樹木葬とは?購入前に知りたいメリット・デメリット・費用を解説
樹木葬の特徴
- 樹木葬とは、墓石の代わりに樹木・草花などの植栽が用いられたお墓です。
- メリットは永代供養がセットになっていること
- デメリットは埋葬人数によっては高額になりやすいこと
- 樹木葬には様々なバリエーションがある
- 樹木葬の費用相場は20万~80万円
樹木葬は、ここ数年で人気が高まってきているお墓です。
普及が進んではいますが、地域によってはまだ樹木葬があまり多くないエリアもあります。
まずは、ご自宅近くに樹木葬があるのか探してみましょう。
4つの質問で見つかる!
Q. お墓は代々継いでいきたいですか?
近くの樹木葬ができる墓地・霊園・お墓を見てみる
樹木葬の購入を検討されている方は、以下より希望エリアの霊園・墓地情報を検索することができます。
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この記事の目次
樹木葬とは?
樹木葬(じゅもくそう)とは、墓石の代わりに樹木を用いたり、納骨場所の周りに草花が植えられたりするお墓のことです。
遺骨は樹木の根本に納骨し、お墓参りのときには、目印である樹木に向かって手を合わせます。

記事の解説者
株式会社いせや
水落 寛子さん
これまでの樹木葬取り扱い実績約4千件を誇る、石材店「株式会社いせや」の営業担当。
約9年間、日々お客様の声を聞き、寄り添ってきたことで、お墓選びの現場のリアルを知る。
現在もお客様との「繋がり」を大切に、営業として最前線で活躍中。

水落さん
ここ数年で「樹木葬」を希望されるお客様は確実に増えました。いまや樹木葬はポピュラーなお墓タイプの1つとなってきています。
樹木葬にも様々な形がある
ひとえに樹木葬といっても、その見た目は様々です。
いくつか雰囲気の異なる樹木葬を紹介します。

ガーデニング風の樹木葬
まるで西洋の庭園を思わせるような明るい樹木葬です。

日本庭園風の樹木葬
落ち着いた和の雰囲気が感じられる樹木葬です。

里山の中にある樹木葬
自然に還るを体現した里山の中にある樹木葬です。

デザイン性の高い樹木葬
彩り豊かなお花や石材を用いた樹木葬です。
樹木葬は 承継者のいらない「永代供養」が一般的
樹木葬の一番の特徴は、お墓を子世代に引き継ぐ必要のない「永代供養」であることです。
夫婦2人のお墓として、単身のお墓として、樹木葬を検討される人が多くいらっしゃいます。
実際にライフドットで「樹木葬」を検討している人は、遺骨を納める人数が2人という人が一番多い結果となっています。

水落さん
現場でお客様の対応をしていても、1人・2人で希望される人が多い印象です。
しかし中には3人・4人で検討される人もいらっしゃいます。 ご両親と、結婚されていない息子さん・娘さんと一緒ご契約されるケースは多いですね。
樹木葬の場合、最初は個別に納骨されても、定められた期間を過ぎると「合葬(他の人の遺骨と一緒に納骨)」される形が多くなります。
樹木葬がおすすめな人・樹木葬をおすすめできない人
樹木葬に向いている人
- 1人・2人など限られた人数のみで使用したい人
- 代々お墓を継いでいくことが難しい人
- 植物が好きで自然志向の人
時代の流れとしても「少子高齢化」が進んでおり、お墓を代々継ぐことが難しいご家庭が増えています。自分たちの代・両親の代だけのお墓にしたいという人に、樹木葬は向いています。
樹木葬に向いていない人
- 子世代・孫世代にお墓を継いでいきたい人
- 樹木葬を「仮のお墓」にしたいと考えている人
お子さん・お孫さんがたくさんいらっしゃる人は、樹木葬ではなく「自分が建てたお墓にみんなで入る」選択をすることが多いでしょう。
また樹木葬はご遺骨を埋葬するにあたり「粉骨」するケースや、後日遺骨を取り出すことができないケースもあるため、一時的な「仮のお墓」には向きません。
あなたにあったお墓を見てみる
実際にお墓を調べてみたい方は、こちらから4つの質問をもとにあなたにあったお墓を検索できます。
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Q. お墓は代々継いでいきたいですか?
樹木葬の費用相場は20万~80万円ほど
樹木葬の費用相場は約20万~80万円です。
以下のグラフはライフドットから樹木葬を購入した人の金額目安となっています。
金額は納骨人数によって上下します。
1人用であれば20万~40万円程度
2人用であれば60万~80万円程度
3人以上用であれば80万円~
といったように、納骨人数が増えるほど金額も高くなることを認識してください。

水落さん
樹木葬の価格は霊園によって異なります。
弊社の場合は、1人当たりの平均価格が 50万円前後です。アクセスの良し悪しによって、20万円~80万円ほどの幅があります
参考までに、墓石を使った個別墓を建てようとすると、100万~350万円程度かかります。樹木葬の利用が1人・2人であれば、一般墓よりもお求めやすいので、抵抗なく購入される人が多いようです。
樹木葬の費用に含まれているもの
樹木葬の費用の中には、以下のようなものが含まれていることが多いです。

使用料
樹木葬の土地を使用するためのお金です。

プレート代・彫刻料
樹木葬の目印となるプレートとその彫刻料です。

苗木代
樹木葬の目印となるシンボルツリーにかかるお金です。

納骨費用
遺骨を納骨する時にかかるお金です。

専用骨壺代
遺骨を専用の骨壺に納める場合にかかる費用です。

維持・管理費
樹木の手入れ等、霊園の維持・管理にかかるお金です。

水落さん
なお金額の詳細については、霊園の資料請求・電話を通して確認してください。 霊園によっては、インターネットに掲載している金額に追加でお金が必要になることもあります。
私も実際にお客様から「提示金額に追加はないですか?」と質問を受けることはよくあります。 不明な点はためらわず、ご質問ください。
【実例】樹木葬の費用見積もり
実例を見てみましょう。
【37.9万円】1人用のガーデニング風樹木葬

- 1人用
- 個別墓「凛」りん
- やすらぎの花の里 所沢西部霊園
永代使用料 | 280,000円 |
---|---|
管理料(初回のみ) | 33,000円 |
基本彫刻料 | 22,000円 |
埋葬費 | 33,000円 |
施設維持管理料金 | 11,000円 |
総額:37.9万円(税込)
※樹木葬の費用についてさらに詳しく知りたい人は以下の記事をご覧ください。
また実際にお近くの樹木葬を探してみたい人は、こちらから探すことができます。
樹木葬を探す
費用について頭に入れていただいたところで、続いては樹木葬のメリット、デメリット、購入前の注意点の解説です。
お墓は数十万円以上の高い買い物ですから、契約してから後悔することは絶対に避けたいですよね。
樹木葬のメリット・デメリット・購入前の注意点

水落さん
まずはお客様から耳にする樹木葬のマイナス意見・デメリットをまとめました。なお私の経験上、以下の注意点をご確認いただければ、実際にトラブルに発展するケースは見られません。購入を検討されている人は、一度ご覧ください。
デメリット1. 粉骨必須の霊園がある
都内は特にスペースの関係上、粉骨を余儀なくされる場合が多いです。
粉骨は避けたいというお声もありますし、遺骨を全て納骨するのではなく、一部手元に残して納得される方もいらっしゃいます。
デメリット2. 遺骨の取り出しが難しいことがある
樹木葬のコンセプトの一つに「自然に還る弔い方」があり、遺骨を骨壺から取り出して土に還す供養法がよく見られます。
その場合、遺骨を後から取り出したくても不可能なケースがあります。
遺骨の取り出しの有無は、埋葬形式によっても異なります。気になる人は霊園へ問い合わせをしてみましょう。
△ 取り出し不可のこともある 遺骨を土に直接埋める | 〇 取り出し可能なことが多い 遺骨をカロート(納骨室) の中に納める |
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✖ 取り出し不可能 合葬(合祀) |
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デメリット3. 家族みんなで使用するには狭い・またお金も結果的に高額に
1人・2人で入る分にはスペースに問題はないが、家族みんなで入ると狭いという意見も。
また納骨人数が3人以上と多くなると、総額が高くなり、一般墓の価格を上回るケースも見られます。
デメリット4. 季節によって景色が変わる
植物を使っているため、見た目が寂しくなる季節があることは仕方ありません。
冬場に葉が落ちることも自然の一部であることを理解していただき、ご利用いただいています。
ただし「それだと故人が可哀そうだ」という人は、普遍的な「石」を目印にしたお墓に変えられるケースが多いです。
デメリット5. 家族・親戚に理解されないことがある
樹木葬の認知度はここ最近高まっていますが、今でも一般墓が主流な地域は多く存在します。
家族・親戚の意見を踏まえて、樹木葬から別のお墓に変えられるお客様もいます。

水落さん
以上5点を紹介しました。最後のポイントとして記載した「家族への相談」はとても大事です。 ご両親が樹木葬を買おうとしたが、息子さん・娘さんから「ちょっと待った」とストップが入る場面は、実際に目にしたことがあります。
子供たちへの負担をなるべく軽減させたいから樹木葬、と考えられる人も多いですが、 子供の意見としては「本当はお墓を継ぎたかった…」ということもあります。トラブルに発展してしまうケースもありますから、必ず家族・親戚に事前に相談しましょう。
続いては、メリットの紹介です。年々「樹木葬」を希望するお客様が増えている背景には、どんな利点があるのかを見ていきましょう。
メリット1. 永代供養なので承継者が必要ない
1番メリットに感じる人が多い点としては「永代供養がついている」ことでしょう。
樹木葬は承継者の必要がないお墓がほとんどです。お墓を次の世代に継ぐ負担・管理する負担を軽減することができます。
メリット2. 人数が限られていれば一般墓よりも費用が節約できる
一般墓の場合100万円~350万円が契約時に必要となり、かつ年間管理費が毎年5,000円~1万円ほどかかります。
それと比べ樹木葬の場合1人当たり50万円前後が一般的ですから、人数が限られていれば費用が削減できます。
お墓に余分なお金をかけたくない…と考える人にとって、樹木葬は経済的な負担も軽減できるでしょう。
メリット3. 緑が多く明るい雰囲気がある
樹木葬は従来の一般墓と比べると、明るい雰囲気の空間で、納骨することができるでしょう。
各霊園によって雰囲気は様々ですが、木々や花々に囲まれた区画が多いといえます。
いわゆる墓石が所狭しと並ぶ「一般墓」と比べると、開放的な印象を持てるのではないでしょうか。
メリット4. 寺院墓地でも「宗教不問」が多い
樹木葬の場合、「宗旨・宗派不問」であることが多いです。
具体的には「浄土宗の人しか納骨できない」「キリスト教の人は納骨できない」といったことが無いということです。
お寺で一般墓を建てる場合、そのお寺の宗旨・宗派に則って供養をする必要があったり、入檀義務があったりするケースがあります。
ただし、多くのお寺の中にある樹木葬では、一代限りの檀家という形式や、宗教・宗派を不問にして檀家にならなくていい形式をとっています。
入檀のことを気にせず寺院墓地を利用できるのは、メリットと言えるでしょう。
※ただし中には入檀義務のある寺院墓地の樹木葬もあるため、注意をして事前に確認しましょう。
ライフドットでは電話での相談を受け付けています。もしご不安な点がればお問合せください。また全国の樹木葬を探すこともできます。
以上、樹木葬のメリット・デメリット・購入前の注意点を紹介しました。
全国の樹木葬ができる墓地・霊園・お墓を探してみる
ライフドットでは全国8,700以上の霊園を掲載しています。ご希望エリアの樹木葬を探してみてください。
樹木葬を探す
また樹木葬と似た特徴を持つ「継承不要・安い供養方法」は記事の後半で紹介しています。もしデメリットや注意点を見る中で、他のお墓タイプも検討したい、という人がいらっしゃいましたら、ご覧ください。
次の章では、全国にある人気の樹木葬ランキングを紹介します。樹木葬の特徴や魅力はわかったけれど、実際にどんな樹木葬が人々に選ばれているかはわからない…という人も多いのではないでしょうか。
全国のおすすめ樹木葬霊園を紹介
全国の樹木葬がある霊園を、地域別で紹介いたします。
【東京都】小平ふれあいパーク
都市型ガーデニング霊園の「小平ふれあいパーク」は、利便性に優れていながらも、喧噪を忘れることができる自然豊かな環境が人気の樹木葬です。
西武新宿線「小平駅」から徒歩約7分の好立地にあります。駅から徒歩で行けるので、もしも将来、車の運転をしなくなったり、自家用車を手放したとしても、無理なくお墓参りに通うことができます。
東京都で樹木葬をお探しの人は「東京都のおすすめ樹木葬」の記事もご覧ください。
【埼玉県】秋津ふれあいパーク
埼玉県で人気の「秋津ふれあいパーク」です。
「バラの樹木葬ダイアナ」は、まるでバラ園のようにたくさんのバラが咲き誇ります。ウッドデッキのテラススペースもあり、ここに来るとゆったりとした時間を過ごすことができるでしょう。
埼玉県で樹木葬をお探しの人は「埼玉県のおすすめ樹木葬10選」の記事もご覧ください。
【大阪府】大應寺浄苑
大阪市内にある樹木葬では「大應寺浄苑」を紹介します。近隣の6駅から徒歩圏内というアクセスの良さが人気の理由です。
約400年の歴史がある大應寺にある樹木葬。お寺の由緒正しい雰囲気を好む人は一度ご覧ください。
- 所在地
- 大阪府大阪市天王寺区餌差町3-15
- 霊園種別
- 寺院墓地 /
- 宗旨宗派
- 宗教不問
- 区画種別
- 永代供養墓/樹木葬/納骨堂
- 参考価格
- 8万円~
大阪府で樹木葬をお探しの人は「【2023年版】大阪の樹木葬15選!費用・立地・口コミで選べる永代供養のお墓」の記事もご覧ください。
【京都府】建仁寺 両足院 樹木葬
観光で訪れる人も多い「建仁寺」にある樹木葬です。
有名なお寺で眠るのもいいかもな…という人にはピッタリな樹木葬です。
京都府で樹木葬をお探しの人は「【2023年版】京都の樹木葬15選!費用・立地・寺院の宗派で選べる永代供養のお墓」の記事もご覧ください。
【ピックアップ】ペットと一緒に入れる樹木葬もある
樹木葬は比較的自由で、ペットの遺骨と一緒に埋葬してもらえる場合もあります。ライフドットでは「ペットと一緒に入れるお墓」を絞り込んで検索できますから、ご希望の人は探してみてください。
都道府県一覧から樹木葬を探す
さまざまな樹木葬の種類を見ていただいたうえで、希望エリアにはどんな種類の樹木葬があるのだろう?と気になった人は、以下から検索することができます。
樹木葬を探す
続いて、樹木葬の検討段階から埋葬するまでの流れについて解説します。
樹木葬の申し込みから納骨までの流れ
樹木葬の申込~納骨までの流れは以下の通りです。
- 気になる霊園の資料請求・予約をする
- 霊園の見学をする
- 納骨式の日取りなど僧侶と打ち合わせ
- 「埋火葬許可証(火葬済証明付)」の準備
- 納骨式と納骨
なお、気になる霊園の資料請求・見学については、生前に行われる方も多くいらっしゃいます。
納骨式の日取りの打ち合わせより先は、葬儀を執り行われた後に踏む手順となります。
気になる霊園の資料請求・予約をする
まずは、色んな霊園の資料を集めて、検討する必要があります。
お墓は基本的には自分ひとりの問題ではありません。今後そのお墓を管理する家族のためにも、よく検討をしておくべきです。
資料の集め方は、霊園に直接電話などで依頼したり、ネットでそのまま請求したりします。
霊園の見学をする
実際に眠る場所なので、見学することをお勧めします。予約が必要な可能性があるため、事前に気になる霊園は問合せましょう。
霊園によって対応は違いますが、自分の目でしっかり確認することが大事です。案内人がいる場合は、疑問点・不明点をすべて聞けるとよいでしょう。
見学時のチェックリストについては「霊園見学で確認すべき7つのポイント」をご覧ください。
納骨式の日取りなど僧侶と打ち合わせ
霊園や墓地での契約後には、納骨に関する打ち合わせを行います。基本的にはその霊園の事務所の人が、話を進めてくださるでしょう。
納骨は葬儀の方法にもよりますが、まずは僧侶と打ち合わせをする必要があります。通常は葬儀でお願いした僧侶に納骨式も依頼するため、早めに日取りや方法について調整しておきましょう。
「埋火葬許可証(火葬済証明付)」の準備
日本では遺骨を許可なく勝手に納骨することは法律によって禁じられています。遺骨を納骨する際には、火葬を終えたことを証明する埋火葬許可証が必要です。
死亡が確認されたあと、医師に作成してもらった死亡届、死亡診断書を、故人の住所地の自治体に提出します。自治体はこれをもって、埋火葬許可証を発行してくれます。
これは「埋葬」つまり土葬か、火葬を許可するための書類です。火葬許可証は、遺体を火葬する際に必ず必要な書類で、これがないと火葬することはできません。火葬が終わると、この火葬許可証は火葬が済んだことが記されて、遺族に渡されます。これがそのまま埋葬許可証となると説明されることもありますが、埋葬は墓地埋葬等に関する法律では土葬を意味しますので厳密には間違いです。多くの墓地では焼骨の埋蔵を受け付けていますので、焼骨であることを証明するために、火葬済証明が付いた埋火葬許可証が必要となとなるわけです。
この埋火葬許可証(火葬済証明付)は、遺骨を納骨する際に、霊園の管理者や寺院の僧侶などに提出します。 なお、すでに石のお墓があってお墓の引っ越し(改葬)先として樹木葬を考えている場合は、改葬許可証などその他必要な手続きがあります。
改葬については、「改葬とは?費用相場や手順・お墓の引越しにまつわるQ&Aを解説」の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
納骨式と納骨
樹木葬の場合は、霊園によって納骨の方法はさまざまですが、納骨式については、通常の供養方法と同じように行います。そして僧侶に読経を行ってもらいます。
樹木葬と似た条件の供養方法
樹木葬以外でも、樹木葬と似た特徴を持つ供養方法はいくつか存在します。
ここでは「継承者が不要」「価格が比較的安い」が当てはまる埋葬方法を紹介します。
【承継者不要&低価格】納骨堂
樹木葬に興味を持たれている人が、一番よく同時に検討されるのが「納骨堂」です。
納骨堂は室内の納骨施設で、墓石を用いないため費用が安く抑えられる傾向にあります。
また永代供養がついた継承者不要であることが一般的です。
詳しくは「納骨堂の費用・種類・特徴を比較!お墓との違いや注意すべき点とは?」をご覧ください。
【3名以上の納骨をするなら】永代供養がついた一般墓
はじめの数十年は一般的な個人墓で弔い、契約期間が切れたら供養塔や合祀墓に合祀されるタイプの永代供養墓があります。この永代供養墓の相場は70万~150万円ほどです。
樹木葬を検討している人でも、3名以上でお考えの場合、永代供養付き一般墓の方が安くなるケースも見られます。
詳しくは「「永代供養」とは?費用・メリット・デメリットをわかりやすく解説」をご覧ください。
【自宅近くで見つけやすい】合葬墓・合祀墓
お寺にある供養塔や合祀墓に、他の人の遺骨と一緒に埋葬されるタイプの永代供養墓の相場は、3万~30万円ほどです。
費用は、樹木葬の合祀墓タイプとさほど変わりませんが、墓石を使った一般的な合祀墓のほうが圧倒的に多いため、近所にも見つかる可能性が高いでしょう。
詳しくは「合祀墓の費用相場は3万円~30万円!メリット・デメリットも解説」をご覧ください。
【新しいスタイルの供養】海洋散骨
供養方法の1つとして「海洋散骨」というものがあります。
その中でも一家で船をチャーターし、ゆったりしたプライベートな時間を過ごせるのが個人散骨です。個人散骨の費用は30万円ほどとなります。
散骨について詳しく知りたい人は、「散骨は法律上問題ない!守るべきマナーや流れを紹介」の記事を参考にします。
また理想のお墓を考えるのが難しい…という人は、【初心者向け】お墓のかしこい探し方|図版で要点をわかりやすく解説」 をご覧ください。お墓の選び方についてわかりやすく解説しています。
まとめ
樹木葬は、自然に還るという意味では散骨と同じですが、拝むべきお墓が残るという点で違います。
どんな弔い方を選ぶかは、人それぞれです。さまざまな選択肢を考慮したうえで、最も納得のいく弔い方を選びましょう。
なお、樹木葬が行える霊園・墓地は、墓地不足が問題視されている人口の多い都市部を中心に増えていくと考えられています。なぜなら、1つの樹の下で複数の人が眠ることができるため、通常のお墓よりも必要な土地の広さが小さくて済むからです。
また、「お墓にそこまでお金をかけたくない」「自然に還りたい」といった新たなニーズも増えています。
このような社会背景から、樹木葬を行うことのできる霊園・墓地は増えていくでしょう。
監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子さん
日本で初めて樹木葬墓地が誕生したのは今から約30年前のこと。
特にこの10年で急速に広まり「樹木葬にしたい」という希望者は年々増加していますが、誤解も多く「イメージと違う」という意見も多々あります。
樹木葬といっても、樹木ではなく草花がシンボルとなっている墓もあります。
「自然に還る」イメージがありますが、骨壺を使用して納骨するケースや、一定期間過ぎたら取り出して別の場所に合葬するタイプの墓もあります。
一般墓所の壁際にひっそりと、端っこに追いやられているような形で樹木葬エリアが設置されているようなところもあります。
現在都市部を中心に人気のある樹木葬墓地でありますが、今後は各地で増加していくと考えられています。
樹木葬に関するよくある質問
この章では、樹木葬に関するよくある質問をまとめています。検討する際の参考にしてみてください。
- 樹木葬は何体納骨できますか?
- 樹木葬は何年納骨できますか?
- 樹木葬は1人につき、1本建ててもらえるのでしょうか?
- 樹木葬が今話題ですが、気を付けておいた方がいいことはありますでしょうか?
- 自然に還るイメージですが、遺骨はどのように納骨するのでしょうか?
- シンボルツリーの樹木が枯れた場合は、どうなるのでしょうか?
- 樹木葬では、どのようにお墓参りができますか?
- 寺院墓地の樹木葬を利用する場合「入檀義務」はありますか?
樹木葬は何体納骨できますか?
樹木葬は、納骨できるご遺骨の数が1体・2体などと決められている霊園が多いです。納骨可能な人数は、霊園によって異なります。
実際に樹木葬を検討している人は「2体」の納骨を考えている人が全体の46%と最も多い結果となりました。
樹木葬は何年納骨できますか?
樹木葬は、個別のスペースで納骨できる年数が決められている霊園が多いです。
よく見られるのは「17年」「33年」といった回忌法要のタイミングを納骨年数の目安としているケースです。また霊園の中には納骨期間が「1年」「5年」と短いところもあります。
期間が経過した後は「合祀」といい、他の人のご遺骨と一緒に納骨される形をとります。
樹木葬は1人につき、1本建ててもらえるのでしょうか?
1人(1区画)につき1本の樹木を建てる墓地は、広大な土地が必要となるため非常に稀です。基本的には、シンボルツリーとして大きな樹木1本の下に複数人が眠る形式です。また、さまざまな草花が植えられた土地の下に眠る形式もあります。
樹木葬が今話題ですが、気を付けておいた方がいいことはありますか?
樹木葬は自然に還るイメージで人気です。しかし、霊園の種類によっては骨壷のまま納骨をするために土中に還らないケースもあります。その場合は、通常のお墓と同じになってしまいます。また一度埋葬した遺骨が手元に戻らないケースもあります。
自然に還るイメージですが、遺骨はどのように納骨するのでしょうか?
樹木葬の納骨方法には2種類あります。遺骨をそのまま、もしくは粉砕して土中に直接埋める方法。または、石のお墓と同じように骨壷や骨袋に入れたまま埋める方法があります。霊園・墓地によって異なるため、確認が必要です。
シンボルツリーの樹木が枯れた場合は、どうなるのでしょうか?
樹木の植え替えが行われるケースがほとんどです。しかし、植え替え費用が年間管理費から支払われるのか、その際に徴収されるかは霊園・墓地によって異なります。契約する際に確認しましょう。
樹木葬では、どのようにお墓参りができますか?
樹木葬霊園には2つの種類があります。公園型(都市型)樹木葬霊園では、お供えものや線香を供えるスペースが設けられている霊園が多く、通常のお墓と同じくお供えをして手を合わせることができます。一方で、里山型霊園の場合は、自然のなかにあるため火気厳禁であるケースが多く、線香を上げられない霊園が多いです。また、どちらもお供え物は必ず帰る際に持ち帰ります。
寺院墓地の樹木葬を利用する場合「入檀義務」はありますか?
寺院墓地で一般墓を建てる時は、その寺院の檀家にならなければいけない(入檀義務がある)ケースが多いです。ただし、多くの寺院墓地にある樹木葬では、一代限りの檀家という形式や、宗教・宗派を不問にして檀家にならなくていいという形式をとっています。
有名なお寺で眠りたいけれど檀家は控えたいという人にとっては、寺院墓地での樹木葬は希望にそったお墓でしょう。
【コラム】樹木葬の歴史
日本で初めて樹木葬が行われたのは、1999年(平成11年)、岩手県一関市の祥雲寺(現在の知勝院)でした。里山の環境の再生と自然保護の観点から、墓石に替えて樹木を植樹し墓標としました。
この里山型の樹木葬は話題となり全国へと広まっていきました。しだいにその土地に合わせた、公園型やガーデン型などの、樹木葬が誕生したのです。
公営初の樹木葬は「横浜市営メモリアルグリーン」に誕生した
2006年には、横浜市の市営墓地メモリアルグリーンに初めての公営霊園で樹木葬が誕生しました。その後、都立霊園で初めての樹木葬が小平霊園で誕生し、その際の募集時には約16倍を超える応募があったと話題になりました。
概要項目 | 情 報 |
---|---|
開園年月日 | 平成18年9月1日 |
面積 | 管理区域面積:34,984㎡ |
所在地 | 神奈川県横浜市戸塚区俣野町1367-1 |
納骨施設 | 芝生型納骨施設:7,500区画 |
アクセス | JR横須賀線:戸塚駅 |
開園時間 | 【4月1日~9月30日】8:00~17:00 |
管理事務所の休日 | 1月1日、12月31日(但し、施設点検等により指定日以外に閉園することがあります。) |
公式サイト |
メモリアルグリーンでは実際に見学してアクセスや雰囲気の良さを確認することができます。
検討されている方は、実際に見学して具体的なイメージを持つところから始めているようです。