霊園とは?意味や墓地との違い、種類・特徴をわかりやすく比較!

仏花が供えられている霊園

霊園とは?徹底解説

  • 霊園は公園みたいなお墓の場所。
  • 霊園は大きな墓地、墓地はお墓の総称、墓所は個々のお墓。
  • 公営、民営、寺院、共同の4種類の霊園・墓地がある。
  • 霊園選びは立地や予算、宗派、環境をチェック。

家庭の事情で、ゆくゆくはお墓を新たに用意しなければならない、という人もいるのではないでしょうか。

まず、お墓を建てる場所を決める。何となくわかっていても、どう探すのか、お金はいくら用意するべきなのか知らないことばかりで悩みますよね。

お墓を建てる場所である霊園や墓地については、一般的に情報が流れていないのも事実です。

この記事では、お墓を建てる場所である霊園の意味や墓地との違い、種類や相場、選び方などの基本的なことをまとめています。

ライフドット推奨
後悔しないお墓のために今から準備してみませんか?

終活といっても、生前整理、葬儀、お墓の検討などさまざまです。
そのなかでも「お墓」は、一生に一度あるかないかの買い物ですね。

  • 自分のライフスタイルに合ったベストなお墓はどういうものなのか知りたい
  • お墓選びで複雑な手順を簡単に詳しく理解したい
  • お墓選びで注意するべきポイントを詳しく知りたい

など、数々の不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。
お墓の購入に関しては、初めての方が多いため、不安や疑問を持つことは仕方のないことでしょう。
しかし、お墓購入後に後悔することだけは避けたいですよね。
そのためにも複数の霊園・墓地を訪問して実際に話を聞き、しっかりと情報収集することをオススメします。

情報収集するために、まずは気になる霊園・墓地の資料請求をしてみましょう。

あなたの条件に合う墓地・霊園を検索

霊園とは、公園のように開放的で設備が整ったお墓を建てる土地のこと

霊園とは、公園のように休憩場所などの機能を持ち、広い面積で開放的な設計となっている墓地のことです。墓地は墓地、埋葬等に関する法律により都道府県知事から許可をうけた区画と決められているため勝手に霊園を開発することはできません。

霊園とは?

霊園(れいえん)とは、公園のように明るく綺麗な環境をもつ墓園(墓苑、共同墓地)の名称として使用されている呼称。公園墓地や庭園墓地などを指す。

霊園|Wikipedia

敷地内にはお墓が立ち並ぶだけではなく、樹木や花が植えられ、広い遊歩道が敷かれています。また、公園のように遊具やベンチなどが設置されるなど、明るくきれいな環境が整えられています。

なお都市化計画のため、「将来、市街地の見込みがないこと」「主要な道路・鉄道と接しない」ことが望ましいとされているため、郊外にあることが一般的です。

そのため、お墓参りだけに訪れるのではなく、遊歩道を散歩やジョギングをしたり、広場でくつろいだりすることができ、公園として利用することも可能です。

霊園という言葉が示すものについては、大体イメージがつかめたのではないでしょうか。それでは、霊園と同じような場面で使われる「墓地」「墓所」との違いは何でしょうか?

次の章では、「霊園」「墓地」「墓所」の3つの言葉について解説します。

霊園・墓地・墓所の違い

霊園と、墓地に明確な違いはありません。

ただし、霊園が公園の機能を持った墓地とするならば、明治以降に新設された墓地を霊園と呼んでもいいのかもしれません。なぜならば、公園という概念は明治以前にはなかったからです。

3つの言葉を簡単にまとめると以下のように定義することができます。

  • 霊園・・・お寺に属しておらず、広大な敷地をもつ墓地
  • 墓地・・・霊園や寺院墓地すべてをまとめた表現した言葉
  • 墓所・・・霊園や墓地の敷地内にあるお墓を建てるための区画

それぞれの言葉の意味について、歴史背景などから詳しく解説します。

霊園が作られるようになったのは高度成長期以降

現在一般的によく見られる、墓石を建ててお参りをする形式の墓地が誕生したのは、江戸中期の頃からです。その頃は、すべての人がお墓を建てることができていたわけではなく、一部の位の高い層や富裕層にしか建てることができませんでした。

一般庶民でも自由にお墓を建てることができるようになったのは、高度成長期によって日本が豊かになってきてからのことなので、それほど古い昔の話ではありません。人々の暮らしは次第に安定し、ゆとりが生まれるようになりました。それと共に、死生観に大きな変化が現れはじめたのです。

霊園という言葉が誕生したのは、行動成長期に伴った死生観の大きな変化があったからなのです。そして現在、地域共同体の中にある墓地や寺院の墓地よりも、公営霊園や民営霊園の方がより公園の機能をもっているため「霊園」と呼ばれていることが多くなったと考えられます。

ちなみに「霊園」は法律で特に定義されておりません。よって霊園は宗教色が薄く、誰でも自由に利用できるというイメージがあります。

墓地は檀家制度を伴う寺院墓地の意味合いが強い

墓地という言葉は、「墓地、埋葬等に関する法律」で定義されています

この法律で「墓地」とは、墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事(市又は特別区にあつては、市長又は区長。以下同じ。)の許可を受けた区域をいう。

墓地、埋葬等に関する法律第2条5項から引用

よって、霊園も墓地の一つと考えることができます。

しかし一方で、自由に利用できるイメージが強い霊園とは反対に、寺院墓地などでは檀家にならないと利用できないなどの規定をクリアしなければお墓を建てられないケースが多いです。

このことから、

  • 墓地:古くから存在する寺院墓地
  • 霊園:近代になって誕生した新しいタイプの墓所

としたイメージが、浸透し定着しつつあるといえます。

つまり「墓地」という用語はケースに応じて意味合いが変わってきます。文脈に合わせて解釈するようにしましょう。

墓所は霊園・墓地の敷地内にあるお墓を建てるためのスペース

墓所は、霊園墓地や寺院墓地の敷地内にあるお墓を建てるためのスペースのことです。

イメージでは墓地の中に霊園墓地と寺院墓地があり、その個別の区画を墓所と呼ぶ感じでしょうか。
紛らわしい言葉ですが、下記のように整理しておくと、いざというときわかりやすいでしょう。

ちなみに「墓所」は法律で特に定義されておりません

墓地・霊園・墓所の違いの比較イメージ

墓地

霊園墓地

公営霊園

墓所(各区画)

民営霊園

墓所(各区画)

寺院墓地

墓所(各区画)

霊園の意味や墓地・墓所との違いは理解できましたでしょうか?

各言葉がもつ意味と、現代で使用されているケースは必ず一致するわけではないことがわかりましたね。どういった場面で使用されているかで、何を指しているのか考えるのが良いでしょう。

それでは次に、霊園にはどのような種類があるのか確認し、違いを把握しましょう。

霊園・墓地の種類は運営主体が異なる4種類

霊園・墓地の管理者は、その霊園の運営団体によって異なります。具体的には下記のように4つに分類されます。

霊園種別管理主体補足
公営霊園・墓地都道府県や市町村などの自治体墓地使用の申し込みや改葬の手続きなど、すべて役所が窓口。
民間(営)霊園・墓地その墓地を販売・管理している民間業者民間業者は墓地の経営を法的に認められていない。寺院などの宗教法人や公益法人(主に財団法人など)を事業主体とし、民間業者へ管理を委託している。また、寺院が独自に事業として霊園を管理していることもある。
寺院墓地寺院の僧侶寺院の敷地内にある墓地。
共同墓地自治会長など地域の共同墓地。自治会のなかで墓地管理組合を設けているところもある。
  • 公営霊園:管理者はその地方自治体です。墓地使用の申し込みや改葬の手続きなど、すべて役所が窓口となります。
  • 民営霊園:その墓地を販売・管理している民間の業者です。
    • ※厳密に言うならば、民間業者は墓地の経営を法的に認められていないので、寺院などの宗教法人や公益法人(主に財団法人など)を管理者とし、民間業者に管理委託というかたちを取っているのです。
      また、寺院が独自に事業として霊園経営をしているケースもあります。
  • 寺院墓地:墓地の管理者は、その寺院の住職です。
  • 共同墓地:ここでいう共同墓地とは、その地域の共同墓地です。自治会長が管理者であることが多く、自治会の中で墓地管理組合を設けているところもあります。

それぞれ霊園にメリット・デメリットがあります。

ひとつずつ紹介していきます。

霊園のメリット・デメリット

それでは、それぞれの霊園(墓地)のメリットとデメリットを見ていきましょう。

公営霊園(公営墓地)

公営霊園のメリット

  • 管理が地方自治体なので安心
  • 費用が比較的安い
  • 宗教や業者の制限がない

公営霊園のデメリット

  • 人気があるために空きがない
  • 区画数に制限があり墓地を入手したくても抽選となることがある
  • 届出書類などの手続きが面倒だ

公営墓地は、営利目的ではない住民サービスです。管理もしっかりし、条件も平等で、費用も比較的安価です。だからこそ人気が高く、入手が困難という側面があります。

実際、関東では公営霊園に申込が殺到し、青山霊園谷中霊園では倍率が10倍以上を超えています。

抽選は何度でもできますが、10倍となると一般的には10年かかってしまいます。ほどほどに諦めて、他の色んな霊園を検討してみることも大切です。

公営霊園にもっと知りたいというかたは「公営墓地とは?民営・寺院とは違う、費用や申込方法などを解説!」も合わせてご覧ください。

民営霊園(民営墓地)

民営霊園のメリット

  • 法要施設や駐車場など墓地環境が充実している
  • 宗教の制限がない
  • 区画面積や墓石のデザインなどを自由に選ぶことができる

民営霊園のデメリット

  • 費用が比較的高めである
  • 石材業者が決められている

民営墓地は開発や管理に業者が絡んでいるために、どうしても石材店が指定されています。しかし、消費者目線に立った墓地設計がなされていることが多いため、墓石のデザインや、遺体の埋葬方法なども、比較的自由に選ぶことが可能です。そのため利用はとても便利で、人気が高いのはそういった点からと考えられます。

民営墓地についてもっと深く知りたいかたは「民営霊園のメリットとデメリットを解説!その実態や内情まで」を合わせてごらんください。

寺院墓地

寺院墓地のメリット

  • 寺院がいつもそばにいてくれている
  • 仏事の相談に乗ってもらうことができる
  • 法事の特にすぐにお墓参りに行ける

寺院墓地のデメリット

  • 墓地を取得し墓地使用者となるためには檀家にならなければならない
  • 石材業者が決められていることが多い
  • 墓地の面積や墓石のデザインに制限がある場合もある

寺院の境内にあるお墓だからこその精神的な安心感があります。その分、寺院とのつきあい、つまり檀家になることを条件として求められることになります。檀家になれば、家族やその後の一族のことを任せておけるという安心感もありますが、その分、金銭的な面で大きな負担がかかってきます。しっかりと理解したうえで決めることが大切です。

寺院墓地についてより詳細に解説した記事があります。気になる方は「寺院墓地の使用料相場は約77万円。檀家料などの費用も必要」を合わせてご覧ください。

共同墓地

共同墓地のメリット

  • 家からすぐの場所にある
  • 費用が安い
  • 管理者が自治会だから安心できる

共同墓地のデメリット

  • 管理の質は墓地の管理体制によって異なる
  • 墓参りのたびに隣近所と顔を合わせることとなる
  • 他の家のお墓と比較しがちになる

共同墓地は、その地域の住民のための墓地なので、費用も安く、自宅からも近いというのが最大のメリットです。希薄になったコミュニケーションの場として、大切な役割も担ってくれています。ただ、隣近所との付き合いをわずらわしく感じる人は、避けた方がよいかもしれません。

共同墓地に興味があるかたは「共同墓地の特徴まとめ!一般のお墓との違いを解説」も合わせてご覧ください。より具体的に紹介しています。

多様な種類が増えている!特徴のある霊園まとめ

寺院墓地の厳かな雰囲気や、公園墓地の開放的な雰囲気。
東京や神奈川といった関東圏を中心に、新たな特徴のある霊園が登場し始めています。

この章では、雰囲気や供養の種類など特徴のある霊園の種類をいくつか紹介します。

ガーデニング霊園

ガーデニング霊園は、ヨーロッパの公園をほうふつとさせる明るい雰囲気の霊園のことです。

園内は緑に囲まれ、いたるところに花が咲き誇り、ベンチなども置かれて、公園としての機能をも果たすような墓地です。
墓石はほとんどが洋型やデザイン型のものが選ばれています。

ペット用の霊園

ペット専用の霊園もあります。

日本は古来より、人間と動物を同じ場所に埋葬しないという慣習が根強く、人の墓にペットが入ることは避けられています。
昨今では、全国的に徐々にではありますが、人とペットが同じお墓に入れる区画を設けた霊園が増えつつあります。

ペット霊園の選び方や注意点など、気になる人はこちらの記事も参考にしてください。

偉人たちが眠る歴史を感じる霊園

都内や関西など時代の中心となった場所にある霊園には、さまざまな時代の偉人たちが眠っています

有名なところでは「青山霊園」や「雑司ヶ谷霊園」など、東京都が販売・管理をしている都立霊園には多くの偉人たちが眠っています。

この都立霊園は現在8か所(青山雑司ヶ谷谷中染井多摩八柱小平八王子)があります。総面積は416万平方メートルで、このうち埋蔵施設となっている場所が、約180万平方メートルで、使用者数は約26万人、埋葬されている遺体数は約121万体となっています。

都立霊園にはまた数多くの有名人のお墓が建っています。青山霊園では、明治維新の中心人物であった大久保利通や、歌舞伎俳優の市川團十郎。またSF小説作家の星新一などもここに眠っています。文豪で知られる夏目漱石や泉鏡花、小泉八雲などは雑司ヶ谷霊園にお墓が建てられています。

その他にも歴史に名だたる有名人たちのお墓が多く建てられていることで、よく知られているのです。最近では、こういった有名な人たちのお墓を巡る「墓マイラー」と呼ばれる人たちもいるそうです。

墓前に手を合わせることで、偉人たちと交流しているような気分になりそうですね。気になる方は、「日本三大霊園を紹介!著名人が多く眠る歴史好きはぜひ訪れたい名所ばかり」の記事も参考にしてください。

しかし、お墓は代々家系で守られてきた大切なものです。マナーを守り、他人に迷惑をかけない範囲で行うようにしましょう。

バーチャル霊園

IT化が進む世の中にぴったりな、仮想空間にお墓を建てることのできる霊園です。 スマートフォンやパソコンでインターネットに接続をすると、すぐにお墓参りに行けるという手軽さもあります。バーチャル上だけだと遺骨はどうしたらいいの?という人が多いため、手元供養のグッズとセットになっているプランが基本になっています。

霊園を選ぶポイント

それでは、霊園を選ぶ際のポイントは下記の通りです。

  • 立地の良いところ
  • 経営主体の種類
  • 宗旨・宗派
  • 予算の範囲内
  • 周囲の環境をみる
  • 霊園内の設備が充実しているか
  • 指定石材店の有無

それぞれを詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

立地の良いところ

まずはお墓参りの行きやすさを検証しましょう。歩いていく場合、車を使用する場合、公共交通機関を利用する場合などのさまざまな場合を考えておきましょう。

  • 経営主体の種類

    公営霊園、民営霊園、寺院墓地などによって特性や機能が異なります。自分たちの建てるべきお墓が、どの霊園に適しているのかを考えましょう。
  • お墓は建てて終わりではありません。そこに自分の家の墓石がある限り、定期的に様子を見て手を合わせるべきといえるでしょう。忙しくてお墓参りに行く時間がない人には、閉館時間などの設定がない霊園を選ぶなどがおすすめです。
  • 宗旨・宗派

    自分たちが属する宗旨・宗派で、その墓地を利用することが問題ないか、あるいは利用が可能か、事前に確認しておきましょう。
  • 予算の範囲内

    お墓をつくるためにはまとまったお金が必要です。霊園の費用だけでなく、その上に建てる石材の費用も必要となります。
  • 周囲の環境をみる

    まわりは静かで、日当りがよく、お墓参りしたくなる環境かどうかを見渡しましょう。
  • 霊園内の設備が充実しているか

    通路は歩きやすいか、駐車場は広いか、水回りはきれいに整備されているか。設備の充実度や管理の質は管理者によって異なります。
  • 指定石材店の有無

    霊園によっては指定石材店を設けていることがあります。その場合、複数の業者との相見積もりをとることができません。その石材店が信用できるかどうかを見極めましょう。
  • お墓については世代や宗教観により様々な価値観があります。親や親族と霊園やお墓選びとなる「軸」をしっかりと話し合い決めていくことで失敗・後悔のないお墓を建てることができます。
  • より具体的なお墓の選び方を知りたい方は「『後悔したくない!』お墓の選び方と納得のお墓を建てるポイント」も合わせてご覧ください。
  • エリアから探す

    日本地図

    エリア
    から探す

    北海道・東北

霊園にお墓を建てるまでの流れ

それでは、霊園にお墓を建てるまでの流れを見てみましょう。

  1. 霊園の資料を取り寄せる
    事前に資料を取り寄せて情報収集しておきましょう。
  2. 現地に見学へ行く
    気になった墓地は現地に見学に行きましょう。
  3. 気に入った霊園と契約を結ぶ
    空きがあればすぐに契約することができます。公営墓地などで空きがなく抽選となる場合は、抽選時期を待たなければなりません。
  4. 支払いを済ませ、使用許可が下りる
    永代使用料を支払うと、墓地の使用許可証をいただきます。大切に保管しましょう。
  5. 石材店に依頼してお墓の見積もりや図面を作成してもらう
    できれば複数業者を比較検討するのがよいでしょう。民営霊園など、業者が指定の場合や、墓地と墓石をセット販売していることあります。
  6. 石材店と契約を結ぶ
    契約から工事完了までは1~3か月が一般的です。
  7. 工事
    工事は、基礎工事、外柵工事、石碑工事の3段階に分かれることが多いようです。希望であれば立ち会っても構いません。
  8. 完成
    晴れて石碑が完成します。寺院による開眼法要を経て、その家だけのお墓となります。

霊園の費用は?1㎡の単価で相場が分かる!

霊園の費用がどれくらいかご存知でしょうか?

一般的に霊園の費用として考えられるのは永代使用料となります。

ここでは永代使用料の相場について紹介していきます。

全国平均 永代使用料は約77万円 墓地面積は約1,6㎡

永代使用料の全国平均は約77万円。
墓地面積の全国平均は約1.6㎡だと言われています。

しかし、墓地の永代使用料は地域差が激しく、東京などの都心と、郊外や地方などでは大きく差が出ます。

その地域の1㎡あたりの単価を割り出そう

墓地は1㎡あたりの単価と墓地面積で費用が決まります。
この墓地の単価は、地価に比例します。

東京近郊を例にとると、23区内は1㎡あたり100万円を超えますが、23区外や周辺3県などでは20万~50万円くらいでしょう。
仮に3㎡の墓地を購入したとします。

1㎡の単価が100万円だと300万円。1㎡の単価が30万円だと90万円。
と、いった具合に価格は設定されています。

都心は単価が高く、面積が狭い。郊外や地方や単価が安く、面積が広い。

よって、一概に使用料の相場を割り出すことができないのが実情です。

まずは地元の霊園をいくつかピックアップして、売り出し価格を面積で割ってみましょう。その地域の1㎡あたりの単価が見えてくるでしょう。

ペットの霊園を建てる場合

ペット専用の合祀墓や納骨堂というものがあります。

費用は運営元によってさまざまなのですが、5,000円〜30,000円くらいで引き受けてくれるでしょう。

また、人とペットが一緒に入れる墓地も、徐々にではありますが、増えてきています。
こちらは通常の墓地の料金になるので、数十万円という費用がかかるでしょう。

霊園を利用するときの注意点

霊園にまつわるトラブルもたくさんありますが、そのうちの一部をご紹介します。

  • 工事する石材業者が決められている
    民営霊園や寺院墓地などでは、工事する石材業者が決められていることが多くあります。
    複数の石材店を比較できず、業者のいいなりになってしまう恐れがあるため充分に気をつけましょう。
  • 墓地を承継するための手続きが大変
    墓地を次の代に承継するためには、法定相続人全員の同意が必要です。なぜなら、墓地などの祭祀財産は分割相続ができず、だれか一人が承継しなければならないからです。

    公営霊園ではこのあたりはたいへん厳しく書類の提出を求められます。
    民営霊園や寺院墓地などでは、管理者によっては柔軟に対応してくれるところもありますが、それがのちのちのトラブルの原因にもなりかねません。
  • 墓地の転売や譲渡はできない
    霊園から「墓地を買う」と思っている人が多いのですが、厳密には、その土地を買うのではなく、その土地の永代使用権を買うのです。ですから、墓地を買ったとしても登記の必要も、固定資産税の支払いの必要もありません。
    そのかわり、墓地が不要になった際は、きちんと管理者に返還しなければなりません。

お墓は人生で一度あるかないかの買い物です。
施主の思い込みがこのようなトラブルを招いてしまいます。
きちんと情報収集した上で、分からないことは霊園や地元の石材店に相談しましょう。

他には墓石の費用もかかります。墓石費用の相場や内訳を知りたいという方は「【お墓は高い?】お墓の値段は平均200万円!プライスレスな先祖への想い」も合わせてご覧ください。

霊園を替える流れ(改葬の流れ)

霊園を替えることを「改葬」と呼びます。
ここではその流れをまとめてみました。
分かりやすくするために、大阪市にある「O霊園」から横浜市にある「Y霊園」への引っ越しとします。

  1. 新しいお墓をY霊園に決める
  2. Y霊園から『受入証明書』をもらう
  3. 現在のお墓であるO霊園の管理者に相談する
  4. 大阪市役所から『改葬許可申請書』を入手し、作成する
  5. 『改葬許可申請書』にO霊園の署名捺印をもらう
  6. 大阪市役所に『受入証明書』と『改葬許可申請書』を提出し、『改葬許可証』をもらう
  7. 遺骨を取り出す
  8. O霊園のお墓を撤去して、Y霊園に移設する
  9. Y霊園に納骨する
  10. Y霊園に『改葬許可証』を提出する

改葬の手続きは窓口が多くて大変ですが、ひとつひとつをきちんとこなしていきましょう。
分からなければ、いま墓地のある町の役所に訊ねるのが一番良いでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

霊園は、大切な人が眠る場所、お参りする場所です。
事前に知識や情報を手に入れて、余裕を持って霊園巡りをされるとよいでしょう。
素敵な霊園がみつかって、あなたのお墓参りが有意義なものになりますように。

ペットの終活に関する準備をしっかり行い人は、下記の関連記事をぜひ参考にしてください。


監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

お墓を探している方と一緒に霊園まわりをするとき、重視したいポイントの優先順位として立地をあげる方が多いような気がします。お墓は建てて終わりではなく、お墓参りをしたり、寺院だったら檀家として支えていく義務も生じますから、足が遠のいてしまう、という立地は避けたいと考えるのでしょう。

では、遠方にお墓を求める人はどのようなケースでしょうか。一律で語ることはできませんが、永代供養を前提としたお墓で、墓所そのものを気に入って購入するケースが多いような気がします。