共同墓地の費用は?安いのが特徴、共同墓地のメリットとデメリット
共同墓地の費用とは?徹底解説
- 共同墓地は低コストで近所にあり、地域との結びつきが強い
- メリットは安さとアクセス、デメリットは空き不足や管理の問題
- 購入時は自治体や住民との連絡と石材店の手配が要る
これからお墓を建てよう、墓地を購入しようとされているみなさん。地域や自治会が管理運営する「共同墓地」をご存知ですか?
地方自治体や寺院や民間企業が運営するのではなく、その地域の住民や自治会が管理運営する墓地です。
あくまでもその地域住民向けの墓地だから、家から近く、移動距離も短く、そして安いのが特徴です。
もちろん、共同墓地には共同墓地なりのメリットやデメリットもあります。
共同墓地の費用、管理、仕組みなどを詳しく解説いたします。
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費用が安くて家からも近い共同墓地ってなに?
共同墓地は自分たちの住む地域の墓地
共同墓地というのは、街や村の地域住民で管理されている墓地のことです。「村墓地」や「野墓地」などと呼ばれたりもしています。
管理運営は、その地域の自治会がしていることが多く、自治会の中で独自に管理組合を設けているところもあります。その方法や形態も、地域によって異なります。
共同墓地のなりたちは昔から続く村の埋葬地
戦後まもない昭和23年に「墓地・埋葬などに関する法律」(墓埋法)が制定されたのですが、共同墓地とはこの墓埋法適用以前の墓地のことです。
墓地はどの村にも必ずあったのですが、状況は今のようなきれいに整ったものではなく、村はずれや山裾の埋葬地に遺体を埋葬し、墓標として石塔を据えただけのものでした。
昔は土葬が主流でしたから、死後の遺体の腐乱を忌み嫌うという公衆衛生的な理由もあったでしょう。また、生者と死者の場を分けるという意味で、あるいは死の穢れを生活空間に忍び込ませないためにという観念的な理由も加えられて、多くの墓地は村の外れに設けられました。
こうした墓地が、現代でも共同墓地として利用されているのです。
場所によっては石塔が無秩序に乱立しているところも
このような具合で人々は遺体を埋葬してきたために、葬儀が起きるたびに空いた土地を掘って、土葬しました。
現代のように区画整理されているわけでもなく、どこからがだれだれの墓地だという境界もはっきりしていないために、古くから続く共同墓地では、いまでも石塔が無秩序に乱立していたり、お墓の方向があちこちに向いていたりというのはよくある光景です。
もちろん、ある時期に区画整理や参道の整備などを行ない、お参りしやすくされている共同墓地もあります。
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共同墓地のメリットとデメリット
共同墓地の3つのメリット
1.費用が格段に安い
共同墓地の費用は概して安いと言えるでしょう。
そもそも営利目的などではなく、地域住民の相互扶助的な意味合いがあるために、公営墓地や民営墓地などと比べると格段に安い傾向にあるのです。もちろん、金額の設定は各自治会によって異なるために明確な統計がとれているわけではありませんが、平米単価数万円から10万円程度で売り出されていることが多いようです。
2.近くてすぐにお参りに行ける
共同墓地の最大の魅力は、なんといってもその近さでしょう。
自分たちが住んでいる地域の墓地ですから、これほどお参りしやすい条件はありません。基本的には1つの自治会に1つの墓地、と考えるならば、歩いて、自転車でもお参りできる距離にお墓を入手することができるでしょう。
3.ご近所づきあいの延長
共同墓地の所有者はすべて地域住民の人たちです。
お墓参りや定期的な墓地清掃などはそのままご近所づきあいの場になります。それぞれのお墓を知っているというのは地縁を広げる、豊かにするという点ではとてもいいことだと思われます。
共同墓地の3つのデメリット
1.そもそも売り出しがない
家の近くにお墓を建てたいと思ったものの、そもそも空きがなければ墓地は取得できません。
また、現在の墓埋法では、墓地経営は地方自治体、公益法人、宗教法人に限られるために、新たに共同墓地を新設するということは原則的にあり得ないのです。あなたのお住いの地域に共同墓地があり、なおかつ空きがあればこそ、取得することができます。
2. 管理がずさん
これは墓地管理への取り組み方によって大きく異なるのですが、公営墓地や民営墓地などに比べると管理はずさんです。
利用規約があるわけでもなく、境界がきちんと決められているわけでもない。管理者や組合長も輪番なので責任の所在があいまいなど。
これは共同墓地の性質上やむを得ないことなのですが、いざ、共益部分の工事などをしようとした際も、利用者全員の合意のもとでなければ進められないので、話がまとまらないことがよくあります。
3. ご近所づきあいが苦痛
ご近所づきあいをよしと思われる方であればよいのですが、苦手な方にとっては苦痛を感じることもあるかもしれません。「あそこの〇〇さんのお墓は掃除ができていない」「■■さんのお花は枯れたまま」などと苦言を呈されることもあります。
さらに共同墓地のメリット・デメリットを詳しく知りたい人は、「共同墓地の特徴まとめ!一般のお墓との違いを解説」の記事を参考にしてください。
共同墓地を購入するための3つの行動
墓地の空きを確認
まずは墓地に空きがあるかを確認しましょう。
お墓の建ってない土地だけの所も、墓地は誰かが取得しているかもしれません。もし管理組合などがあれば組合長に、分からなければ自治会長に聞いてみるとよいでしょう。
申込・費用の支払い
共同墓地の費用は自治会などで定められているはずなので合わせて訊ねましょう。
また、毎年の年会費の徴収もあるでしょう。こうしたお金は管理組合や自治体の会計に組み込まれて、墓地の管理維持などのために使われます。
予算をどのように使うかは会合などで話し合うことになるでしょうから、それらへの参加もゆくゆくは必要になるでしょう。
墓地を取得したら、隣近所へのごあいさつと、石材店への手配
こうして墓地を取得することができたら、まずは墓地でお隣になる家にご挨拶に出向くのが丁寧でしょう。
また、石材店に手配することでお墓の工事になりますが、必ず石材店には墓地の管理者にあいさつにいくよう伝えましょう。共同墓地は指定石材店はほとんどないのですが、たまに石材店の営業がやってくることもあります。
まとめ
共同墓地は費用が安くて、家から近いのが特徴です。最高の墓地に間違いはないのですが、それゆえのデメリットがあることもお分かりいただけたかと思います。 共同墓地の購入を検討するためにも、まずは墓地を管理運営している、地域の住民や自治会へお問い合わせしてみましょう。
この記事のポイント
- 共同墓地とは、自分たちが住む自治会や地域人たちで管理運営されている墓地のこと
- 墓埋法が適用される前の古い墓地であるために、管理がずさんな面もある
- 共同墓地の費用は格段に安い
- 家から近いのでお参りにも便利
- お墓参りがご近所づきあいの延長になる
- そもそも売り出しがないことが多い
- 墓地を購入したい場合は、自治会長や管理組合があれば組合長に問い合わせる
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
昭和23年の墓地埋葬等に関する法律が施行される以前からある墓地は、「墓地とみなす」という意味でみなし墓地といわれます。みなし墓地は、集落墓地、共同墓地、村落墓地などと呼ばれます。その中には、土地制度改正を経て公有地となり、公営墓地となるケースも少なくありません。
一方、そのまま共同墓地のような形で存続している場合でも、任意の形で管理組合などを結成し、管理・運営をしている墓地が多くなっています。管理組合があることで、行政は墓埋法に沿った形で指導し、早急な対応をすることが可能になるからです。共同墓地は、基本的に新規で契約することを目的とせず、お墓の承継や分骨等により、新たにお墓を建てなければいけない事情が生じたときに使用するケースが多くみられます。組合員の合議が必要だったり、管理や会計なども組合員で行うことになるので、安いからといって気軽に購入できる性格のお墓ではありません。共同墓地を希望する場合は、地元の事情に精通した人に間に入ってもらうことをおすすめします。