納骨堂にはメリットが盛りだくさん!3つのポイントを徹底解説
納骨堂のメリットとは?徹底解説
- 納骨堂は遺骨を置く場所で、宗派問わず手間が少ない
- 納骨堂は費用が安く、宗派を選ばず、管理費がかからないことが多い
- 納骨堂の欠点は遺骨の制限や献花スペースの少なさ、老朽化への不透明さ
- 納骨堂には6種類あり、特性と費用がそれぞれ異なる
終活をしていくなかで、一般的なお墓ではなく「納骨堂」という選択肢があることに気づく方もいるでしょう。
しかし、一般的な墓石のお墓の認知度と比べると、納骨堂の認知度はそこまで高くはないでしょう。
また、従前の埋葬方法以外の新しい選択をする際は、「親族など周りの人の目線が気になってしまい不安」という人もいるかもしれません。
ここでは、疑問を解決しながら納骨堂のメリットやデメリットについて解説していきます。
この記事を読めば納骨堂の種類別の特徴なども分かりますので、納骨堂のことで迷っている方は確認してみましょう。
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この記事の目次
納骨堂とは遺骨を安置してくれる場所のこと
納骨堂とは、その名の通り、遺骨を安置しておける場所になります。主に霊園内や寺院内に設けられているのが一般的です。
遺骨を安置しておけるといっても、一般的なお墓のように墓石を購入したり、毎年管理費を支払ったりするということはありません。
納骨堂は主に屋内にあるタイプが多いですが、なかには屋外タイプもあります。
【ここがポイント!】納骨堂の3つのメリット
納骨堂にはメリットが盛りだくさんです。ここでは、納骨堂の3つのメリットについて解説していきます。
納骨堂3つのメリット
- 一般的なお墓よりも費用がリーズナブル
- 宗派・宗旨が不問
- 年間管理費が不要のため管理負担が少ない
一般的なお墓よりも費用がリーズナブル
納骨堂の1つ目のメリットは、一般的なお墓よりもリーズナブルなことです。
納骨堂の種類によっても異なりますが、具体的に10万~100万円程度の費用がかかるといわれています。
一般的なお墓の場合、墓地の使用料となる永代使用料が20万~200万円です。
それに加えて、墓石の代金は100万~200万円が約49%となっています。(2014年全優石調査)
つまり、一般的なお墓は墓地と墓石建立で120万~400万円程度か掛かる可能性があるのです。この金額を見ると、納骨堂がリーズナブルということがよくわかるのではないでしょうか。
宗派・宗旨が不問
納骨堂の2つ目のメリットは、宗派・宗旨が不問のことです。
寺院墓地の場合は、特定の宗派でないと納骨ができないという制限があることが多いですが、納骨堂の場合は、宗派・宗旨に関係なく誰でも利用できるのがメリットになります。
年間管理費が不要のところが多いため管理負担が少ない
一般的なお墓にかかる年間管理費が、納骨堂の場合はかからないことが多い傾向です。
年間管理費がある場合、たとえ数千円であっても墓地を利用している間は、墓守がずっと費用を払い続ける必要があります。
そのため、お墓の後継者問題で頭を悩ませている方にとって管理負担が少ない納骨堂は大きなメリットです。ただし、霊園や寺院によっては管理費が必要なケースもありますので、必ず事前に確認をしておきましょう。
【見落とし注意!】納骨堂の3つのデメリット
納骨堂を利用する際には、3つのデメリットを押さえておくことも重要です。
納骨堂3つのデメリット
- 預けられる遺骨の数は最大8個程度まで
- 献花できるスペースが少ないところが多い
- 建物が老朽化したときの対処方法が明確でない
預けられる遺骨の数は最大8個程度まで
契約する納骨堂のタイプにもよりますが、預けられる遺骨の数は多くて8個程度です。
そのため、「先祖代々の遺骨をすべて納骨したい」といった利用を希望している人にはデメリットになります。
献花できるスペースが少ないところが多い
納骨堂は、遺骨を安置することが目的ですので、献花できるスペースが少ないことが多い傾向です。
どうしても献花をしたい場合は、納骨堂の中でも仏壇型と呼ばれるタイプを選ぶと良いでしょう。
献花やお供え物ができます。ただし、費用は一般的な納骨堂の中でも高くなりがちです。
建物が老朽化したときの対処方法が明確でない
納骨堂の建物自体が老朽化したときの対処法が明確ではないことです。
長い年月が経過すれば建物は自然と老朽化していきます。当然、老朽化をすれば建て替えすることもあるでしょう。
しかし、それらは運営側がどのように考えているかで大きく異なります。
なかには、建て替えの費用を利用者に請求するというトラブルも発生しているのです。
そのため、契約時に納骨堂の運営側がどのように契約書へうたっているのかをしっかりと確認しておきましょう。
ここでは、納骨堂のメリットとデメリットについて確認しました
次の段落では、納骨堂の種類について解説していきます。ここまで記事を読んで、「納骨堂を選びたい!」と感じた人は要チェックです。
【全6種類】納骨堂を種類別に比較!
納骨堂には、大きく分けると6つの種類があります。ここからは、納骨堂の種類について確認してきましょう。
- ロッカー型
- 仏壇型
- 墓石型
- 機械型
- 位牌型
- 合葬・合祠型
ロッカー型
ロッカー型は、スタンダードな納骨堂のタイプです。
堂内に、共有の礼拝スペースがあり、そこでお線香をあげることができます。
特徴
コインロッカーのように納骨スペースが整然と並んでいて、一つ一つに鍵がかけられます。
ロッカーの中には、遺骨以外にも故人との思い出品なども置いておくことが可能です。
ただ、いくら故人と思い出があったとしても食べ物や飲み物など腐敗の可能性があるようなものは置けません。
金額
ロッカー型の納骨堂の一般的な費用相場は、15万~20万円程度です。東京都内の場合は、30万円以上かかってしまう場合もあります。
仏壇型などと比較して、スペースは狭い
納骨をするという分には、全く問題ありませんが仏壇型と比べるとスペースは狭いです。
その場でお線香や献花ができないため、費用を優先する人向けのタイプといえるでしょう。
仏壇型
仏壇型の納骨堂は、各宗派の本尊が祭られています。
自宅で仏壇に拝むようなイメージで参拝できますので、仏壇利用者にとっては利用しやすい納骨堂のタイプでしょう。
特徴
仏壇型の多くは、上の段が本尊で位牌や献花、お線香などをあげることができるスペースになっています。
そして、下の段にはロッカー型と同様に遺骨を安置することが可能です。
金額
仏壇型の納骨堂の一般的な費用相場は1人30万円程度です。
スペースが十分に設けられているので、2人以上の契約しかできないという納骨堂もあります。2人の場合の費用目安は80万円程度です。
墓石型と比較すると費用が抑えられる
墓石型と比較すると、仏壇型は墓石を使わないため費用が抑えられる傾向です。
墓石型
一般的なお墓と同等か、それよりも小さな墓石を納骨堂内に建てるというのが墓石型です。室内墓地と呼ばれることもあります。
特徴
墓石型納骨堂の特徴は、一般的なお墓の感覚で参拝ができるということです。一般的なお墓までは手が出ないが、墓石のお墓の方が安心する人にはおすすめの納骨堂といえるでしょう。
金額
墓石型の納骨堂における一般的な費用相場は、1人あたり100万円程度です。
一般的なお墓と同様に、石材を使用するため、たくさんの石材量を使用する場合はそれよりも金額が高くなります。
また、ほかの納骨堂と異なり管理費が必要な場合もありますので、事前に確認が必要です。
機械型と比較すると新旧の良さがある
機械型が近代的なお墓であるのに対して、墓石型は旧来のお墓にこだわりがある人に選ばれやすい傾向です。
墓石型とはいっても納骨堂内という新しい形態を併せ持ったお墓といえます。
機械型(自動搬送型)
最先端技術を駆使した納骨堂が機械型です。自動搬送型とも呼ばれます。
広い土地の利用が望めない都心部などで普及されていることが多い傾向です。
特徴
機械型(自動搬送型)は、アクセスが良い場所でいつでも気軽に参拝ができることが特徴です。
なかには、タッチパネルやタッチカードなどを参拝者が操作し、24時間参拝ができるところもあります。
機械の操作を行うと、タワーパーキングのように自分の家の遺骨や位牌などが自動で参拝スペースへ搬送されてきます。
金額
機械型(自動搬送型)の納骨堂における一般的な費用相場は、100万円前後といわれています。
スペースは狭いものの、最新の技術や設備などにお金がかかっているため、費用は墓石型並みに高くなりがちです。
位牌型と比較してまとまった予算が必要
位牌型に比べると、機械型の納骨堂はまとまった予算が必要です。
そのため、都心に住んでおり、アクセスの良さや近代的な供養方法を重視する方に選ばれています。
費用を抑えたい人には向いていないタイプの納骨堂です。
位牌型
位牌型の納骨堂は、参拝するスペースに整然と位牌を並べて供養します。位牌が並んだ場所の前でお線香をあげることができます。
特徴
位牌型の特徴は、位牌を安置するスペースと別に納骨スペースがあるということです。
あくまでも、メインは位牌を並べている場所で、納骨するスペースはサブという役割になります。
金額
位牌型の一般的な費用相場は、10万~30万円程度です。
合葬・合祀型と比較して手厚く供養できる
位牌型は、魂が入っているといわれている位牌をメインにしたタイプです。
そのため、遺骨をほかの人と合わせて供養してしまう合葬・合祀型と比較して手厚い供養ができるでしょう。
合葬・合祠型
合葬・合祀型の納骨堂は、合同で遺骨を安置していきます。
特徴
「個別に納骨スペースがない」「ほかの人と一緒に埋葬される」というのが合葬・合祀型の特徴です。
金額
合葬・合祀型の一般的な費用相場は、10万~30万円程度です。
ロッカー型と比較して費用がリーズナブル
納骨堂の中でもロッカー型は費用を抑えられる種類ですが、それ以上に合葬・合祀型は費用を抑えられます。
そのため、「個別に納骨スペースを確保したい」という希望がなく、費用に特化した納骨堂を探している人にはぴったりです。
種類 | メリット | デメリット | 特徴 | 金額目安 |
---|---|---|---|---|
ロッカー型 | コンパクトで費用がリーズナブル | 遺骨に向かって献花やお線香があげられない | コインロッカーのようなスペースに遺骨を安置できる | 15万~20万円程度 |
仏壇型 | 献花やお線香をあげることができる | 仏壇のため「仏教色」が強く、宗派に合わないことも | 上段に本尊や献花できるスペース、下段に納骨スペースがある | ・1人30万円程度 ・2人80万円程度 |
墓石型 | 一般的なお墓のように参拝できる | 墓石を建てるため費用が高くなりがち | 屋内に墓石を建てるため「室内墓地」と呼ばれることも | 1人100万円程度 |
機械型(自動搬送型) | アクセスが良好で、最先端の技術のセキュリティで安心 | ・設備にお金がかかっているため費用が高い ・都心にしかない | 都心に多くあるタワーパーキングのお墓版のようなシステム | 1人100万円前後 |
位牌型 | 費用がリーズナブル | ・個別の納骨スペースがない ・位牌を作り直さなくてはいけない場合がある | 参拝スペースに、位牌が整然と並ぶタイプ | 10万~30万円程度 |
合葬・合祠型 | 納骨堂の中で最も費用がリーズナブル | 合同で埋葬されるため個別に手厚い供養ができない | ほかの遺骨と合同で埋葬される | 10万~30万円程度 |
納骨堂には、主に6つの種類があることが理解できたでしょうか。
自分自身や親族が優先するポイントをまとめたうえで、納得のいく納骨堂の種類を選びましょう。次の段落では、実際に納骨堂に申し込む際の手順を解説します。
納骨堂に申し込むための4つの手順
納骨堂へ申し込みするためには、主に4つの手順を押さえておくことが必要です。
- 【手順1】納骨堂を探す
- 【手順2】納骨堂を見学する
- 【手順3】申し込みをする際に必要なものをそろえる
- 【手順4】納骨をする
【手順1】納骨堂を探す
納骨堂に申し込むためには、まず自分が希望にマッチングした納骨堂を探すところからはじめましょう。
主に「宗派の有無」「安置できる遺骨の数」についてみていきます。
宗派の有無
納骨堂は、基本的に宗派・宗旨に関係なく利用できる場所が多い傾向です。
しかし、寺院墓地の納骨堂などの場合は宗派を限定しているというケースも少なからずあります。そのため、自分の宗派でも問題ないかを確認しましょう。
安置できる遺骨の数
安置できる遺骨の数もしっかりと確認しておくことが重要です。
例えば、ほかの先祖代々からのお墓からお引っ越しをして納骨堂にする場合は、遺骨の数が多くなります。
受け入れる納骨堂に安置できる遺骨の数を確認せずに、あとで入れられなかった……とならないようにしましょう。
【手順2】納骨堂を見学する
自分の希望に合っている納骨堂をいくつか見つけた場合は、実際に足を運んでみましょう。
見学することでパンフレットなどでは分からなかったことが見えてくる場合があります。
特に気をつけたいのが「参拝スペースの広さ」「バリアフリーの有無」です。
参拝スペースの広さ
納骨堂と一口にいっても、施設の広さや参拝スペースの広さはさまざまです。
「自分が思い描いていた参拝のスペースが確保できている納骨堂なのか」をしっかり見学でチェックしておきます。
実際に参拝するようになってから不満が出てきても遅いので妥協できるポイントを模索しておきましょう。
バリアフリーの有無
バリアフリーの有無も見学で確認しておきましょう。元気なうちの参拝は、階段やちょっとした段差などあまり気にはならないものです。
しかし、高齢になって足が不自由になったり、運動能力が落ちたりすると、そのちょっとした障害物が大きなネックになりかねません。
【手順3】申し込みをする際に必要なものをそろえる
納骨堂へ申し込みをするには主に4つのものが必要になります。
自治体でないと交付できないような公的書類もありますので、漏れのないようにチェックしておきましょう。
必要なもの
- 戸籍謄本
- 印鑑登録証明書
- 身分証明書
- 印鑑(実印)
【必要なもの1】戸籍謄本
戸籍謄本は、本籍でしか取ることができません。本籍とは、実際に住んでいる住民票の住所とは異なる可能性があります。
今住んでいる自治体に本籍がある場合は、窓口で簡単に取得可能です。
しかし、異なる自治体に本籍がある場合は郵送申請することが必要になります。
郵送の場合は、手元に戸籍謄本が到着するまで1~2週間程度かかりますので、早めに本籍の所在を確認しておきましょう。
【必要なもの2】印鑑登録証明書
印鑑登録証明書は、お住まいの自治体へ登録している実印の印影のことです。
こちらは、お住まいの自治体が発行している印鑑登録カードなどを持参することで取得することができます。
また、マイナンバーカードなどを発行している方であれば、コンビニでも印鑑登録証明書を交付できる場合があります。
【必要なもの3】身分証明書
申し込みする本人の身分を証明する身分証明書も持参しましょう。
一般的なものとしては、運転免許証やマイナンバーカード、健康保険証、パスポートなどです。
【必要なもの4】印鑑(実印)
納骨堂を申し込みする際は、印鑑(実印)も必要です。
上記で印鑑登録証明書と記載した通り、契約書へ実印を押印し印鑑登録証明書を添付して納骨堂の管理者へ提出します。
【手順4】納骨をする
契約が完了した後は、納骨堂の使用許可証をもらい遺骨を納骨できるようになります。
実際に納骨堂を利用した方の口コミや体験談
納骨堂を利用する前には、情報収集や見学だけでなく実際の利用者の口コミも参考にしてみましょう。
納骨堂を利用して良かった3つのこと
ここでは、納骨堂を利用して良かった3つのことをご紹介いたします。
「とにかく、都内の一等地にわずかな金額でお墓が持てたことは幸運でした。麻布十番の駅から徒歩10分足らずで行ける足の便の良さが最高です。供養塔も、いつ行っても花が絶えず、きれいに管理していただいています」
納骨堂辞典から引用
「夫と娘の3人暮らしです。
納骨堂ガイドから引用
夫の墓に入ることも可能なのですが、どうしてもそれが嫌で、外国にいた姉の遺骨と同じ墓に入りたいと思い、納骨堂を検討しました。
はじめは低価格のものを選ぶつもりでしたが、グレードを上げると位牌と戎名が用意されていて、お墓らしいお墓になるので、そちらに決めました。
自分の葬儀についても相談ができたので、誰にも心配をかけなくて済むと思うと、とても安心できます」
「お寺には固いイメージを持っていたので少し敬遠していたのですが、住職とお話ししている内にだんだんイメージが変わっていきました。
納骨堂カタログから引用
生前にお墓を購入することはネガティブな考えではなく、前向きなことだと気づき、申し込みを決意。金額も50万円以内におさめられ、当初考えていた金額よりも安くできたので満足しています」
納骨堂の利用を考え直したい3つのこと
納骨堂を利用して良かったという人もいれば、考え直したという人もいます。
ここでは、どんな理由で納骨堂を考え直したかについて見ていきましょう。
「落ち着いた雰囲気ですごく近寄りやすい非常に親しみやすさを感じました。ただ・・・駐車場が気になります。
メモリアルアートの大野屋から引用
収容台数24台...ちと、少ないような...」
「故人のモニター写真が映し出されとても良いと思いますがモニター画面がもう少し大きいと良いかと思います。
いいお墓から引用
永代供養合肥墓の場所が少しごちゃごちゃした感じがしました。
近い将来、身内の墓にしたいと思い現在検討してますが、もう少し小綺麗になればいいかなと感じます」
後悔しないように親族や家族と価値観を共有しよう
納骨堂を検討する際は、自分だけで先走らずに親族や家族など近い人とも価値観を共有しましょう。
また、「相談すること」を「事後報告する」とはき違えている人も結構います。
主になって埋葬方法を決めていくのは喪主の役割ですが、自分以外の親族の意見やお墓に対する価値観がどんなものなのかも知っておくことが重要です。
契約した後「やっぱり納骨堂以外が良かった」とならないためにも、相手の価値観についても受け止めながら検討できるとよいですね。
【迷ったら確認】納骨堂以外もある!永代供養の選択肢
納骨堂以外でも、永代供養が行える埋葬方法はあります。
親族などと価値観を共有する際は、一つの価値観にとらわれすぎないよう別の選択肢を知っておくことも大切です。
自然重視派な方には2つの選択肢
自然を重視している方におすすめなのが「樹木葬」と「海洋散骨」といった2つの選択肢です。
2つの供養方法について簡単に見ていきましょう。
樹木葬という選択肢
樹木葬とは、墓石の代わりにシンボルツリーを墓地へ植えて、その土中に遺骨を埋葬する供養方法です。
樹木葬の契約する種類によっては異なりますが、基本的に年間管理費などが不要で、契約時に支払う費用のみのため、お墓の後継ぎ問題に悩まれている方にも人気。
重苦しい墓石のイメージとは異なり、大自然に囲まれた環境のため、すがすがしい気持ちで参拝することができるでしょう。
海洋散骨という選択肢
海洋散骨とは、故人の遺骨を機械でパウダー状に粉骨して海へ撒くという供養方法です。
自分で行うことも不可能ではありませんが、基本的には海洋散骨の専門業者を利用するのが一般的。
散骨業者と契約を結び、船をチャーターしてほかの散骨者と合同で散骨したり、船を貸し切って散骨したりすることができます。
また、散骨自体を自分で行わずに散骨業者へ委託することも可能です。
永代供養墓・合葬墓なら管理が不要
永代供養墓や合葬墓であれば、年間管理費が不要のため管理に手間がかかりません。ここでは、3つのお墓のタイプについて見ていきましょう。
3つのお墓のタイプ
- 個別安置型:墓石を建てるタイプ
- 集合安置型:小さな石塔の下に納骨するタイプ
- 合葬型:ほかの方の遺骨と埋葬する方法
個別安置型:墓石を建てるタイプ
個別安置型は、永代供養の中でも自分で墓石を建てるという珍しいタイプです。
「お墓の後継ぎで子どもに迷惑をかけたくない」「お墓はできれば墓石がよい」という気持ちが強い方にはおすすめといえるでしょう。
個別に墓石があるため、一般的なお墓同様参拝ができます。
また、親族や家族からも理解が得られやすいでしょう。永代供養墓のため年間管理費はかかりませんが、一般的なお墓同様にお墓を建てますので費用は高くなりがちな点がデメリットです。
集合安置型:小さな石塔の下に納骨するタイプ
集合安置型は、小さな石塔などをシンボルとしてその下にたくさんの遺骨を納められるスペースがあります。
「個別に墓石が必要ないが、骨壺のまま納骨したい」というお墓が希望の方にはぴったりです。
納骨するスペースには、33年など一定年数骨壺のまま遺骨を安置することができます。
費用としては、合葬型より高く、個別安置型より安いという位置づけです。
ほかの人の遺骨と一緒に埋葬されるため、気持ちよく参拝できないという人にはおすすめできないタイプになります。
合葬型:ほかの方の遺骨と埋葬する方法
合葬型は、集合安置型と同様に、ほかの人の遺骨と一緒に埋葬する供養方法です。
集合安置型との大きな違いは、骨壺から遺骨を出して埋葬敷地内に埋葬します。
3つの永代供養墓の中で一番費用を抑えられるのが大きなメリットです。
そのため、「予算が少ないのでできるかぎり費用を抑えたい」「ほかの遺骨と一緒に埋葬しても気にならない」という人にはおすすめの供養方法といえるでしょう。
まとめ
納骨堂は、単に遺骨を安置するだけでなくさまざまな種類のものがあることが分かりましたね。
旧来のロッカー型から、最先端の技術を駆使した機械型まで自分の希望する種類を丁寧に選定しましょう。
最後に納骨堂のメリット・デメリットや注意点についておさらいしてみます。
種類 | メリット | デメリット | 特徴 | 金額目安 |
---|---|---|---|---|
ロッカー型 | コンパクトで費用がリーズナブル | 遺骨に向かって献花やお線香があげられない | コインロッカーのようなスペースに遺骨を安置できる | 15万~20万円程度 |
仏壇型 | 献花やお線香をあげることができる | 仏壇のため「仏教色」が強く、宗派に合わないことも | 上段に本尊や献花できるスペース、下段に納骨スペースがある | ・1人30万円程度 ・2人80万円程度 |
墓石型 | 一般的なお墓のように参拝できる | 墓石を建てるため費用が高くなりがち | 屋内に墓石を建てるため「室内墓地」と呼ばれることも | 1人100万円程度 |
機械型(自動搬送型) | アクセスが良好で、最先端の技術のセキュリティで安心 | ・設備にお金がかかっているため費用が高い ・都心にしかない | 都心に多くあるタワーパーキングのお墓版のようなシステム | 1人100万円前後 |
位牌型 | 費用がリーズナブル | ・個別の納骨スペースがない ・位牌を作り直さなくてはいけない場合がある | 参拝スペースに、位牌が整然と並ぶタイプ | 10万~30万円程度 |
合葬・合祠型 | 納骨堂の中で最も費用がリーズナブル | 合同で埋葬されるため個別に手厚い供養ができない | ほかの遺骨と合同で埋葬される | 10万~30万円程度 |
納骨堂を選ぶ際は、自分の希望の種類を選定するだけでなく、事前に家族や親族などに相談をしておきましょう。自分が良いと思っていても、お墓に対する価値観はさまざまです。
契約後に近親者とトラブルに発展して故人を悲しませないためにも、丁寧に話をしていくことを心がけましょう。
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監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
最近増えているのがバックヤードが機械式の倉庫になっている自動搬送式の納骨堂。都内では計画中を含めて30カ所ほどになります。こういった自動搬送式の納骨堂は、数千区画が造成されるため、販売合戦が繰り広げられます。
立地至便で草むしり等が不要、お墓参りが気軽にできるとあって人気ですが、管理費が高いうえ、将来のメンテナンスに不安がある点は否めません。
すでに建設されて10年以上経過している自動搬送式納骨堂については、モーターやラック等の老朽化による不具合が生じ、システムのメンテナンスやリニューアルで億単位の経費がかかる見込みです。納骨堂の建物自体のメンテナンスも必要になり、管理費や護持会費がアップすることも考えられます。