霊園管理の仕事は主に3つ!お墓を建てたい人も仕事を探している人も必見
霊園の管理とは?徹底解説
- 霊園管理は区画、清掃、共用部のメンテが主な業務
- 公営と民営霊園があり、管理体制や費用が異なる
- お墓選びは立地や管理費、設備など8点の確認が大切
- 霊園管理の仕事は特別なスキル不要、求人はネットやハローワークで検索可
お墓を建てる際は、墓地から墓石の選定などさまざまな慣れない選択肢が出てきます。
墓地は寺院墓地か霊園墓地から選ぶことになりますが、霊園墓地ではどのような仕事が行われているか想像したことがあるでしょうか?
霊園墓地は、お墓を建てるときやお墓参りのときぐらいしか足を運ぶことがないので、どのような管理業務をしているか一般的にはわかりにくいかもしれません。
今回は、具体的に霊園の管理業務とはどのような仕事をしているのかについて解説します。
霊園の利用者としての視点ではなく、霊園側のスタッフとしての立場で、霊園のチェックポイントや求人の見つけ方などもみていきましょう。
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終活といっても、生前整理、葬儀、お墓の検討などさまざまです。
そのなかでも「お墓」は、一生に一度あるかないかの買い物ですね。
- 自分のライフスタイルに合ったベストなお墓はどういうものなのか知りたい
- お墓選びで複雑な手順を簡単に詳しく理解したい
- お墓選びで注意するべきポイントを詳しく知りたい
など、数々の不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。
お墓の購入に関しては、初めての方が多いため、不安や疑問を持つことは仕方のないことでしょう。
しかし、お墓購入後に後悔することだけは避けたいですよね。
そのためにも複数の霊園・墓地を訪問して実際に話を聞き、しっかりと情報収集することをオススメします。
情報収集するために、まずは気になる霊園・墓地の資料請求をしてみましょう。
この記事の目次
「公営霊園」と「民営霊園」で異なる
一言で霊園といっても、大きく分けて公営霊園と民営霊園の2つがあります。霊園の管理をしている人はそれぞれに異なります。ここでは、2つの霊園のタイプから管理している人について解説します。
寺院墓地と霊園
「霊園」と使われるとき、一般的には檀家制度がある寺院墓地を含めないケースが多いようです。もし寺院墓地も含めて特徴を理解しメリット・デメリットを比較したい方は「霊園とは?墓地との違いや霊園の種類・特徴をわかりやすく比較!」も合わせてご覧ください。より幅広く解説しています。
公営霊園は自治体職員や嘱託職員などが管理している
公営霊園は公共の霊園ですので、自治体の職員や嘱託職員などが管理人として任されている傾向です。なかには非常勤職員が管理しているというケースもあるでしょう。
自治体によって予算は異なるため、常駐している職員の人数は差があります。ひとりで複数の霊園の管理を任されているケースなどもあり、常駐していない霊園などもあるのです。
民営霊園は民間企業の社員やアルバイトなど
民営霊園は、民間企業などが雇用した職員やアルバイトなど幅広い職種の人が管理している傾向です。経営主体は宗教法人や石材店などの民間企業になっています。
霊園の繁忙期と閑散期ははっきりしているので、アルバイトやパートなどを雇う方が企業によっては都合が良いという一面もあるのです。
霊園の種類 | 管理者 | スタッフ | 仕事内容 | 霊園の永続性 | 管理費 | 宗派・宗旨 |
---|---|---|---|---|---|---|
公営墓地 | 自治体 | ・自治体の職員 ・嘱託職員 ・非常勤職員など | ・霊園の案内 ・共用部分のメンテナンス ・霊園内の清掃 ・墓地区画の使用管理など | 高い | 4,000~1万円程度 | 問われない |
民営墓地 | 宗教法人や財団法人、民間企業など | ・アルバイト ・パート ・正社員 ・派遣社員など | 運営会社の財務内容による | 5,000~1万5,000円程度 | 問われないことが多い |
霊園の管理業務は主に3つ
霊園の管理業務は主に3つです。「区画の管理」「霊園内の清掃」「共用部分のメンテナンス」という視点から霊園の管理業務をみていきましょう。
1.区画の使用管理
霊園が定めている墓地区画の使用管理は業務の一つです。これから霊園を利用したい人への案内や、すでに霊園を利用している人へのフォローなどを行います。
公営霊園の場合は、応募者が多い傾向のため、利用者を抽選で選ぶことが多い傾向です。そのため、そういった雑務に関しても手伝いが必要な場合があります。
2.霊園内の清掃
霊園内の清潔を保つため、清掃は欠かせません。利用者が気持ちよく霊園を使えるように清掃を行います。しかし、霊園側が清掃を行うのはあくまでも共用部分までです。
墓所契約を結んだ利用者の墓地区画内に関しては墓所使用者が管理を行います。利用者の墓地区画内も管理してくれると勘違いしている人も多いため、把握しておきましょう。
3.共用部分の設備のメンテナンス
霊園の共用部分の設備におけるメンテナンスについても管理業務の一つです。水道やトイレ、ベンチなどに不具合がないかをしっかりと確認します。
問題があればメンテナンスを行いスムーズに利用できるように対応します。また、霊園特有の設備である卒塔婆置き、火消場、合祀墓、納骨堂などについても点検を行うのが一般的です。
お墓を建てるときにチェックしよう!霊園の8つの管理項目
お墓を寺院墓地ではなく、霊園へ建てたい場合は、8つのポイントについてチェックが必要です。8つのなかでも自分で優先順位をつけ、末永い付き合いができるような霊園なのかを判断しましょう。
1.立地条件
お墓参りを定期的に行くためには、自宅から近いに越したことはありません。立地条件を妥協して不便な場所を選んでしまうと、「せっかくお墓を建立したのになかなかお墓参りにいけない」ということになりかねません。ただ、一般的に霊園は敷地の広い郊外にありがちです。
そのため、不便そうな立地の霊園は「公共交通機関からのアクセスが良いか」を押さえておきましょう。例えば、契約時は自分が車で運転して行けるような状態であっても、車が運転できなくなると一気に不便になります。バスや電車からのアクセスがスムーズな立地の霊園を選ぶことが賢明です。
2.霊園の管理費は「民営霊園」と「公営霊園」で異なる
霊園の管理料金は2つタイプの霊園で異なります。管理費は主に年払いなどで利用者から徴収しますが、どの程度違うのでしょうか。管理費は毎年掛かるものなので20年、30年先も見据えて検討することがおすすめです。
民営霊園の管理費
民営霊園の管理費の目安は年間5,000~1万5,000円程度です。民営霊園は主に、宗教法人や財団法人、石材店などの民間企業が行っています。公営霊園に比べてアクセスやサービスが充実している傾向です。そのため、公営霊園よりも管理費が高くなっているといえます。
公営霊園の管理費
公営霊園の管理費の目安は年間4,000~1万円程度です。上述したように自治体が運営管理を行っているため、各自治体の予算や提供するサービスによっては金額が変動します。
しかし、一般的には民営霊園よりもリーズナブルな価格のところが多い傾向です。そのため、利用者からの人気も高く、墓地の公募が始まると申込者が多く抽選になることが多いといえます。
2つの霊園の違いは理解できたでしょうか?民営霊園と公営霊園の年間管理費を比べると、民営霊園の方が高い傾向です。霊園は長い年月利用していくものなので、しっかりと比較してから検討しましょう。
3.宗派・宗旨
民営霊園と公営霊園のどちらについても宗派や宗旨は自由なところが多い傾向です。寺院墓地の場合は宗派が限定されるようなこともありますが、霊園はあまり気にしなくても良いでしょう。
どうしても気になる場合は、電話などで自分の宗派が利用できるのかを確認しておくと安心です。
4.設備
霊園設備が充実しているかも大切なチェックポイントです。霊園は広大な公園墓地になっているような場所もあります。そのため、墓地まで結構な距離を歩くということも珍しくありません。
駐車場やトイレ、水道などが少ない霊園の場合は、管理事務所まで戻らないと行けないという不便な場合もあるのです。また、霊園内がバリアフリー化されているかということも重要でしょう。
5.周辺環境
霊園の周辺環境は墓石や納骨された遺骨を守るためにも大切といえます。日当たりが悪かったり、水はけが悪かったりする環境ですと、お墓参りする際に困るだけでなく墓石自体が傷みやすくなる可能性があるため注意が必要です。
例えば、納骨するスペースが地下にあるようなタイプは水はけが悪いと雨が降るたびにカロートへ水がたまってしまいます。墓石の風化だけでなく、カロートが浸水することで遺骨が傷みやすくなってしまうため、何度か天候が異なる日に足を運んでみることがおすすめです。
6.規約などの確認
霊園によっては規約などで墓石の高さや大きさ、デザインなどに制限をつけているところもあるため、確認が必要です。規約などの書類は利用者が「見せてほしい」と希望しないとみられないことも多いといえます。
そのため、一般的には実際に墓所使用契約を結ぶ当日に規約の説明をうけるということも少なくありません。必ず契約当日ではなく、検討段階で規約のコピーなどをもらい自分の希望するお墓が建てられるのかを確認するようにしましょう。
7.共用部の管理体制のチェック
実際に霊園へ訪問したときに共用部の清掃やメンテナンスなどの管理が行き届いているかをチェックしましょう。管理体制が行き届いていない場合は、スタッフがずさんな対応をしている可能性があります。これから気持ちよく霊園を利用していくためには、欠かせないポイントです。
8.霊園を管理するスタッフの電話応対や接客対応など
スタッフの電話応対や、接客の対応も重要です。あいさつをしても返事をしなかったり、説明を求めても面倒くさそうに対応したりするような霊園はおすすめできません。
ただし、民営霊園についてはアルバイトやパートの人もいますので、そこまで霊園事情に詳しくない人もいるかもしれません。しかし、一般的な社会常識ができていないようなスタッフが多い場合は雇用している運営側に問題がある場合もあります。
ここでは、お墓を霊園で建てる人がチェックした方が良いポイントについてお伝えしました。チェック項目の優先順位は人それぞれです。自分の納得できる霊園が見つかるように譲れない部分はしっかりと押さえておきましょう。
霊園の管理事務局で働く人は特定のスキルは不要
霊園の管理事務局で働く人は主に事務的な内容の仕事をしています。特定の資格やスキルがなくても働ける仕事ですが、データの整理・管理やパンフレットの作成などパソコンを使うデスクワークも多い傾向です。なかにはブログの更新を管理事務局で行っているというところもあります。
民営霊園の管理事務局
運営団体が雇用した社員や派遣社員、アルバイト、パートなで構成されます。主に霊園の案内や見学に来た人への案内、データの整理など仕事の内容はさまざまです。なかには、墓石の契約を取った場合にインセンティブをもらえるような給与体系の会社もあります。
公営霊園の管理事務局
自治体との連携役や事務処理などを自治体職員や嘱託署員などが行います。利用者の顧客管理や、公募の抽選、選定なども業務の一つです。
霊園の管理に関する求人を探す方法
霊園の管理に関する仕事をしたい場合は、求人サイトやハローワークなどを利用して探してみましょう。霊園の管理は「シニアでもOK」「未経験者OK」など条件がそれほど厳しくない傾向です。ここでは、インターネットによる求人とハローワークによる求人という視点からみていきます。
インターネットによる求人
インターネットで応募ができる求人サイトで霊園管理の仕事を探すと効率が良いです。求人サイトによって、「派遣社員に強い」「アルバイトやパートに強い」など特徴は異なります。
自分が求めている雇用形態でマッチングするような求人サイトへ登録しておくと便利でしょう。
ハローワークによる求人
ハローワークへ求人申し込みをして霊園管理の仕事を探すことも方法の一つです。インターネットがあまり得意ではない人や、直接相談員に細かい希望を面と向かって聞きたい人などはおすすめといえます。ただし、ハローワークの求人はインターネットでも閲覧は可能です。
直接話で問い合わせる
興味がある霊園があれば、直接霊園へ電話で問い合わせてみるのも良いでしょう。タイミングがあえば、霊園が求人を出す前に面接の機会がやってくるかもしれません。
しかし、細かい雇用条件や給与体系などは分からない状態ですから、勇み足にならないよう肝心な部分を確認のうえ問い合わせてみましょう。
まとめ
霊園の管理の仕事内容は想像以上にたくさんあるということが理解できたのではないでしょうか?自分がお墓を建てる立場であれば、霊園にどのようなスタッフが求められるかも想像しやすいかもしれません。
これまでの内容のポイントをもう一度しっかり押さえておきましょう。
- 霊園には主に「公営霊園」と「民営霊園」がある
- 公営霊園のスタッフは自治体職員や嘱託職員、非常勤職員などが多い
- 民営霊園のスタッフは運営の雇用した社員やアルバイト、パートなどさまざま
- 霊園管理の仕事は主に「区画の管理」「霊園内の清掃」「共用部分のメンテナンス」の3つ
- 霊園にお墓を建てる際は、立地や管理費、設備など8つの項目をチェックする
霊園の種類 | 管理者 | スタッフ | 仕事内容 | 霊園の永続性 | 管理費 | 宗派・宗旨 |
---|---|---|---|---|---|---|
公営墓地 | 自治体 | ・自治体の職員 ・嘱託職員 ・非常勤職員など | ・霊園の案内 ・共用部分のメンテナンス ・霊園内の清掃 ・墓地区画の使用管理など | 高い | 4,000~1万円程度 | 問われない |
民営墓地 | 宗教法人や財団法人、民間企業など | ・アルバイト ・パート ・正社員 ・派遣社員など | 運営会社の財務内容による | 5,000~1万5,000円程度 | 問われないことが多い |
- 霊園の管理は、特定の資格やスキルが不要で、年齢などの上限も高い傾向
- 霊園管理の求人は、インターネットの求人サイトやハローワークで探す
霊園管理の仕事をしたい場合は、インターネットの求人サイトやハローワークをうまく活用すると自分の条件にあった雇用形態で求人を見つけることができるでしょう。
霊園の管理は特段スキルが必要ではありません。しかし、霊園の管理側として仕事を体験することで、自分や親戚などが霊園を利用する際に押さえておいた方が良いポイントも学ぶことができる点は大きなメリットです。