多様化するお墓の種類を紹介 ~石のお墓から樹木葬まで~
お墓の種類とは?徹底解説
- お墓には承継墓や個人墓、樹木葬など多彩なタイプがある
- 墓地の運営元は寺院、民営、公営の3種
- お墓ができあがるまでに墓地選び、墓石の建立、費用支払いが必要
お墓の基礎知識や種類、建立の流れについて徹底的に解説します。
お墓について不安に感じている人も基礎をしっかり押さえておけば、選択する際に迷うことも少なくなるでしょう。
「人生100年時代」と言われ始めている一方で、「終活」といった言葉もよく聞きますよね。
人生をより良く過ごすための一環として、生前に自分のお墓について考える機会が増えてきました。
自分の希望に合ったお墓を選びたいと考える人も多いのではないでしょうか。
また、自分自身にとってお墓のことを考えるのはまだまだ先だと思っていても、親が亡くなったことでお墓の問題が身近になってしまうことも少なくありません。
実際にお墓を建てるとなっても、お墓の種類もわからないし、何から手をつけて良いか分からない人も多いでしょう。
お墓を建てるためには、基礎的なお墓の知識を深めることが大切です。
なんとなく慣習にならって周りの人を鵜呑みにして進めるのでは、大きなお金を支払うのに心もとないでしょう。
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この記事の目次
お墓を建てる意味とは
日本における現代のお墓とは、亡くなった人を埋葬しておくための墓標(お墓の目印)です。
基本的にお墓を建立しなければいけないという法的な義務はありません。
宗教によって供養方法やお墓のあり方もさまざまです。
例えば、ヒンドゥー教が多いインドでは火葬した後に遺骨を聖なる川であるガンジス川に流します。また、キリスト教でも厳格なカトリックの信仰が強いエリアでは、土葬をします。
世界中でいろいろな慣習がありますが、基本的にお墓は亡くなった人を弔ったり、思い偲んだりするためのものと考えられているのです。
古墳時代におけるお墓の意味
はるか昔のお墓は、弔うことよりも権力を誇示や承継するという意味合いのものが多く見られます。
日本のお墓の歴史を考える場合は古墳時代まで遡ることが必要です。
3世紀ごろから5世紀後半には近畿地方をはじめ、九州、関東でも前方後円墳や円墳などさまざまな形状の古墳が作られました。
当時は、まだ天皇による中央集権化がされておらず、地方の有力な豪族などの権力誇示や承継のため古墳が作られたのです。
現代におけるお墓の意味
現代におけるお墓の意味は、故人を偲び手厚く弔うための意味合いが強いです。
一般的な現代のお墓を庶民が建てられるようになったのは江戸時代の中期といわれています。
故人を弔うということは、先祖への感謝という意味合いだけではありません。
もし先祖がひとりでもいなかった場合、自分は現世に存在していないのです。
そのため、先祖への感謝は自分が現在生きていることへの感謝にもつながります。
お墓には亡くなった人だけでなく、自分を大切に想うという意味合いもあるのです。
お墓や供養方法の種類8選
一口にお墓といっても実際はさまざまな種類のものがあります。また、供養方法も増えてきているので押さえておきましょう。
ここでは、主に8つの例と費用相場の目安について解説します。
- 先祖代々でつないでいく「継承墓」
- 一人で眠る「個人墓」
- 夫婦二人だけで眠る「夫婦墓」
- 二つの家系が一緒に眠る「両家墓」
- 管理の手間が省けて他の人と眠る「共同墓」
- 樹木やお花の下で眠る「樹木葬」
- 手元で供養をする「手元供養」
- お骨をパウダー状にして海に撒く「海洋散骨」
それぞれについて、次から詳しく解説していきます。
先祖代々で継承する「継承墓」
みなさんもおなじみの一般的なお墓の形式です。継承墓ともいわれます。
霊園や寺院に墓石を建立し、先祖代々の墓として家族のなかの「墓守」が管理をしていくことが一般的です。
例えば、墓石に「○○家之墓」や「○○家先祖代々之墓」などと、家名が刻まれているものを家墓というのですが、これらが継承墓です。現代では少子高齢化や継承する人がいないなどの社会的問題のため減少傾向です。
2014年に全優石が行ったアンケートによると、お墓の購入価格で多かった回答は100万~200万円(48.9%)でした。
気楽にひとりで眠る「個人墓」
継承墓のように、先祖代々守り続けていくお墓ではなく、自分ひとりだけで眠り跡継ぎを要しないお墓を個人墓と言います。
個人墓なら跡継ぎがおらず、お墓参りやお墓を管理してくれる人がいなくても、問題はありません。墓地の管理者によって誰も訪問する人がいなくても、ちゃんと整備や管理、そして供養を行い続けてくれるのです。
個人墓の管理は、一般的には33年から50年程度の期間となっており、その後、遺骨は墓石から取り出され、合祀墓へと移されます。
個人墓はもともと歴史に名を残すような有名人や武将などに多く見られたのですが、今は終活などによって人々のニーズに対応するために、注目がされるようになりました。
通常の継承墓のように、しきたりにとらわれることはありません。また、合祀墓のように、他の人の遺骨とともに眠るのに抵抗のある人にとっては、墓石のデザインなど従来の和型墓石や洋型墓石のほか、自由で、また自分らしいお墓を建てることができます。
個人墓にかかる費用は、お墓の形式によりますが、納骨堂などを利用する場合は、70万円から100万円程度が相場とされています。
墓石を建てる場合には、土地は通常のお墓よりも小さな区画となり、墓石も小さなものが一般的です。石材の種類や好みによって大きさなど、価格は大きく変動します。
夫婦だけで完結する「夫婦墓」
夫婦だけで完結するお墓は、基本的に永代供養墓になります。
夫婦墓ともいわれ、継承者がいなかったり、子どもへ負担をかけたくなかったりする人が選ぶ傾向です。
また二人墓というものもありますが、こちらも二人で入るお墓のことを指して、夫婦墓と同じような意味があります。こちらも基本的には永代供養墓が基本ではありますが、石塔を建てるタイプのものもあります。
個人墓も二人墓も夫婦墓も、後を継いでくれる人というものを想定せずに建てることが基本となっています。
参考:「夫婦墓の意味と管理方法を紹介!選ぶメリット・デメリットがわかる」
永代供養墓とは33回忌程度までを目安に供養をしてもらえるお墓になります。
一般的には2人用もしくは2人分の納骨堂を契約することが多いでしょう。
納骨堂の平均費用相場としては、東京都内で1人用約50万円、2人用約100万円です。
両家が共に埋葬される「両家墓」
少子化の問題は、お墓の購入についてもかなりの影響があります。両家を共に埋葬する両家墓というものがあります。
両家墓を選択する人には、主にこのような理由があります。
- お墓の継承をしなければいけない長男と長女が結婚することになった場合
- 結婚する人同士が一人っ子のような事情があった場合
どうしても両家のお墓をそれぞれに継ぐことが出来なくなってしまった場合に、両家墓を選ぶ傾向にあります。
両家墓は夫婦の両方の先祖代々受け継いできたお墓を、合わせて一緒にしてしまうという、とても合理的なお墓の継承方法です。
ただこれは簡単なものではなく、家族や周囲の親族とよく話し合って決めないと、あとあと大変なトラブルになる可能性があります。
一旦、両家墓を建ててしまったら、結婚したけどお互いに気持ちがすれ違うようになったので離婚しましょう、という風に二人だけの問題では決して収まりませんので、簡単にやめることはできないのです。
承継者不要の「共同墓」
近年、お墓を建てる際に、やはり一番問題となるのが少子化です。お墓を建てるには、必ずそのお墓を継承していく跡継ぎが必要になります。今後そのお墓をどう守っていくかということは重要な問題となるのです。
また墓地や霊園によっては承継者のいない人に対して、墓地の使用を断ってくる場合もあります。墓地や霊園の管理者としても、無縁墓地となったお墓の管理や処分によって出る損害を増やさないよう、苦肉の策を講じなければならないのです。
では実際の問題として、自分に承継者がいない場合、自分が亡くなったらどうすればいいのでしょうか。
そういった場合には、共同墓がおススメです。共同墓の埋葬方法は、ひとつのモニュメントに多くの人の遺骨と共に埋葬するものです。いわゆる個別の墓石を建てる必要がありません。
共同墓はまた永代供養墓とも呼ばれています。地域や取り扱っている霊園などによって、多少の違いはありますが、おおむねそのような特徴となっています。
また、共同墓は墓石を建てる必要もありませんし、メンテナンスなどを行う必要もないことから、通常のお墓に比べて、かなり値段を安く抑えることができます。
このようなことから、承継者がいないなどの事情がなくても、費用の問題や、また子供たちに迷惑をかけたくないなどといった、あらゆる考え方を持つ人たちによって、共同墓は、最近特に注目をあびている埋葬方法のひとつとなっています。
ただ、共同墓にもデメリットはあります。大勢の誰だか分からない人たちと一緒に眠るのが抵抗のある人は、もちろん避けるべきです。また自分が良くても、家族からの反対があってはいけませんので、事前によく話し合っておくようにしましょう。
共同墓は、遺骨を骨壺から取り出して、他の人の遺骨と一緒に混ぜてしまうところがほとんどです。あとでやっぱりお墓を建てたから返して欲しいといっても、それは物理的に不可能となります。そういったこともしっかり理解しておきましょう。
一定期間の供養後に合祀される「樹木葬」
一定期間供養した後に合祀されるタイプのお墓もあります。主に樹木葬はこの形式です。
樹木葬は自然葬の一種で、樹木葬は遺骨をそのまま骨壺から出して埋葬する場合もありますが、骨壺ごと埋葬するケースもあります。樹木葬は遺骨をそのまま骨壺から出して埋葬する場合もありますが、骨壺ごと埋葬するケースもあります。
樹木葬の場合は永代供養であることがほとんどです。
また、骨壺ごと埋葬するケースの場合は、一定期間(33回忌程度が目安)経過すると合祀されるという形式です。
樹木葬の平均相場は安いもので10万円程度、高いものでも80万円程度となっています。
樹木葬については、「樹木葬のメリット・デメリットを紹介!樹を墓標としたお墓」で詳しく解説しています。
納骨しないで手元で供養する「手元供養」
遺骨の一部をパウダー状に粉骨してアクセサリーなどにおさめて身につける供養方法です。
「故人を身近に感じていたい」「遠方のお墓に出向くことなく供養できる」という理由から選ばれています。
例えば、アクセサリーなどに加工せず焼骨後に遺骨を自宅で保管するということも選択肢の一つです。
アクセサリーの材質をプラチナや金などにすると10万~60万円程度かかるケースもあります。
しかし、材質にこだわらなければ数千円~5万円程度が一般的です。
また、自宅で保管する場合は特に費用はかかりません。
遺骨を粉骨して海へまく「海洋散骨」
海などに遺骨をまいて供養するという方法もあります。
海などに遺骨をまくといっても、骨の形状のままではなく、粉骨といって1~2ミリメートル以下のパウダー状にすることが必要です。
お墓を建てないため、費用がリーズナブルな点や自然に還してあげられるという理由から選ばれている供養方法です。
散骨専門の業者に委託して、親族参加の下で行う場合の平均相場は、20万~30万円程度が目安となります。
海洋散骨については、「海洋散骨をしてみたい!気にしておきたい3つの注意点」も参考にしてみてください。
自分にピッタリのお墓タイプを選ぶ
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お墓を建てるまでの6つの流れ
お墓を建てるまでの流れについて、しっかりと押さえておくとスムーズに納骨式を迎えられるでしょう。
いざ、「お墓を建てよう」と決心してもなにからはじめていいのかわからないかもしれません。
ここでは、お墓を建てるまでの流れを6つの視点から解説します。
1.供養方法を家族と相談する
まずは、供養方法についてしっかりと家族と話し合い情報を共有しておくことが重要です。
親族のなかでも特に喪主だった人が自分の頭のなかだけで流れを決めてしまうことも少なくありません。
しかし、親族のなかでも昔の供養方法にこだわる人も少なくないため、理解を得るという意味でも話し合う場は一度ではなく、何度か設けておきたいところです。
2.お墓を建てる墓地を探す
お墓を建てるためには墓地を探す必要があります。
なぜなら、墓地埋葬法第4条で『お墓は墓地以外には建ててはいけない』という法律があるからです。
一般的に霊園や寺院と墓地使用契約を結び墓地を借ります。
そのため、希望する霊園や寺院に問い合わせをして墓地を選定する必要があるのです。
3.霊園や寺院へ墓地使用契約書を結んで永代使用料を支払う
墓地が決定したら契約を結んで永代使用料を払いましょう。
永代使用料は墓地を利用している間は土地を貸し出すという名目です。
例えるなら、賃貸借契約を結び賃貸物件を借りるイメージといえます。
ただし、賃貸借契約と異なるのは墓地のお引っ越しをしても永代使用料は原則返還されないことです。
トラブルの元になりますので、契約時にしっかりと内容を把握したうえで話を進めましょう。
4.お墓を作るため複数の石材店へ相見積もりを取る
墓地の契約が完了した後は、複数の石材店へ相見積もりをとります。
基本的に自分がイメージするお墓の相場を把握している人は非常に少ないでしょう。
なぜなら、一口にお墓といっても「墓地の広さ」「墓石の種類」「石材の使用量」「工事のしやすさ」などで費用が大きく変動するからです。
そのため、最低でも3つ程度の石材店から自分のイメージするお墓の見積もりをとるようにしましょう。
また石材店によっては、取り扱っている石の種類などもさまざまです。もし石にこだわりたい人は、そのあたりも石材店を決める時のポイントとしておくといいでしょう。
特に天然石などを使用場合は値段も高価になりますし、よく考える必要があります。御影石とひとことで言っても、その内容はさまざまです。国産のものはとても高価となりますが、色やつや、模様など独特なものがあり、また長持ちもよくします。
またその地域によって採れる石材によって、石材店の特徴も変わります。気に入った石材があるなら、その地域の石材店に依頼するという方法もあります。
最近は外国産のものでも、質の良いものも多く輸入されるようになってますので、そのあたりも含めてよく吟味するといいでしょう。
ただし、寺院墓地の場合は石材店が指定されていて他の石材店では墓石が作れない場合もあるので注意が必要です。
5.石材店を選定する
見積もりを比べた結果、石材店を選定します。
お墓の場合は一概に価格が安い石材店が優良とは限りません。
総合的にアドバイスをもらえたり、融通を利かせてくれたりするような石材店の方が今後墓石の管理をするうえでも安心でしょう。
6.お墓の建立開始
お墓の具体的な設計ができれば、正式に石材店へ墓石の注文をします。
一般的に墓石を注文してから建立完了までは1~2ヵ月程度です。
3月、9月のお彼岸前やお盆前などは石材店の繁忙期のため、それ以上の時間がかかる可能性があります。
また、中国で墓石の加工を行う石材店も多いため、中国のお正月(春節)となる2月前は中国の工場が休みになるケースもあるので注意しましょう。
お墓を建てることを決めたら、「お墓を建てると150万円以上の費用?後悔しないお墓作り3つのポイント」の記事もぜひ参考にしてみてください。
7.墓じまいをする場合
お墓を建てる理由は、人それぞれです。日本人は家墓の形式が多く、ご先祖様のお墓はたいていどこかにあったりします。そしてそのお墓を一族で継承してきました。
しかし最近は死生観の多様化や少子化などが進み、お墓に対する考え方が随分と変化してきています。
実家を離れて都会へと移り住み、その間に両親などが亡くなって、代々続くお墓を管理する者がいなくなってしまったらどうすればいいのでしょうか。誰もいないのに、お墓のメンテナンスのためだけにわざわざ田舎に帰るのは負担となってしまいます。
そういったことから、最近はやはり墓じまいをしてしまう人が増えてきました。現在住んでいる住居の近くに新しくお墓を建てて、田舎にあるお墓から中の遺骨を引っ越しさせるのです。こうすることで、いつでもお墓参りをすることができますし、管理やメンテナンスも問題がなくなります。
今現在の事情やニーズに合わせた新しい墓づくりの形態と言えます。
お墓を建てられる墓地は3種類
お墓を建てるためには、どんな土地でも良いわけではなく墓地が必要です。
上述したように墓地埋葬法により墓地以外のお墓の建立は禁止されています。
ここでは、墓地の種類やメリット・デメリットについて解説します。
1.寺院墓地
寺院墓地は経営主体、管理とも寺院が行っている墓地です。昔ながらの寺院のなかに墓地があるケースが多いといえます。僧侶が常駐しており、忙しかったり遠かったりでお参りがなかなかできない事情があっても「故人を手厚く供養してもらえる」「法事の際に寺院を利用可能」といったことがメリットとなっており安心できます。
ただし、寺院墓地を利用する場合は檀家になる必要があるため、お寺へのお布施や寄付など経済的負担が増えることはデメリットといえます。
また、お寺によっては墓石を建立する際の石材店を指定していることも多いです。指定以外の石材店を利用したい人にとってはデメリットになるでしょう。
2.民営墓地
民営墓地は経営主体が宗教法人などで、管理は民間企業が行っている墓地です。
寺院墓地に比べて宗派・宗旨を問われることが少なく無宗教の人でも利用しやすいことはメリットです。
また、敷地内は公園のように整備されているため景観が良いことも魅力的といえます。
その反面、土地開発や設備に費用がかかっていることも多く、その金額が利用料金や管理費に上乗せされていることも珍しくありません。
そのため、費用が高くなりがちな点がデメリットといえます。
3.公営墓地
都道府県や市町村などが経営主体となり、管理も行っているのが公営墓地です。
公営墓地のメリットは寺院墓地や民営墓地と比較して総合的な費用が安価になることでしょう。
また、運営が自治体ですので民間企業のように倒産するという可能性は非常に低いため安心です。
公共性が高いという観点からか、利用するためには「利用する自治体に住んでいる」「遺骨がある」などの条件があります。
また、利用者は条件に該当したうえで公募に応募しなくてはいけません。
応募が多い場合は抽選になりますので当選しないと利用できないことはデメリットです。
墓地の種類 | 経営主体 | 管理 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|
寺院墓地 | 宗教法人 | 寺院 | ・手厚い供養 ・法要時に寺院を利用できる | ・檀家として費用負担が増える ・石材店が指定されていることが多い |
民営墓地 | 宗教法人など | 民間企業など |
・きれいに管理されている | ・土地開発や管理にお金がかかっているため管理費などが高め |
公営墓地 | 自治体 | 自治体 | ・費用が安価 ・運営が自治体なので安心 | ・公募で抽選に当選しないと利用できない ・自治体によって、その自治体に住んでいるなど利用条件がある |
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Q. お墓は代々継いでいきたいですか?
従来型のお墓をつくろう!3種類のタイプ
従来型のお墓を建てる場合は主に3つの種類があります。
寺院墓地などでは石材店を指定しているだけでなく、景観を保つため作れる墓石に制限がある場合もあるので注意しましょう。
ここでは、「和洋墓石」「洋型墓石」「デザイン墓石」について解説します。
1.和型墓石
基本的な和式の墓石と洋式を組み合わせたタイプの墓石です。
従前の和式の墓石は「いかにもお墓」というイメージでしたが、洋式を組み合わせることで柔らかいイメージも取り入れられています。
2.洋型墓石
洋型の墓石は墓標が横長になっている傾向です。
従前の和式の墓石は高さがあるため、立ち並んでいると圧迫される印象がありました。
しかし、洋型墓石は横幅があり、高さが低いためバランスも良く安定感があるように見えるでしょう。
外観はモダンな印象にもかかわらず、お墓としての格調を損なわないことも特徴です。
3.デザイン墓石
自分で墓石のデザインを設計して依頼するのがデザイン墓石です。
上記2つの墓石のタイプに比べると自由度が高く、お墓とは思えないようなものから、ユニークな墓石までアイディアは無限。
例えば、墓標となるものを故人が好きだった趣味のものを石材で加工したり、絵やメッセージを彫刻してみたりなどが可能です。
また珍しいところでは「五輪塔」の墓石などもあります。五輪塔のお墓を建てると、亡くなった人は極楽浄土に行けるといった、ありがたいお墓とされています。
ただし、墓地によってはデザイン墓石を禁止している場所もありますので事前にしっかりと確認しておきましょう。
お墓は親族と念入りに相談して従来の形式にとらわれすぎない
お墓の種類といっても目的や予算によって組み合わせ方法は千差万別です。
まずは「お墓を建てるか」という選択よりも、親族で「どのような供養方法を希望するか」という話を進めることが良いでしょう。
- お墓は故人を偲ぶだけでなく自分の命の尊さを見つめ直す場所
- お墓の供養方法は主に5つ
- 従来の継承墓の平均相場は約100万~200万円
- 夫婦墓を選ぶなら納骨堂がおすすめ!平均相場は1人50万円程度(東京都内)
- 永代供養してもらえる樹木葬の平均相場は10万~80万円程度
- 手元供養の平均相場は数千円~5万円程度
- 海洋散骨の平均相場は20万~30万円程度
- お墓を建てるときは、あとでトラブルにならないよう、まず親族に相談する
- 墓地を探したら永代使用料を払い、石材店を選定し墓石を注文する
- 従来型のお墓は主に「和洋墓石」「洋型墓石」「デザイン墓石」の3つ
- 墓地には「寺院墓地」「民営墓地」「公営墓地」の3種類がある
墓地の種類 | 運営 | 管理 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|
寺院墓地 | 宗教法人寺院など | 寺院 | ・手厚い供養 ・法要時に依頼しやすい | ・檀家として費用負担が増える ・石材店が指定されていることが多い |
民営墓地 | 宗教法人など | 民間企業など | ・宗派など問われず自由度が高い ・きれいに管理されている | ・土地開発や管理にお金がかかっているため管理費などが高め |
公営墓地 | 自治体 | 自治体 | ・費用が安価 ・運営が自治体なので安心 | ・公募で抽選に当選しないと利用できない ・自治体によって、その自治体に住んでいるなど利用条件がある |
大切な人や先祖の供養はできるだけしたいと考えている人は多い傾向です。
しかし、その際にネックとなる一番の要因は経済的負担の問題といえます。
供養はしたいけど、自分の生活がままならないような状態では、先祖は決して喜んでくれているとはいえないのではないでしょうか。
従来型のお墓を建てる場合はどうしても200万円前後の費用が必要になる傾向です。
自分の身の丈に合った供養方法というものが選べる時代になっています。
そのため、一定のマナーを理解したうえで自分たちにあった供養方法やお墓を選んでいきましょう。
自分にピッタリのお墓タイプを選ぶ
お墓選びに重要なポイントは「立地」と「価格」です。
「ぴったりお墓診断」を使って、近隣のお墓をチェックしてみましょう。
4つの質問で見つかる!
Q. お墓は代々継いでいきたいですか?
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
お墓の形は多様化していますが、お墓は生きた証を後世に伝える装置でもあると思います。多くのお墓が史跡として残され、お墓にその時代や当人を紐解くヒントが示されていることもあります。日本のみならず、海外でも偉人のお墓参りは人気があります。例えばウイーン中央墓地は、モーツアルト、ベートーベン、シューベルトなど、クラシック界の巨匠のお墓が数多くある名所として訪れる人は後を絶たないと言われています。