葬式で着る服装の選び方!喪服の違いや身だしなみマナー
あなたは自分の喪服を持っていますか?
靴やバッグ、数珠など、お葬式にふさわしい持ち物を用意できていますか?
お葬式は突然に起こるものです。社会人になれば、もしもの時のためにお葬式の用意をしておきたいものです。
しかし、季節や状況、立場によって、用意するものは異なります。例えば、夏場の葬儀と冬場の葬儀、急な知らせで通夜に弔問する時と、葬儀に参列する時では、装いのマナーは異なります。
また、子連れで参列することになった場合には、子供の服装も考えなくてはいけません。今回は、さまざまなシーンに適した喪服や持ち物についてご紹介したいと思います。また、喪服をもっていない人には必見の喪服選びのポイントまでお教えいたします。
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この記事の目次
喪服とは
喪服とは、喪中に着る衣服で、亡き人を悼む気持ちを表します。 元々は遺族だけが身に付けるものでしたが、現代では、遺族も参列者も同様に喪服を着用します。最近では、黒の礼服が一般的で、通夜、葬儀、法事など弔事の式典の際に用います。
正喪服/準喪服/略喪服の違い
喪服には格式があり、格式の高い順に、正喪服、準喪服、略喪服となりますが、どれを着用するかは、その人の立場や状況によって異なります。では、それぞれの喪服の違いについて見ていきましょう。
正喪服
正喪服は、喪服の中で最も格式の高い服装です。
葬儀・告別式当日に、喪主や遺族、葬儀委員長が着用します。
男性の場合
和装
- 服装
黒羽二重の染め抜き五つ紋付きの羽織、仙台平か博多平の袴 - 履物
白足袋、畳表付の草履
※扇子は不要
▼ 洋装
- 服装
モーニングコート、白無地Yシャツ、黒ネクタイ - 靴
黒の革靴(ストレートチップかプレーントゥ)
※モーニングコートは通夜には着用しない
※モーニングコートのベストについている白襟は外す。
女性の場合
▼ 和装
- 服装
黒無地の染め抜き五つ紋付の着物、黒帯 - 履物
白足袋、黒草履
▼ 洋装
- 服装
黒のフォーマルドレス(スーツ、アンサンブル、ワンピースいずれでもよい) - ストッキング
黒 - 靴
黒のパンプス
※フォーマルドレスは装飾の少ないシンプルなものが好ましい。袖は長袖か七分袖、スカートは膝丈以上。
※パンプスは、ヒールが低く飾りや金具のないもの。
準喪服
準喪服は、正喪服に準ずる格式の喪服で、通夜、葬儀、法要などあらゆる弔事の場面で用いられます。最近では、喪主を含め遺族も参列者も準喪服を着用することが多く、一般的な喪服といえば、準喪服にあたります。
男性の場合
- 服装
黒のフォーマルスーツ、白無地Yシャツ、黒無地ネクタイ - 靴
金具のない黒の革靴
※スーツは、シングルでもダブルでもよい。
女性の場合
- 服装
黒のフォーマルドレス(スーツ、アンサンブル、ワンピースいずれでもよい) - ストッキング
黒 - 靴
黒のパンプス
※フォーマルドレスは、フリルやリボンなど控えめな装飾があってもよい。袖は長袖~五分袖、スカートは膝丈以上。
※パンプスは、ヒールが低く飾りや金具のないもの。
略喪服
略喪服は、礼服ではない地味目の服装で、仮通夜、通夜、三回忌以降の法要などで着用します。通常の喪服には、前もって準備していた印象があるため、通夜の前に伺う時や、場合によっては通夜の際にも、略喪服で参列することがあります。
男性の場合
- 服装
黒・紺・濃いグレーなど地味目のスーツ、白無地Yシャツ、地味目のネクタイ - 靴
金具のない黒の革靴
※スーツは、目立たない柄であれば可。
女性の場合
- 服装
黒・紺・濃いグレーなど地味目のスーツやワンピース - ストッキング
黒か肌色 - 靴
黒のパンプス
※洋服は、目立たない柄であれば可。
※パンプスは、ヒールが低く飾りや金具のないもの。
失礼にあたらない参列する式に合わせた服装
弔事の装いといえば、ブラックフォーマルですが、厳密にいうと、それぞれのシーンでふさわしい服装が異なります。遺族に失礼のないよう、状況に応じた装いを心がけましょう。
仮通夜
仮通夜は、必ず行われるものではありませんが、本通夜とは別に、故人が亡くなった日の夜、近しい身内が集まって故人を見守るものです。場合によっては、僧侶を招き、枕経をあげてもらうこともあります。
仮通夜に招かれた際は、略喪服といわれる地味目の平服で弔問するのがマナーです。喪服を来て伺うと、不幸を予期して準備していたという印象を与え失礼にあたるとされます。
男性の場合
略喪服(黒・紺・濃いグレーなど地味目のスーツ、白無地Yシャツ、地味目のネクタイ、黒靴下、黒革靴)
女性の場合
略喪服(黒・紺・濃いグレーなど地味目のスーツやワンピース、黒か肌色のストッキング、黒パンプス)
通夜
かつては、通夜に喪服を着ていくと前もって準備していたようで縁起が悪いと、平服で弔問するのがマナーでした。
しかし、最近は、葬儀より通夜に弔問する人が多く、通夜が夜の告別式と化しているため、通夜でも準喪服で弔問するのが無難です。しかし、急な知らせで弔問する場合は、地味目の平服でかまいません。
男性の場合
準喪服(黒のフォーマルスーツ、白無地Yシャツ、黒無地ネクタイ、黒靴下、黒革靴)
※急ぎの場合は、黒、紺、濃いグレーなど地味目の無地スーツに、地味目のネクタイでよい。
女性の場合
準喪服(黒のフォーマルドレス、黒ストッキング、黒パンプス)
※急ぎの場合は、黒、紺、濃いグレーなどの地味目のスーツやワンピースでもよい。
葬儀・告別式
葬儀・告別式には、準喪服を着用するのがマナーです。取り急ぎ駆けつけたという印象よりも、お悔やみの気持ちを表して、きちんと身だしなみを整えることが大切です。
男性の場合
準喪服(黒のフォーマルスーツ、白無地Yシャツ、黒無地ネクタイ、黒靴下、黒革靴)
女性の場合
準喪服(黒のフォーマルドレス、黒ストッキング、黒パンプス)
冬場に参列する場合
冬場のお葬式では、コートなどの防寒具や、寒さ対策についての問題がでてきます。冬場特有の喪服のマナーについてご紹介します。
男性の場合
準喪服(黒のフォーマルスーツ、白無地Yシャツ、黒無地ネクタイ、黒靴下、黒革靴)
※防寒対策は、見た目に分からないようインナーなどで対応。
女性の場合
準喪服(黒のフォーマルドレス、黒ストッキング、黒パンプス)
※ジャケット付きのアンサンブルかスーツが適当。
※防寒対策は、見た目に分からないようインナーなどで対応。
※ストッキングでなく黒タイツでもよい。
コート
礼装用の黒のコートか、黒、紺、ダークグレーなどの普段使いの地味目のコート
※革や毛皮のコートはNG。
※ファーがついているものは外す。
※カジュアルすぎるもの、派手な色合いや光沢感のあるものは避ける。
※雪の多い地域や、特に寒い時には、ダウンコートを着るなど、身を守ることを優先する。
その他防寒対策
- インナー
保温性の高い下着を着用。 - 靴
積雪のある地域などは黒の長靴やショートブーツでも可。 - 手袋
黒っぽい地味なもので、式場に入る前に脱ぐ。 - 傘
黒っぽい地味なものか、透明のビニール傘。 - その他
カイロを持つ。黒のひざ掛けやストールを持参してもよい。
お葬式のマナーを守ることは大切ですが、体調を崩したり、怪我のもとになったりしてはいけません。礼節を重んじながらも、型通りのスタイルではなく、状況に応じた装いで参列しましょう。
夏場に参列する場合
最近の夏は30度を超える日がほとんどで、熱中症に注意する必要もありますが、弔事の席では、暑くてもきちんとした礼装をするのがマナーです。
最近は、葬儀専門の会館でお葬式を行う人が多く、式場内は冷房が効きすぎてかえって冷えてしまうこともあります。特に女性は、冷房対策もしておきましょう。
男性の場合
準喪服(黒のフォーマルスーツ、白無地Yシャツ、黒無地ネクタイ、黒靴下、黒革靴)
※夏場でもジャケットを着用するのがマナー。
※夏用の喪服があるとよいが、裏地のあるオールシーズン用でもよい。
※Yシャツの袖は長袖が正式。
女性の場合
準喪服(黒のフォーマルドレス、黒ストッキング、黒パンプス)
※ワンピースのみでも可。ジャケット付きのワンピースが温度調整に便利。
※ワンピースの袖は、七分丈か五分丈。
※ストッキングは夏場でも黒を着用するのがマナー。
子供が参列する場合の服装
子供と一緒にお葬式に参列することになった時、子供の喪服を用意する必要はあるのでしょうか?靴は普段のスニーカーでよいのでしょうか?弔事の際、子供にどのような服装をさせればよいか、ご紹介します。
学校の制服がある場合
学生服がフォーマルな装いとなりますので、お葬式の参列にも学生服がふさわしいです。リボンやネクタイが赤などの色でも外さずそのままでかまいません。
学校の制服がない場合
- 男子
白いYシャツやポロシャツに黒、紺、グレーなどの地味なズボン - 女子
白いブラウスに黒、紺、グレーなどのスカート、または、ワンピース
※冬場は、黒、紺、グレーなどのセーターやカーディガンを着るとよい。
最近は、入学式や卒業式用に子供用のフォーマルウェアを購入される方も多いですが、中には華美なものも多く、お葬式の場に不向きなものもありますので気をつけましょう。
子供の靴
中学生以下であれば、ふだん学校に履いていく靴でかまいません。スニーカーでも問題ありませんが、色柄が派手なものや、ローラースケートがついているものなどは控えましょう。高校生以上になれば、黒のローファーがよいでしょう。
乳幼児の服装
普段の服装でよいですが、落ち着いた色柄を選びましょう。赤ちゃんの場合、いつもと違う環境の中で過ごすことになりますので、お気に入りのタオルやおくるみなどを持っておくと安心です。
また、乳幼児用の靴によくある音の出るものは、式典の迷惑になりかねませんので避けましょう。
ブラックフォーマルの選び方
社会人になれば喪服も1着は持っていたいものですが、どういったものを買えばよいのでしょうか?ブラックフォーマルの選び方をお教えします。
男性の場合
▼ 季節
最初の1着としてはオールシーズン用のものがよい。
夏用の裏地なしの夏用喪服をもう1着持っていると安心。
- スーツ
シングルでもダブルでもよい。 - サイズ
アジャスター付きのズボンなど体型の変化に対応できるもの。 - デザイン
細身のスーツなど、流行のスタイルは避ける。
女性の場合
▼ 季節
最初の1着としてはオールシーズン用のものがよい。
- スタイル
ワンピースに上着のアンサンブルタイプがおすすめ。
夏場はワンピースで、秋・冬は、上着とあわせて着用できる。 - デザイン
リボンやフリルなど控えめなデザインなら可。
ただし、遺族として着用する場合を考えると、飾りのないシンプルなものが適当。
参列者が葬儀に持っていくものと選び方
喪服の準備が整ったら、お葬式に欠かせない持ち物を準備しましょう。バッグや数珠、ふくさなど、小物類の選び方についてご紹介します。
カバン・バッグ
男性は、基本的にカバンをもたず、ハンカチ、ふくさ、財布などは、スーツのポケットに入れておくのが通常です。会社帰りに参列する場合、黒無地のビジネスバッグなら許容範囲ですが、葬儀会場のクロークなどに預けておくのが無難です。
女性は、フォーマル用の布製で光沢のない黒いハンドバッグがマナーです。リボンやラインなど控えめな装飾は問題ありません。荷物が納まらない場合は、布製の黒色のサブバッグを持ちます。
数珠
仏式の葬儀に必要です。男性用と女性用があり、男性用は菩提樹や天然石を用いた大きめの玉、女性用は水晶などの天然石を用いた小ぶりの玉です。
香典
一般的に黒白か双銀の水引の不祝儀袋を使用します。お金は中袋にいれ、額面と住所、氏名を明記した上で、外袋で包むのが丁寧です。持参する際は、弔事用のふくさに包みます。
ふくさ
ふくさは慶事用と弔事用があり、弔辞用はグレー、紺など地味な寒色系です。紫や黒の慶弔両用のものを1枚持っておくと便利です。
ハンカチ
白無地が基本ですが、黒、または、薄いピンクや薄い水色などでもかまいません。柄や刺繍があっても目立たなければ問題ありません。
腕時計
フォーマルな場には、白無地盤、黒革ベルト、三針時計がふさわしいといわれていますが、ビジネスシーンで用いるような時計であればかまいません。
金の時計、いかにも高級そうな時計、スポーティーなデジタル時計などは、お葬式の場にはふさわしくないので外しましょう。
アクセサリー
男性は、結婚指輪以外のアクセサリーはつけません。タイピンやカフス、ポケットチーフも不要です。
女性も、結婚指輪以外のアクセサリーは不要ですが、つける場合は、パールの一連のネックレスや、一粒タイプのイヤリング程度にとどめます。
持ち物や身だしなみで気をつけること
お葬式の場では、服装だけでなく、持ち物や髪型、メイクなど身だしなみにも気をつけましょう。
持ち物で気をつけること
下記のような持ち物は避けた方がよいでしょう。
- 華美なもの
- 光沢のあるもの
- 金具のついているもの
- 動物の革など殺生をイメージさせるもの
- カジュアルなもの
- デザイン性の高いもの
これらは全てお葬式にはふさわしくありません。
持ち物には、黒を基調とした地味でシンプルなものを選びましょう。
髪型について
弔事のヘアスタイルで大切なのは、男女共に、清潔感です。相手に不快感を与えないよう控えめに整えましょう。
男性の場合
髪が目や耳にかからないよう整えます。整髪料を用いる場合は、光沢の出るものや、香りの強いものは避けるのがマナーです。
女性の場合
髪が肩より長いからといって、必ずしも束ねなくてはいけないわけではありませんが、ロウソクや線香、焼香等、火を扱うシーンが多いため、まとめておいたほうが無難です。
メイクについて
派手なメイクは不要ですが、ノーメイクもいけません。アイシャドーや口紅の色味を抑えナチュラルメイクを心がけましょう。香水も不要です。
葬儀のときに相応しい化粧について詳しく知りたい人は、「通夜・葬式での化粧はここに気をつける!知っておきたい大人のマナー」の記事を参考にしてください。
派手なネイルについて
ネイルはNGです。手持ちのリムーバーで落としてから参列しましょう。自分でオフできずネイルサロンに行く余裕もない場合は、黒い手袋を着用したり、ベージュ系のマニキュアを上から塗ったり、目立たないように工夫しましょう。
焼香や食事の際には、手袋は外すのがマナーですので気をつけましょう。
この記事のまとめ
お葬式の場で大切なことは、故人に弔意を表すと共に、遺族に失礼のない振る舞いをすることです。社会人になれば、いつお葬式の知らせを聞いても困らないように、喪服やお葬式に必要な持ち物を用意しておきましょう。
ライフドット推奨
後悔しないお墓のために今から準備してみませんか?
終活といっても、生前整理、葬儀、お墓の検討などさまざまです。
そのなかでも「お墓」は、一生に一度あるかないかの買い物ですね。
- 自分のライフスタイルに合ったベストなお墓はどういうものなのか知りたい
- お墓選びで複雑な手順を簡単に詳しく理解したい
- お墓選びで注意するべきポイントを詳しく知りたい
など、数々の不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。
お墓の購入に関しては、初めての方が多いため、不安や疑問を持つことは仕方のないことでしょう。
しかし、お墓購入後に後悔することだけは避けたいですよね。
そのためにも複数の霊園・墓地を訪問して実際に話を聞き、しっかりと情報収集することをオススメします。
情報収集するために、まずは気になる霊園・墓地の資料請求をしてみましょう。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
昔は「喪服は何度も買うものではないので、10年~30年着用できるものが良い」とされていましたが、最近は量販店が増え、リーズナブルな商品もラインナップされていることから、あまり長期にわたる使用を考える必要がなくなりました。流行に左右されすぎなければ、デザインを重視して選んでも良いでしょう。3シーズンOKというのもありますが、四季がはっきりしている日本では、すべてのシーズン万能に着こなせる喪服はありません。喪服の出番が多いのは冬ですが、お盆で喪服を着用することもあります。春夏用、秋冬用の2パターン揃えておくと良いでしょう。