納骨堂の種類まとめ!費用やお墓参りのスタイルを解説

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納骨堂とは、室内に設置された納骨施設です。
お墓を建てることが当たり前だった時代では、遺骨の一時預かりの役割を果たしていました。

現在では仏壇やお墓を持たない人の屋内型の納骨施設として捉えられています。
また、あととりや墓守がいない世帯では永代供養を見越して納骨堂を利用する人も増えています。

納骨堂の運営者は主に寺院ですが、自治体が運営する納骨堂もあります。
多様なニーズに応えるために、さまざまな種類のものが登場している納骨堂。
どの納骨堂を選ぶべきか迷う人もいるのではないでしょうか。

この記事では、納骨堂を種類別に分けて、それぞれの特徴を詳しく綴ります。
それぞれのメリットやデメリットだけでなく、失敗しないためのポイントなどもあわせてご紹介いたしますので、ぜひとも参考にしてみてください。

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この記事の目次

  1. 納骨堂の種類は5タイプ!各種の特徴まとめ
  2. 迷ったら費用対効果の高いロッカー式がおすすめ 
  3. 失敗しない納骨堂を選ぶための6つの確認ポイント
  4. 納骨堂と永代供養墓は違う!供養を人に任せるか否か
  5. まとめ
  6. 監修者コメント

納骨堂の種類は5タイプ!各種の特徴まとめ

納骨堂にはさまざまな種類があり、主に次の5つのタイプに分けられます。

  • ロッカー式
  • 仏壇式
  • 機械式(自動搬送式)
  • 位牌式
  • 合葬式

利用者のニーズが多様化する中で種類も豊富になってきた納骨堂。
それぞれのタイプ別の特徴に加えて、メリットやデメリットを解説いたします。

ロッカー式の特徴 

ロッカー式の納骨堂

ロッカー式の納骨堂とは、ロッカー状の納骨壇に遺骨を納骨するタイプのものです。

扉には鍵がついており、中に骨壺の状態で遺骨を安置します。

ロッカーと聞くと、物理的な収蔵庫というイメージがありますが、中には本尊(その宗旨が礼拝の対象とする仏様のこと。真言宗の大日如来や、浄土系の阿弥陀如来など)が祀られているタイプもあります。
納骨壇の中に本尊が祀られていれば、その場で手を合わすことができます。

そうでない場合は、堂内に設けられた共有の礼拝スペースを利用します。
ロッカー1区画当たりのスペースはさまざまです。

納骨壇の平均的な寸法は高さが約2m、幅が50cm程度ですが、このロッカーを縦に何段に分けるかは施設によって異なります。
上下2段や、上中下3段など、さらに小さく区割りする場合は5段に分ける納骨壇もあります。

ロッカー式の納骨堂のメリット

費用が安い

ロッカー式納骨壇のメリットは、費用が安く抑えられるところです。
省スペースでたくさんの遺骨を納骨できるためです。

遺骨と一緒に思い出の品などを置ける

ロッカー型の納骨壇は鍵付きの扉で守られているため、遺骨と一緒に故人の愛用品などを置いておくことができます。
ただし、食べ物や飲み物などはすぐに痛んでしまうので、お供えは控えましょう。
もしもお供えしたい場合は、お参りの時だけお供えして持ち帰るようにしましょう。

個別の納骨できる

ロッカー型の納骨壇は合祀ではありません。
お参りの人が続く限り、個別に遺骨を餡しておけます。

場所によって費用が変わる

多くの納骨堂では場所によって費用を変えています。
たとえば1列3段式の場合、多くの人は下段や中段よりも上段を好んで契約します。

そのため、中段や下段が売れ残ってしまうため、下に行くほど費用を安くしているところもあります。
安く抑えたい、選択肢が欲しいという人にとってはありがたい話です。

ロッカー式の納骨堂のデメリット

スペースが狭い

1区画当たりの納骨スペースに限りがあります。
予めどの寸法の遺骨がいくつ納まるかを確認しておくべきでしょう。

納骨と礼拝の場所が分かれることもある

通常お墓は、遺骨が納骨されている場所で墓石に向かって手を合わせます。
しかし、ロッカー式の納骨壇の場合、納骨した場所とは別の場所で手を合わさなければなりません。
お墓へのお参りに慣れている人は物足りなく感じるかもしれません。

見た目が殺風景

ロッカー式納骨壇は、アルミ型と木製があります。
アルミ型は金具などが打ち付けられ、木製は漆塗りや蒔絵などが施されます。
それでも画一的に横並びになった納骨壇を殺風景だと感じる人もいるようです。

下段への納骨に違和感や不快感を感じることもある

上段の区画が売れてしまった場合、下段の区画を購入しなければなりません。
見下ろすような場所に遺骨を納めることに違和感や不快感を持つ人もいるでしょう。

仏壇式の特徴

仏壇タイプの納骨堂

仏壇式とは、上段が本尊を祀り、下段に納骨する構造の納骨壇です。
上段にはその宗派の本尊が祀られるだけでなく、位牌やお供え物を置くこともできます。

仏さまに守られている中で納骨できるため、ロッカー式にはない安心感や満足感があるでしょう。
しかも、画一的に並んだロッカー式よりも、個別に祀られた仏壇の方が、より供養の想いが込められるかもしれません。

仏壇部分は、宮殿や須弥壇など、寺院や仏壇などで採用される荘厳が再現され、その中央に各宗派の本尊が祀られます。

本尊は、仏像の形もあれば、掛軸の形もあり、寺院や霊園などによって異なるところです。
仏壇式はスペースが広いため、位牌や遺影なども置くことができますし、花や果物などのお供えも可能でしょう。

仏壇式の納骨堂のメリット

家族代々の遺骨を納骨できる

ロッカー式に比べると納骨スペースが広いために複数の遺骨を納骨できます。
一代限りのものではなく、世代を超えて利用することもできるでしょう。

仏壇とお墓の両方の役割を果たす

宗派の本尊を祀る仏壇の機能と遺骨を納骨するというお墓の機能の両方を満たしているのが仏壇式の納骨堂です。

位牌やお供え物など自分が希望するものを置ける

ロッカー式などの共有の納骨壇では、スペースの問題などから扉の内部にものを置けないことがほとんどです。
しかし、仏壇式の納骨堂では比較的スペースに余裕があるために、位牌や遺影など故人を偲ぶものを置くことができます。
その他、線香やローソクやお花などの毎日のお供え物に関しては寺院や管理者に相談しましょう。

1列を1つの家族が使える

仏壇式の納骨壇では他の家庭と上下に重複することがありません。
ロッカー式では、1列を縦に複数に分割して売り出すこともありましたが、仏壇式では上下で別の家族が使用することがないため気兼ねなくお参りができるでしょう。

仏壇式の納骨堂のデメリット

費用が高い

仏壇式の納骨堂は個別に納骨と礼拝ができる施設です。
ロッカー式に比べて場所も取りますし、納骨壇の構造にも手間がかかっている分、費用は割高でしょう。

宗教性を帯びている

「仏壇」ですから、どうしても仏様を祀るための様式に作られています。
無宗教にこだわる人にとっては違和感を感じるかもしれません。

また、宗派を問わない納骨堂だけでなく、そのお寺の宗派に限定し、他宗派を認めないところもあるので事前に注意しておきましょう。

機械式(自動搬送式)の特徴

自動搬送式の納骨堂

機械式の納骨堂とは、納骨スペースと参拝スペースが完全に分離している納骨堂のことです。
遺骨はバックヤードにぎっしりと並べて保管されているため参拝の人からは見えません。

お参りに来た家族は参拝ブースに進み出て、ICカードをタッチパネルにかざすことで遺骨が自動搬送されてくるので「機械式」や「自動搬送式」などと呼ばれています。
まさに完全機械制御の納骨堂なのです。

ビル一棟がすべて納骨堂として利用するため、「マンション型」などとも呼ばれます。
特に東京や大阪など、土地不足という問題を慢性的に抱えている都心部を中心に広がりを見せています。
館内の雰囲気は明るく、モダンなのが特徴です。

また、納骨スペースを隔離することで合理的に遺骨を保管できます。
機械式の納骨堂が完売すると保管する遺骨の数は約10万にも上ると言われています。

設備投資に費用がかかっているものの、多くの利用者を募ることで減価償却ができるため、利用料金もそこまで高騰していません。

機械式の納骨堂のメリット

立地やアクセスが優れている

機械式の納骨堂の最大のウリは、都心部でもお参りできるという立地とアクセスのよさです。
都心に墓地を開設するのは極めて困難ですし、墓地を買ってお墓を建てようとしても膨大な費用がかかります。

だからこそ、わざわざ都心の一等地のビルを改装して、「お参りしやすい納骨堂」として売り出しているのです。
実際にお墓を考えている人が一番大切に考えている要素が、お墓参りのしやすさ、つまりアクセスの良さだとも言うほどです。

ゆっくりとお参りができる

参拝ブースはパーテーションで仕切られ、半個室のようなつくりになっているため、人目を気にせずゆっくりとお参りができます。
また、館内のインテリアはモダン風な造りが多く、明るくゆったりとお参りができるように工夫されています。

セキュリティ面が安心

利用者にはICカードが渡されてます。
参拝ブースだけではなく、入館時も必要なため、セキュリティ面でも安心できます。

機械式の納骨堂のデメリット

納骨堂の中では費用が高め

お墓を建てるよりは安く利用できますが、他の納骨堂の種類と比べると割高なのは否めないでしょう。
そもそも機械式は都心部に多いという面があります。
地価の高い都心部であることやモダンでハイテクな建物なども価格を高騰させる要因でしょう。

故障や停電が起きてしまうとお参りができない。

機械式の納骨堂は、すべてのシステムが機械制御です。
万が一、故障や停電が起きてしまうとお参りは困難でしょう。

盆や彼岸に混雑する

盆や彼岸はただでさえどこのお墓も混雑します。
機械式の納骨堂の場合、限られたスペースに数千区画を保有しているため、さらなる混雑が予測されます。

位牌式の特徴 

位牌タイプの納骨堂

位牌式の納骨堂とは本尊のまわりに位牌を並べて供養する方法です。
遺骨は別の場所に納骨しますが、多くは永代供養塔などを用いて合葬します。

位牌の並べ方は寺院によって異なりますが、本堂の脇の余間(よま)などに並べて安置する方法、あるいは位牌専用の位牌堂を建てているところもあります。

位牌は、各家庭で祀っていた位牌をそのまま寺院に預ける場合と寺院が指定する統一位牌を新たに用意する方法とが見られます。

位牌式の納骨堂のメリット

位牌式は、他の納骨堂に比べて場所を取らないために、費用を安く抑えられるでしょう。
また、位牌とは昔から故人の依代(よりしろ:神仏や祖先の霊が依りつく場所)として考えられていました。

つまり、位牌は故人そのものなのです。
位牌を寺院の堂内に祀ることで手厚い供養をしてもらえるでしょう。

位牌式の納骨堂のデメリット

位牌式の場合、寺よっては院に新たに位牌を用意しなければなりません。
各家庭の位牌を祀る寺院もありますが、それでは形や大きさがバラバラに位牌が並んでしまうため、寺院によっては統一位牌を採用しています。

また、お参りの際は個別の墓石や納骨壇があるわけではありません。
堂内中央に祀られた本尊に向かって礼拝するので、お墓やお仏壇などの個別の場所に礼拝することに慣れている人は違和感を感じるかもしれません。

合葬式の特徴 

合葬式の納骨堂は、最終的に遺骨を合葬(他の人と同じ場所に埋葬すること)します。
遺骨は最終的に土に還すのですが、一定期間骨壺で安置しておく方法と、すぐに土に還す方法とがあります。

土に還すという行為が伴うために、屋外に合葬墓(「永代供養塔」や「集合墓」とも言う)を設けてそこで行われることがほとんどで、堂内に設置される納骨堂とは若干異なります。

また、ロッカー式、機械式、仏壇式、位牌式などさまざまな納骨堂がありますが、お参りの人が絶えてしまったあとは遺骨は最終的に合葬墓に埋葬し、寺院が永代供養します。

遺骨を一定期間保管してもらう、石碑に故人の名前を刻むなどによって費用は異なりますが、いずれにせよ最も安い納骨の方法でしょう。

合葬式の納骨堂のメリット

個別の埋葬や個別の礼拝の場所を必要としないので、最も費用を安く抑えられる方法です。
あととりがいない世帯やお参りする人がいない場合に選ばれています。

合葬式の納骨堂のデメリット

手厚い供養が得られません。
毎年の合同法要などはどの寺院でも行いますが、個別の供養は行われないでしょう。
また、一度合葬して土に還してしまうと遺骨は二度と還ってこないので注意しましょう。

迷ったら費用対効果の高いロッカー式がおすすめ 

ロッカー式の納骨堂

納骨堂にもさまざまなタイプや方法がありますが、もしも迷ってしまったらロッカー式がおすすめです。
仏壇式や機械式は、比較的費用が割高です。
ロッカー型の相場が20万円から50万円なのに対し、仏壇式や機械式は50万円から100万円近くかかります。

また、位牌式や合葬式などの簡素な方法では、満足感を得られないかもしれません。
ロッカー式が最も費用対効果が高いですし、この形がスタンダードだということは、それだけ人々から受け入れられているからでしょう。

失敗しない納骨堂を選ぶための6つの確認ポイント

失敗しない納骨堂を選ぶための6つの確認ポイントをご紹介いたします。

ポイント1:納骨堂の宗旨・宗派

まずはあなたが希望する納骨堂が、自分の宗旨にあっているか、その上で利用可能かを確認しましょう。
多くの納骨堂では、宗旨宗派を問うことはないでしょう。

ただ、中には檀家、あるいは信徒になることを求める寺院もあります。
事業として納骨堂を運営している場合はどんな人でも受け入れます。

しかし、檀信徒向けに用意された納骨堂を希望する場合、新たな利用者も寺院とのつながりを求められるでしょう。

また、既成仏教は受け入れるけれど、キリスト教やイスラム教や新興宗教は受け入れないという納骨堂もあるので、事前にきちんと確認しておきましょう。

ポイント2:納骨堂の場所とアクセス性

納骨堂がお参りしやすい場所にあるかを確認しましょう。お参りにまず何よりも大事なのは、アクセス性です。

墓地であれば山裾などに造成されていることが多いのですが、寺院の納骨堂であれば市街地などにもたくさん見られます。

公共交通機関をどのように使えばいいのか、あるいは車で行きやすい場所にあるか、駐車場は完備されているかなど、実際にお参りに行く時のことをシミュレーションしながら納骨堂を検討しましょう。

ポイント3:納骨堂の費用相場

納骨堂の費用相場は、その種類によっても異なります。

  • ロッカー型:20万円〜50万円
  • 仏壇式:50万円ー100万円
  • 機械式:50万円ー100万円
  • 位牌式:10-30万円
  • 合祀型:10-30万円

納骨堂の中だけで見比べると費用の差はありますが、どのスタイルでもお墓よりは安く済むのが分かります。

お墓を建てるのに200万円から300万円の出費が伴うことを考えると、いかに納骨堂が経済的かが分かるかと思います。

ポイント4:納骨堂に収蔵できる遺骨数

納骨堂の中にどれだけの遺骨が収蔵できるか事前に確認しておきましょう。
自分たちの将来を考えて、どれだけの数の遺骨を納骨することになるかも見越しておかなければなりません。

夫婦だけで済むのあれば構いませんが、世代をまたいで代々引き継いでいこうとすると仏壇式などそれなりに収蔵力のある納骨壇を選ぶことになるでしょう。
また、骨壺の大きさも地域によって異なりますので管理者に相談しながら決めていきましょう。

ポイント5:納骨堂での供養期間

納骨堂は基本的にはお墓と同じで永代使用できます。
継承が適切に行われ、お参りの人がいる限りはいつまでも使い続けることができるのです。

もしも継承やお参りが途絶えたら合葬されるのですが、どれくらいの期間を経て合葬されるのかは事前に確認しておいた方がよいでしょう。

また、はじめから有期限の納骨堂もあります。
この場合、13年や33年などの設定された期間を超えると永代供養されます。
あととりやお参りの人がいなくなることが事前に分かっている場合は、有期限の納骨堂がおすすめです。

ポイント6:納骨堂の運営元

納骨堂の運営元がしっかりしているか、信頼できる人柄かどうかも大事なポイントです。
大規模な納骨堂では民間業者が入ってサービス提供をしていますが、多くの場合、寺院による運営です。

納骨堂の利用は、ただ遺骨を預けるだけでなく、供養という目には見えないものの祈りという心の行為が伴います。
運営元がしっかりとして、そしてそこに携わる人たちの人柄が信頼できるからこそ大切な家族の遺骨を預けられます。

電話越しの話し方や実際に見学に訪れてみた時の対応から感じる部分も大切なポイントではないかと思います。

納骨堂と永代供養墓は違う!供養を人に任せるか否か

納骨堂とは遺骨を納めるための施設です。
永代供養とは先祖の供養を寺院などの他人に任せることです。

このふたつの言葉を混同しがちですが、納骨堂を持つということは供養の場所を持つという点において、お墓を建てることと変わりません。

お参りの人がいる限り自分たちで供養することになりますし、お参りが困難な状況になった時にはじめて永代供養を寺院に相談するのです。

このふたつの言葉の違いを理解した上で、ではどのような人が納骨堂の利用に向いているのか、あるいは向いていないのかをまとめました。

納骨堂の利用が向いている人 あととりがいない人

あととりがいない人やお墓の継承が困難な人は納骨堂が向いています。

墓じまいの費用が節約できる

あととりがいない人がお墓を建ててしまうと必然的に近い将来に墓じまいをしなければなりません。
墓石の解体撤去工事にはそれなりの費用がかかります。

石材の解体、廃棄業者への処分費、さらには性根抜きのための寺院へのお布施などが必要です。
納骨堂の場合は、利用していた納骨壇の中から遺骨を取り出すだけなので大がかりな工事などが不要です。

永代供養への切り替えがスムーズ

多くの納骨堂は寺院が運営しているため、永代供養への切り替えがスムーズに行えます。
納骨壇を手放して永代供養してもらうにしても、そのまま同じ寺院に依頼すれば済むことだからです。

墓石の場合、改葬の手続きや墓地の管理人への返還手続き、さらには新しい永代供養の受け入れ先を探したりと施主はさまざまな煩雑な対応が求められます。

もしも近い将来、永代供養を依頼することが分かっているのであれば、はじめから納骨堂を利用するのがよいでしょう。

納骨堂の利用が向いていない人 家族や親戚のつながりが強い人

家族や親戚のつながりが強く、子孫がいる世帯ではお墓の方がよいかもしれません。

遺骨の収蔵スペース

納骨堂は家族利用こそできますが、遺骨の収蔵スペースに限界があります。
墓石の場合はカロートの中に骨壺を並べますが、中がいっぱいになると遺骨を土に還すことができます。
納骨堂ではそうはいきません。
もしも家族のつながりが続いていきそうであればお墓にした方がいいかもしれません。

気軽なお参りができないことも

屋外に置かれたお墓であれば家族だけでなく親戚や友人など誰もが好きな時に気軽にお参りできます。
それに比べて納骨堂は、お墓に比べると敷居が高いという側面もあるでしょう。

寺院の納骨堂では山門をくぐらないといけませんし、機械式の納骨堂でICカードは家族にしか手渡されません(もちろん、来客者も受付に申し出ればお参りできます)。

納骨堂のお参りについて詳しくは、「納骨堂でもお参りに行ける!友人が墓参りに行くときのマナーや注意点」の記事を参考にしてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
では最後にこの記事のポイントを箇条書きでまとめます。

  • 納骨堂は「ロッカー式」「仏壇式」「機械式(自動搬送式)」「位牌式」「合葬式」に分けられてる。
  • ロッカー式はロッカー状の納骨壇。最もスタンダードで費用も比較的安い。
  • 仏壇式とは、上段が本尊を祀り、下段に納骨する構造の納骨壇で、個別に礼拝できる分、若干費用が高い。
  • 機械式の納骨堂とは、納骨スペースと参拝スペースが完全に分離した、完全機械制御の納骨堂。都心部に多く、若干費用が高い。
  • 位牌式とは、位牌を並べて供養し、遺骨は別の場所に納骨する方法です。
  • 合葬式とは、他の人と同じ場所に埋葬することです。どのような納骨堂でも、お参りの人がいなくなると最後は合葬されます。
  • 納骨堂の種類に迷った時は、ロッカー式が最も費用対効果に優れている。
  • 納骨堂を選ぶ6つのポイント
    • 宗旨宗派は問題ないか
    • アクセスはよいか
    • 費用に無理がないか
    • 遺骨の収蔵数が足りているか
    • 供養の期間に納得できるか
    • 運営元がしっかりしているか
  • 納骨堂に向いているのは、あととりがいない人
  • 納骨堂に向いていないのは、家族や親戚とのつながりが強い人

監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

現在都市部では納骨堂が注目されています。数千区画を保有している機械式の納骨堂は、都市部だけで計画中を含めると約30カ所。ロッカー式もコインロッカーのような形ではなく、お洒落なボックス型も登場し、納骨堂人気に拍車がかかっています。一般的にお墓を求めたいという人は、「200万円くらいで」と考える人が多いようですが、その予算で都市部またはその周辺で求めようとすると、1㎡以下、0.4㎡とか0.5㎡程度の区画になってしまいます。それなら100万円程度で購入できる納骨堂に、ということになるのでしょう。

さて、今後の納骨堂ですが、機械式は前述のようにすでに飽和状態になりつつありますので、違った形の納骨堂が登場するかもしれません。

納骨堂の基礎知識を解説