遺留分の請求は1年以内に!相続割合も合わせて解説
ポイント:自分の相続分がゼロという遺言であっても、子どもなどであれば一定の割合を相続できる「遺留分」がある。
遺留分というもの
だれがどのように相続するかを決めるにあたり最も優先されるのが遺言ですから、遺言書に書かれているとおりに相続するのが原則です。
しかし、遺言によっても奪えない相続分があります。これが「遺留分」です。遺言書が自由に書けるといっても、あまりに不公平な遺言で相続人の生活の安定を奪ってはいけないというのが遺留分の制度の意義です。
だれにどれだけの遺留分があるかは法律によって定められています(下図)。
計算してみて、自分の遺留分に満たない相続分しか指示していない遺言であったなら、その遺言は〈遺留分を侵害している〉ことになります。
1年以内に「遺留分減殺請求」をおこなう
ところで、「自分は遺留分も特に欲しくない」という相続人もいるはずです。そこで、遺留分を求めるか否かは、あくまで遺留分を侵害された相続人自身の判断にまかされています。
ですから、遺留分を侵害する遺言に異存がなければ何もする必要はありません。
反対に遺言に異論があって、「遺留分に相当する部分は相続したい」という相続人は、意思を表明してはじめて遺留分を維持することができます。
これを「遺留分減殺請求」といいます。自分の遺留分が侵害されていることを知ったときから1年以内に請求をする必要があります。
遺留分とは?
■参照元
改訂増補 親の葬儀とその後事典
---------------------------------
平成20年9月30日 旧版第1刷発行
平成29年5月26日 改訂版第1刷発行
著 者:黒澤計男 溝口博敬
発行者:東島俊一
発行所:株式会社法研