません。
なお、厳密に言えば「供養」は仏教用語ですが、ここではわかりやすく話すためにこの言葉を使っていきます。

納骨堂によって、供養の考え方は異なります。

  1. 毎朝お経をあげ、大きな節目には特に厚くお経をあげてくれる
  2. 特にお経はあげない。しかし何年経っても合葬はされない
  3. 節目のタイミングで合葬にされる

など、納骨堂によって供養の方法は異なります。

この「供養の方法」に関しては、納骨堂側ではあまり厚く説明していません。しかしこれは非常に重要な点です。
「こちらとしては1だと思っていたので申し込んだのに、実際には3だった」などの状況だと、大きな後悔につながります。

そのため、供養の方法についても事前にしっかりと確認しましょう。なお、絶対に1のやり方をとっている納骨堂が良い、ということであれば、寺院が運営している納骨堂にあたると無駄がないでしょう。

価格の確認

価格の確認も大切です。
一般的に納骨堂は、お墓を一から建てる場合と比べると安くあがる可能性が高いといえます。しかし納骨堂ごと・プランごとによって金額は大きく異なりますから、確認が必要です。現在は納骨堂を探すことのできるインターネットサービスも充実していますから、予算の都合があるのであれば、「条件」に予算を設定して探すのもよいでしょう。

事業形態の確認

納骨堂は事業形態別に大分すると、

  1. 民間団体
  2. 寺院などの宗教団体
  3. 自治体

に分けられます。それぞれに特徴があります。

1の場合は、立地などがよい場合が比較的多いといえます。また、新しい施設の場合は設備も整っており、通いやすい傾向にあります。また、宗教・宗派は原則として不問とされているところが多いといえます。

2の場合は、「毎朝お経をあげてほしい」「費用を抑えるために納骨堂を利用するというよりは、故人の信仰していたお寺・宗派のおひざ元で供養していきたい」と考える人に向いています。現在は「どんな宗教・宗派でも受け入れる」としている寺院納骨堂もありますが、宗教・宗派に制限が出る可能性もあるので注意してください。

3の場合は、安定した運営が魅力です。ほかの事業形態に比べて安定した運営が見込めることから、破産の可能性がほとんどありません。また、安価な値段に設定されていることが多いといえます。宗教・宗派は不問とされるケースが多いのも特徴です。

納骨堂が開いている時間の確認

最後に、「納骨堂が開いている時間の確認」も行いましょう。
納骨堂は屋内施設であるため、墓地のように「いつ行ってもお参りができる」というものではありません。多くの納骨堂は開館時間を定めています。

9時台~18時台までを開館時間としているところが比較的多いでしょう。ただ、なかには17時台に閉館となるところもあります。終業後などにお参りすることが多い人などは、少し注意をしたいものです。平日と休日、お盆のシーズンとそれ以外などで開館時間が異なる場合もあります。

年中無休としている納骨堂もありますが、「年末年始は10日間以上にわたり閉館する」としているところもあるため、「年末年始に親族が集まった時にご先祖様に挨拶に行くこと」を考えている人はこの点にも注意が必要です。

また、この「開館時間」を調べるときには、一緒に「そこの納骨堂までのアクセスのしやすさ」も確認しておくとよいでしょう。

納骨堂に見学へ行くための簡単3ステップ

納骨堂に行くためのステップを、3段階で解説します。

ステップ1.希望条件に基づいた納骨堂に関する情報を収集する

まずは、希望条件に合う納骨堂の情報を集めます。宗教や価格、立地などの条件をつけて選んでいきましょう。現在は、条件に合う納骨堂の資料請求を一括で行うサービスなども出ていますから、これを利用するのもおすすめです。

ステップ2.気になる納骨堂に見学のお問い合せをする

気になる納骨堂に見学のお問い合わせをします。納骨堂側は見学を歓迎しているところが多く、基本的に断られることはないでしょう。ただ、時間制限を設けているところなどもあります。

施設側には事前に電話をしておくようにします。またこのときに、資料集めの段階で出てきた疑問をまとめておけるとなおよいといえます。見学のときに疑問点を訪ねることができるからです。

ステップ3.納骨堂へ実際に足を運ぶ

実際に納骨堂に足を運びましょう。実際に自分の目で見たときと資料で見たときでは、その納骨堂の印象がまったく違うということもあり得ます。また、契約を急がせる納骨堂や、スタッフの対応が悪い納骨堂は候補から外すようにしてください。

納骨堂は、「買えば終わり」という性質のものではありません。大切な人の、あるいは自分自身の終の住処となる場所です。不信感のあるスタッフには、到底任せられるものではありません。きちんとした対応、誠実な受け答えができるスタッフを雇っているかどうかも、このときに確認してください。

【後悔しないために】納骨堂の見学時に、確認するべきポイント

中高年夫婦の相談を受ける終活カウンセラー

ここからは、より具体的に、「納骨堂の見学のときに、スタッフに聞いておきたいポイント」を解説していきます。納骨堂に行く前、あるいは行った後に問い合わせても構いませんが、見学時に聞いておくと無駄がありません。

また、そのときのスタッフの受け答えも、その納骨堂の良し悪しの判断基準となります。明確な答えが返ってきたり「不明なので確認して折り返します」などのように案内がされたりすれば問題はありませんが、ごまかすような態度を取られたり面倒そうな対応をされたりした場合は、ほかの納骨堂を選ぶようにしてください。

価格

現在は多くの納骨堂が「価格」をホームページに記載しています。資料請求をすればなおわかりやすくなりますから、価格に関しての情報を手に入れること自体はそれほど難しくはありません。

しかし、30万円「から」とされているだけで上限が記されていなかったり、同じプランでも上段か下段か(棚タイプの納骨スペースの場合)によって値段が違ったり、プランが複数にわたっておりホームページ上だけでは案内が足りなかったりすることもあります。このため、詳細については確認しなければなりません。

また、非常に重要なのが、「一時的にかかる金額以外にかかる金額があるかどうかの確認」です。

納骨堂のなかには、最初に納める金額以外にも、年間管理費がかかるところがあります。10000円以下であることが普通ですが、「33年分を一括で支払う」などの選択肢をとった場合、初回の費用に15万~30万円程度が上乗せされるケースもあります。場合によっては、お墓を購入するのとそれほど変わらない金額になってしまうこともあります。

また、特に寺院運営の納骨堂の場合、檀家になるかならないかで金額が変わってくることもありますので、重々チェックが必要です。「年間管理費が必要」と書かれていない納骨堂であっても、利用者側から「年間管理費用などは必要ですか」と聞くようにしてください。

なお、「年間管理費用」は、「維持費」「年間志納金」などと呼ばれることもありますが、基本的には同じものだと考えてください。

通いやすさ

納骨堂を決める際には、必ず自分自身の足で、実際にその納骨堂に通う際のルート・交通機関で、その納骨堂に見学に行くことが求められます。

このときには、「納骨堂へのアクセスのしやすさ」にも注目しておきたいものです。通いやすい場所にあるのかどうか、バスや電車を利用するのであればそれらの本数は多いのか、車で行くことを前提としているのであれば駐車場はあるのかまた止めやすいかどうか、足腰が弱くなっても行けるところなのかどうかなどをよく気を付けて確認してください。

この「アクセスのしやすさ」は、単純に「どれだけの時間がかかるか」を見るものではありません。もちろん「近いこと」もひとつの判断基準とはなりますが、「通い続けられるアクセスの良さ」があるかどうかも、重要なポイントです。

どのようなかたちで納骨するのか

「どのようなかたちで納骨をするのか」も考えておきましょう。

納骨堂は、「1人だけで入るもの」という印象を持っている人もいるかもしれません。しかし実際には、納骨堂のスペースの大きさは千差万別です。1人だけで入ることを前提としたものもあれば、2人分のスペースがあるもの、3~4人程度のご遺骨が収容できるもの、10人以上のご遺骨が収容できるものもあります。
そのため、「どれくらいのスペースが必要か」によって、選ぶべき納骨堂は変わってきます。

なお、1~4人程度のご遺骨が収容できる納骨堂は、それほど珍しくはありません。しかし10人以上のご遺骨が納められる納骨堂は、あまり多くはありません。これが絶対的な条件であるのならば、見学に行く前の段階で検討しておく必要があります。

施設の状態の確認

「資料だけでははっきりとはわからないもの」に、「施設の状態」があります。掃除が行き届いているかどうか、バリアフリー設備が整っているかどうかを確認してください。現在の新しい納骨堂の場合はバリアフリーになっていて車いすでも簡単に移動できるようになっているものが多いのですが、昔からある納骨堂の場合はこの点に特に注意しなければなりません。

写真ではわからない、「清掃されているかどうか」「きれいに使われている納骨堂であるかどうか」も見ておきましょう。古くて歴史のある納骨堂であっても、きちんと手入れがされていれば、あまり大きな問題にはなりません。清掃がきちんと行き届いていない施設では、故人もゆっくり眠ることが難しくなるでしょう。

納骨堂の管理担当者に聞いたほうが良い質問

納骨堂の管理者には、わからないことは何でも聞きましょう。特に宗教面の確認は必須です。自分あるいはそこに入る予定の家族の宗教が、日本ではそれほど多くはない宗教(イスラム教など)や新興宗教の場合は、施設側のためにも確認が必要です。

この場合は、供養のかたちも聞いておきましょう。無宗教であり僧侶の読経もないのか、それともそこに入ったのちはその施設の掲げる宗教・宗派による供養が行われるのか……などです。

「無宗教ではあるが、読経をしてもらえればそれはそれでありがたい」と思うか、「ほかの宗教を信じている。無宗教に近いかたちで葬られるのならば良いが、読経などをされては困る」と考えるかで、対応は大きく変わってくれるからです。

また、「合葬はされるのか、されるとしたらいつなのか」「お金はいくらくらいかかるのか」「年間の管理費用などはかかるのか」「お金を納めるタイミングはいつになるのか」などについても確認しておきましょう。

なお、納骨堂で法要を営むつもりであるのなら、この段階で、「法要を行えるスペースはあるか」などを聞いておくと面倒がありません。

見学後の契約はスムーズに!納骨までの流れ

位牌型の納骨堂

見学前までは

  1. 資料の取り寄せ
  2. 資料の精査~候補となる納骨堂を選ぶ
  3. 納骨堂の見学を行う

という流れをとります。
その後は、以下のように進みます。

4.見学に行き、不明点を聞く

その場で答えが得られればよし、難しい質問ならば折り返しの連絡をお願いする旨を伝えましょう。なお、答えてもらった場合であっても、いったんは家に帰り、冷静に考える期間を設けられればなおよいでしょう。また、家族全員の了承を得られているかも重要なポイントとなります。

5.契約

契約を行います。このときには、

  • 戸籍謄本もしくは住民票
  • 本人を確認するための書類(運転免許証やパスポートなど)
  • 印鑑

が必要です。
また、ローンで支払う場合は、該当口座の届け印などが必要となります。手付金が必要な納骨堂の場合は、その費用も持参しましょう。

なお、契約までの段階では埋葬許可証は必要ありませんが、納骨を行うときにはこれが必要となります。埋葬許可証は、火葬許可証に火葬場の認め印が押されたものをいいます。埋葬許可証は、納骨堂で出されるものではありません。

火葬直後に貰うものです。多くの場合、骨壺と一緒に保管されているはずです。ちなみに、これをうっかり紛失してしまった場合は、とりあえず地方自治体に問い合わせを行いましょう。

6.振り込み

多少前後することがありますが、契約の後にお金を振り込みます。ただしローンの場合は、「少しずつ払っていく」という方法をとることになります。
どのタイミングで収蔵ができるようになるかも確認しておきましょう。

7.納骨

適当な日を選んで納骨を行います。納骨は、「この日に行わなければならない」という決まりがあるわけではありません。ただ、仏教の場合は四十九日をめどにして行うケースが多いようです。もっとも、家族が亡くなって初めて納骨堂を探し始めたという場合は、四十九日法要に間に合わないケースもあります。そのような場合は、一周忌などの節目に合わせて納骨をするとよいでしょう。

また、納骨をせずにしばらくの間手元供養(ご遺骨を納めず、家の仏壇などにおいてお参りをしていく方法)をして、心に整理がついたら納骨する……というやり方でも構いません。

納骨堂の見学で満足できなかったときの選択肢

親子3人で霊園を歩いている様子

納骨堂の見学は、「見学したら、絶対にどこかの納骨堂に決めなければならない」というものではありません。「見学はしたけれど、よいところが見つからなかった」「納骨堂に納めるつもりでいたけれど、やっぱり違う選択肢を検討した方が良いような気がしてきた」という場合もあるでしょう。そのときには、別の選択肢をとることになります。

「納骨堂に行ったけれど、やっぱり自然の陽光のなかで眠らせたい」などと思ったという人もいるでしょう。この場合は、根本的に考えを変える必要があります。一般的な墓所の購入を検討したり、樹木葬(木をシンボルとして、その下で眠る方法)や海洋葬(海にご遺骨を撒くかたち)を検討したりすることになります。

なお、「一般的なお墓を建てる」という場合はそれほど問題にはなりませんが、樹木葬などの「自然葬」は、納骨堂以上に反対が起きる可能性があるため、家族との話し合いの時間をしっかり設けることが必要になってきます。

また、費用面で折り合いがつかなければ合葬墓・合同墓(骨壺からお骨を取り出し、他のお骨と一緒に埋葬する方法。個々人の埋葬箇所を持たないので安くなる)をするとよいでしょう。宗教面で折り合いがつかないのであればその地域のまとめ役に相談するなどの選択肢があがってきます。

ただ、別の方法を模索する場合でも、必ずその場所に見学に訪れることが重要です。

納骨堂の見学は、その納骨堂の状態を確認するために行うものです。ただ同時に、「本当にこの納骨堂で良いのか」「納骨堂という選択肢をとるのが、自分達の考える弔いのかたちと本当に合致しているのか」を考えるための機会でもあります。最後の住処となる場所ですから、じっくり考えましょう。

まとめ

納骨堂とは、ご遺骨を納めるための施設をいいます。全天候型であり、天気が悪いときでもお参りできるのが大きな魅力です。
また、総じてお墓を買うときよりも費用が安く済むというメリットもあります。

なお、納骨堂にはいくつかのタイプがあり、お墓型になっているものやロッカー型になっているものなどいろいろあります。

納骨堂を決める前には、できるだけ見学を行うようにしてください。納骨堂(墓所)を検討している人の80パーセント以上が実際に足を運んでいます。どうしても行くのが難しい場合は、資料を取り寄せましょう。また、複数個所を訪ねることも重要です。

納骨堂に行く前には

  • 宗教の確認
  • 供養方法の確認
  • 価格の確認
  • 事業形態の確認
  • 納骨堂が開いている時間の確認

を行いましょう。特に「宗教の確認」は重要です。信仰している宗教によっては、収蔵を断られる可能性もあります。

納骨堂に行くためのステップは、3段階に分けられます。

  1. 情報収集
  2. 問い合わせ
  3. 実際に足を運ぶ

足を運ぶ際には

  • その納骨堂を利用するために必要な費用(年会費などを含む)
  • アクセスしやすいところにあるかどうか
  • どのようなかたちで収蔵されるのか
  • 施設の状況はどうなっているのか、施設の雰囲気はどうか

を確認するようにしてください。
特に2番目と4番目は、実際に足を運んでみないとわからない部分です。なお、実際に尋ねる前に、疑問点などをまとめておくとよりよいでしょう。

その疑問点をスタッフにぶつけるようにしてください。このとき、即答してくれるもしくは調べて折り返し連絡をしてきてくれるのであれば、問題はありません。いい加減なことを言ってきたり契約をせかしたりするところは要注意です。

  1. 資料の取り寄せ
  2. 資料の精査~候補となる納骨堂を選ぶ
  3. 納骨堂の見学を行う
  4. 見学に行き、不明点を聞く
  5. 契約
  6. 振り込み
  7. 納骨

の流れで納骨していきます。
なお、契約段階で、印鑑や身分証明書や戸籍謄本の提出などが求められるので忘れないようにしてください。事前に持ち物を確認しておくと安心です。

「納骨堂に見学にいったが、決めかねた」という場合は

  1. 施設の設備などの条件が合わなかったのか
  2. 費用面の問題か
  3. そもそも納骨堂という選択肢自体に疑問が生じたのか

によって、とるべき対処方法が変わってきます。

いずれにせよ、納骨堂は「最後の住まい」になる場所です。しっかり見学をして、ここでいいのかどうかを確認したいものですね。

また納骨堂についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせてご覧ください。


監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

近年、都市部を中心に納骨堂が注目されています。都市部は墓地使用料が高く、住宅と同じように戸建てよりビル型の方がリーズナブルな価格で求められるということもあり、本堂の建て替えのタイミング等で、納骨堂を併設する寺院が増えてきました。さまざまな納骨堂があり、それぞれメリット・注意点がありますが、ここでは「宗教・宗旨・宗派不問」をうたう納骨堂を選ぶ場合の注意点をお伝えしたいと思います。

基本的に「宗教・宗旨・宗派不問」と言っても、自治体が経営母体でない限り、ほとんど母体は宗教法人で、納骨堂は宗教施設とみなされます。そのため、「宗教・宗旨・宗派不問」とあっても、母体である宗教法人(寺院等)の活動に理解があることが前提となります。

納骨堂の基礎知識を解説