故人を偲ぶ「遺影写真」の選び方や生前撮影のポイントを紹介
どれだけ大切な人であっても、その姿の記憶は年月が経つと徐々に薄れていってしまいます。
そのような、どうしようもない「記憶の風化」を留める手段となるものが、「遺影写真」です。
葬儀の場にもつきもののこの遺影写真について取り上げていきます。
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遺影写真とは
遺影写真の起源は、日清・日露戦争にまでさかのぼることができると言われています。
戦時中の死を悼み、故人の写真や絵を思い出としたのがきっかけだったと考えられています。
また、当時は戦死者の姿が雑誌などにも載せられていたそうです。
今から100年以上も前から、すでに遺影写真の考え方はあったわけです。
今ではデジタルでの写真撮影が容易になり、写真技術も発達しています。
しかし写真自体がまだ今ほど一般的ではなかった時代、遺影写真は、まさに
「影を遺すためのもの」「生きてきた証を遺すもの」に他ならなかったことでしょう。
亡くなった人の記憶や姿かたちは、どれほどしっかりと記憶していこうと思っても、やがて徐々に薄まっていきます。
それは死を受け入れていく過程で必要なことなのかもしれません。
しかしいつまでも在りし日の故人を思い返すための手段として、遺影写真は、あらゆる葬儀においてほぼ欠かすことなく登場してくるものです。
遺影写真の主なサイズ
遺影写真のサイズには、特別な決まりはありません。
たとえば非常に大きな葬儀であり、参列者も多く祭壇も大きい場合は、かなり大きなサイズの遺影写真を用意することになるでしょう。
そうしないとまったく目立たなくなってしまうからです。
ただ、祭壇に飾る遺影写真のサイズは、基本的には四つ切りサイズが選ばれます。
縦が30.5センチ、横が25.4センチのサイズです。
また、これとは別に、「仏壇に飾る遺影写真」もあります。これの場合はL版(L判)サイズにするのが一般的です。
12.7センチ×8.9センチのサイズになっていて、祭壇に飾るものより小ぶりです。
遺影写真のサイズには明確な基準や決まりがあるわけではありません。
仏壇が小さい場合は、もう少し小さいサイズの遺影写真にしても良いものです。
ただ、特段の事情がないのであれば、このサイズになるでしょう。
遺影写真を飾る場所・タイミング
遺影写真は、葬儀の際に祭壇に飾られます。
また、葬式・告別式が終わった後には火葬場に向かって移動を開始しますが、その際は運転手の横に遺影写真を抱いた人が乗るかたちが多いでしょう。
火葬場でも遺影写真を飾っておくことが多く、ご遺族・ご親族のなかにはこの遺影写真に話しかける方もいます。
繰り上げ初七日法要や精進落としが終わったら、遺影写真も遺族と一緒に家に帰ることになります。小さな遺影写真の方は仏壇にそのまま飾ります。
祭壇に飾っておいた方の遺影写真については、鴨井と天井の間に飾るのが一般的です。
また、大きい方の遺影写真も、仏壇のある部屋に飾られることが基本です。
「子どものころ、祖父母の部屋に遊びに行くと、仏壇の部屋に見たことも会ったこともない『おじいちゃんのおじいちゃん』『おじいちゃんのお父さん』の写真があったのを覚えている」という人も多いのではないでしょうか。
遺影に使う写真の選び方
遺影写真は、故人が亡くなった後にもっともよく目にすることになる「故人の姿」です。
そのため、納得できるものを選ぶようにしなければなりません。
写真選びのポイント
遺影写真は、生前に撮った写真のなかから選ぶことになります。
ただ、終活の一環として遺影写真を撮影していた人でなければ、遺影写真にぴったりの大きさで撮影をする機会はそうそうないでしょう。
すでにある写真を拡大して使うことになる場合も多いため、顔がはっきりと写っている写真を使うのがまず大前提です。
かつての遺影写真は、口を引き結び、真面目な顔をしているものを選ぶのが一般的でした。
しかし現在では、少し様子が異なっています。
「故人が楽しそうにしている写真」
「笑顔の写真」
「故人らしい表情」
を遺影写真として使うことが多くなっています。
もちろん、本人が非常にまじめな人であったり、故人の希望があったりした場合は、真面目な顔をしているものを選んでも構いません。
遺影写真に使う写真は、直近のものでなくても構いません。
故人が一番「本人らしい姿」でいたころのものを選ぶのがよいでしょう。
なお、故人が「この写真がよく撮れているから、自分の遺影写真にはこれを使ってほしい」と希望していたという場合は、それを使ってあげるとよいでしょう。
撮影時の服装
「表情」にも今と昔で変わりがあるように、撮影時の服装も時代によって変わってきています。
かつての日本は、着物で生活するのが当たり前でした。
また、時代が経っても、「着物の方が洋服よりも格上だ」と考える人もいるのも事実です。
しかし現在は、「よりその人らしい服装で」「よりその人らしい遺影写真を」という考え方が根付いているため、普段着の姿であっても遺影写真として採用されることが多くなっています。
ちなみに、「ほかのご先祖様も着物なので、着物にしてほしい」ということであれば、写真を加工して着せ替えをすることもできます。遺影写真を頼むときに注文してみてください。
極力一人で写っている写真を選ぶ
遺影写真に写るのは、当然故人だけです。
そのため、「一人きりで撮った写真でなければ、遺影写真には使えない」と考える人もいるかもしれません。
しかし、昔はともかく現在ではこのような心配はまったく不要です。
背景にほかの人が写っていたとしても、加工によって故人だけの写真にすることができます。
そのため、「何人写っているか」よりも、「故人の表情」に注目して遺影写真を選ぶようにしたいものです。
背景は、加工処理ができるので気にしない
「複数の人が写っていたとしても、加工することによって故人一人の写真にすることができる」ということからも分かるように、「写真の背景」は遺影写真ではそれほど重要視されません。
これも加工して、消したり調整したりすることができるからです。
遺影写真の印刷にあわせて、背景などの加工処理をしてもらえます。
追加費用も膨大になることはないため、お気に入りの写真で背景がある場合はお願いすると良いでしょう
もし仏間などに遺影写真があるのであれば、一度その背景をじっくり見てみてください。
写真館で撮った写真でなくても、背景が写りこんでいない遺影写真が圧倒的多数なのではないでしょうか。
昨今撮られる写真の多くにはなにがしかの背景が写りこんでいますが、それを加工して消していることが多いわけです。
非常にきれいな花畑などが写っているなどの特段の状況を除き、背景は消されるのが一般的です。
一般的には白や青色系統の無地の背景が当てられます。
逆をいえば、「本人の育てていた畑で撮った写真なので、背景も残しておいてほしい」という希望があるのであれば、事前に伝えておくことが求められます。
ちなみに、故人やご遺族の希望があれば、背景を合成してはめ込むことも可能です。
ハレの日の写真でも問題ない
遺影写真において大切なのは、「生前のその人らしさが感じ取れる写真であること」です。
そのため、その写真が撮られたシチュエーションなどはあまり問われません。
遺影写真に使うということで、
「写真館で撮った写真でなければだめ」
「かしこまったときの写真でなければだめ」
と考える人もいるかもしれません。
しかし実際には、普段通りに過ごしているときの写真であってもまったく問題はないのです。
また、もちろん、ハレの日に撮影した写真でも構いません。
遺影写真を作る方法
遺影写真を作る方法は、いくつかあります。主な選択肢となるのは、
- 自分で用意する
- 生前に写真館などで遺影用の写真を撮る
- 亡くなった後、遺族が生前の写真のなかから遺影写真に相応しいものを選ぶ
の3パターンです。
それぞれ解説していきます。
自分で作る方法
まず、「自分で作る方法」について考えていきましょう。
現在はパソコンの機能も非常に高くなっており、別々に撮影した写真から「顔の部分」「服の部分」「背景の部分」を持ってきて自分で合成して遺影写真を作ることもできます。
パソコンの普及率や機能は、昔とは段違いです。
「自分たちで作った遺影写真」「故人への最後の贈り物」に対して思い入れがあるのであれば、このような方法をとってもよいでしょう。
また、この方法は業者を介さないため、安上がりでもあります。
ただ、プロ並みの技術がある人ならばともかく、そうではない人が一般的な知識で遺影写真を作った場合、そのクオリティはプロに頼んで作ってもらう場合に比べてどうしても劣ってしまいます。
「自分たちで作ることが、喪の儀式のうちの一つである」と考えているのであれば自分たちで作るのも良いのですが、価格面だけを気にしてこの選択肢をとることは避けた方がよいでしょう。
特に、葬儀会社で作ってもらう遺影写真については、すでにプランの料金に含まれていることも多いため、「遺影写真を自分で用意します」と言っても割引にならないこともあります。
写真館に依頼する、もしくは写真館で撮った写真を利用する
「生前に写真館で撮った写真を利用する」
「昔撮った写真を写真館で加工してもらいたい」
という人もいるでしょう。
遺影写真は葬儀会社の方でも作ってもらうこともできますが、「きれいな写真」にこだわるのであれば、写真館に依頼するのがよいでしょう。
プロの技術・専門の技術で、非常に美しい遺影写真を作り上げてくれます。
写真館に依頼する場合は、
- 生前に写真館で撮ってもらう
- 逝去後、遺族が写真を持ち込む
の2パターンがあります。
「葬儀会社はがんばって遺影写真を作ってくれた。ただ、あのときは慌ただしくて、写真の精査ができなかった。
後からもっと良い写真が出てきたので、こちらを遺影写真にしたい」と考える遺族もいます。
このような場合は、遺影写真を作り変えても問題はありません。
そもそも遺影写真は宗教的な意味を持つものではなく、あくまで「故人の姿を偲ぶためにあるもの」であると考えるのが一般的です。
このため、後になって、より本人らしい写真が出てきたのであれば、新しく遺影写真に仕立てても構わないのです。
写真館に持ち込むときは、「もともとの遺影写真も悪くはなかったが、後になってより本人らしい写真が出てきたので、こちらの方に作り変えてほしい」などのように要望を伝えましょう。
また、「以前作ってもらった遺影写真がどうにも気に入らなかったので作り変えてほしい」という場合は、どのような点が不満だったかを伝えるようにしてください。
写真館の方でも気を付けて作り直してくれるはずです。
葬儀会社のサービスを利用する
葬儀会社では、葬儀に関するほぼすべての手配を担当しています。
そのため、遺影写真を作ることも、葬儀会社に任せることができます。
葬儀会社の提供するプランのなかには、遺影写真の用意のための費用が含まれているケースもあります。
直葬(火葬式)の場合は遺影写真をプランに含まないこともありますが、それ以外の葬儀では基本的には料金内に組み込まれています。
このため、写真館に個別に頼む場合に比べて、費用は当然安くなります。
また、すでにプランに組み込まれている場合、「遺影写真を自分で作るから、その分の値段を引いてほしい」という申し出が受け入れられるかどうかは葬儀会社によって異なるでしょう。
遺影写真を葬儀会社で頼むもっとも大きなメリットは、「遺族側の手間を最小限にすることができる」という点です。
自分たちで遺影写真を作るのは、時間がかかります。
加工技術やパソコンを持っている人が「親族」の立場ならその人にお任せして、遺族は葬儀の手配を……という段取りにすることが可能ですが、作ることのできる人(あるいは作ることを希望する人)が「遺族」の立場だと、慌ただしいなかで作業をしていくことになります。
写真館を頼む場合、
- 生前にすでに撮影していた
- 葬儀の後、落ち着いたときに頼む
のならばそれほど問題にはなりません。ただ、それでも、事前の手間や持ち込みの手間はかかります。
しかし葬儀会社に依頼する場合、遺族が行うのは「遺影写真に相応しい写真を探すこと」だけです。
これは写真館に頼む場合でも自分たちで作る場合でも挟まれる工程です。
写真を渡してしまえば、通夜に間に合うように遺影写真を用意してもらえます。
ただ、葬儀会社で遺影写真を作った場合、その品質は葬儀会社によって左右される可能性があるということを知っておかなければなりません。
葬儀会社で遺影写真を作る場合、その方法は下記の2つに分かれます。
- 葬儀会社のスタッフが加工して遺影写真にする
- 写真館に外注して遺影写真を作ってもらう
もちろん、一概に「前者の品質が悪く、後者の品質が良い」と言い切ることはできません。
実際、「自社で遺影写真を作ること」を誇りにしている葬儀会社もあり、しっかりした技術を身に着けているスタッフに一任しているところもあります。
ただ、葬儀会社に頼む場合は、その葬儀会社の遺影写真に関する技術や考え方、知識や提携先によって、仕上がりが異なってくる可能性は高いといえるでしょう。
遺影写真を作る方法には、大きく分けて3つの方法があります。
それぞれにメリットとデメリット、注意点がありますが、忙しいなかですから、基本的には写真館や葬儀会社に依頼した方がよいでしょう。
遺影写真を生前に撮ることについて
遺影写真は、何世代にもわたって受け継がれ、残されるものです。
「会ったこともなければ見たこともない曾祖父だが、実家の仏間に遺影撮影が飾られていたので顔だけは知っている」という人も多いのではないでしょうか。
逝去後、残された家族がもっとも目にする機会の多い写真が「遺影写真」なのです。
このような事情や、また「終活」の考え方が根付いたこともあり、現在では「遺影写真を生前に撮ろう」と考える人も増えてきています。
「生前遺影」「生前遺影写真」などの言葉で呼ばれています(ここでは「生前遺影写真」という言い方を使います)。
かつては「縁起でもない」と思われていた生前遺影写真ですが、「自分の最後に向けて準備を行っていくことは、残された自分の生を見つめ直すことだ」と考えられるようになった現在、生前に遺影写真を撮ることは決しておかしなことではありません。
生前遺影写真には、数多くのメリットがあります。
自分好みの写真に仕立てられる
第一に、生前遺影写真の場合は「自分が気に入った写真」を遺影にしてもらえるというメリットがあります。
自分らしいポーズ、自分らしい表情、そして美しく元気だった頃の写真を確実に残せるのです。
「しかめっつらをした顔ではなく、笑顔の写真にしてほしい」
「いつもの普段着ではなく、特別な日に着る着物の写真を遺影写真にしてほしい」
「自分の大好きな花に囲まれた写真にしてほしい」
などのような注文もつけることができます。
プロに対して事細かに自分の希望を伝えていくことができるため、非常に満足度の高い遺影写真になるでしょう。
出来上がった写真を自分の目で見て確かめることもできるため、納得のいくまで加工や修正をお願いすることもできます。
遺族が写真を探す手間を省くことができる
喪主・親族側になったことのある人ならば体感として分かるかと思われますが、葬儀のときというのは非常にばたつくものです。
物理的な忙しさもそうですし、時間的にも精神的にも余裕がありません。
そんななかで、遺影写真にするための写真を探すというのは、かなり手間のかかる作業です。
なかには、「もともと写真をそれほど積極的に撮る人ではなかったから、候補となる写真がない!」と慌てるケースもあります。
しかし生前に遺影写真を撮影しておくと、このような混乱を避けることができます。
遺していくことになる家族の負担を軽減することができるわけです。
「終活」は、自分の残りの人生を見直すために行うものであるのと同時に、家族が混乱しないように後始末や後の段取りをしていく作業です。
生前遺影写真を作っておくのも、財産のとりまとめなどと同じく、家族の作業を少なくするためのものだと言えるでしょう。
葬儀に対する要望として希望することもできる
直葬(火葬式)は、もっとも簡素な葬儀のスタイルです。
火葬だけを行うものであり、宗教的な儀式は含まないのが基本です。
もっとも費用を安くすることのできる葬儀の形態でもあります。
「遺影写真」は、原則として宗教的な意味は持ちえないものの、祭壇の中央に飾られることになるものです。
そのため、通夜を省く一日葬などの場合でも、遺影写真はプランのなかに含まれています。
しかし、直葬(火葬式)の場合は、「遺影写真は含まない」としている葬儀会社も多くあります。
「家族にできるかぎり多くの遺産を渡したいから、葬儀は簡潔なものを希望する。ただ、遺影写真がないのはやはり寂しい。先だった配偶者の遺影写真の横に自分の遺影写真を飾ってほしい」などのように希望を持っている人もいるでしょう。
そのような場合は、遺影写真を生前に撮影しておくことで、「直葬だが遺影写真のある葬儀」を行うことが容易になります。
直葬(火葬式)だけでなく、事前に遺影写真を撮っておくことで自分好みの葬儀が実現しやすくなります。
遺影写真と言えば黒の額縁に入れるのが一般的ですが、「黒の額縁は暗くて嫌。自分の葬儀のときは、花で遺影写真を飾ってほしい」などの希望も伝えやすくなるでしょう。
生前に遺影写真を作るということは、写りのよい写真を選び、遺族の手間を軽減し、自分好みの葬儀(写真)をプロジュースすることに繋がります。
生前に遺影写真を撮影する場合
生前に遺影写真を撮影する場合は、どうすればよいのでしょうか。
これには明確な決まりはありません。スナップショットを撮ってもらって、「この写真の出来が良いから、これを使ってほしい」と遺すのも一つの方法です。
ただ、一般的には、写真館で撮ってもらった写真を使うことになるでしょう。
現在は多くの写真館で、生前遺影写真の撮影を行っています。
特に明確に打ち出していないところでも、打診すれば引き受けてくれるところも多いことでしょう。
今までずっとお世話になってきた写真館があるのであれば、そこにまずは頼んでみましょう。
また、現在は遺影写真に特化した写真館も営業しています。
遺影写真の撮影・修正・加工を得意としている写真館であり、ノウハウも持っています。
加えて、「遺影写真のみを扱う写真館」も、少ないながらに存在しています。
特にひいきの写真館がないということであれば、これらの写真館にお願いするとよいでしょう。
遺影写真を扱う写真館では、ヘアセットなども行ってくれるところがあり、頼りになります。
「貸衣装は無料」というところもあるので、「やはり遺影写真は着物がいい」という人はこのようなプランを利用するのもおすすめです。
また、プランについても明確に金額を打ち出しているところが多く、安心して頼むことができます。
金額については、写真館ごとで値段が大きく異なります。
メイクやヘアメイクなどがついてくるプランは、当然値段が高くなります。
また、「データの受け渡しまでで良いのか、それとも印刷まで必要なのかどうか」
によっても、金額は前後します。
ヘアメイクなどに加えて、四つ切の写真とL版(L判)の写真がついてくるところの場合、4万円近い金額になることもあります。
一方、一般的な撮影だけで良いということであれば、半額程度で撮影することができる写真館もあります。
データのみの受け渡しの場合は1万円台になることも珍しくありません。
「生前遺影写真を撮るのは何のためか」によって選ぶべき写真館は変わってきます。
ただ、「自分らしく、美しい写真を遺したいというのが、生前遺影写真を撮る一番の理由」ということであるのなら、多少値段が高くても安心できる写真館で頼んだ方がよいでしょう。
遺影写真の処分について
「引っ越すことになったので、遺影写真をどうにかしないといけない」
「ずっと鴨居に飾っていたが、量が多くなりすぎてどうにも困っている」
「逝った母の遺言で、ある程度時間が経ったら、遺影写真を処分してほしいと言われている」
ということで、遺影写真の処分を考えなければならない状況に立たされている人もいます。
その場合はどうすればよいのでしょうか。
処分する流れ
「遺影写真を処分するタイミング」には、明確な基準はありません。
仏教の場合は、「四十九日を過ぎたら鴨居の上に掲げる」というのが一般的な流れではありますが、これも絶対ではありません。
遺影写真は遺された家族のためのものですから、家族が仏壇やお部屋に飾っておきたいと考えるのであれば、そのまま長く置いておいても一向にかまいません。
しばしば、「遺影写真をいつまでも片付けないでおくと、仏さまが浮かばれない」などのように言われることもあります。
しかし遺影写真にはそもそも宗教的な意味はないと考える向きが一般的です。納得のいくまで飾っておきましょう。
「特にこだわりがない」ということであれば、風呂敷などに包んで保管しておきましょう。
法要などのタイミングで出せばよいとされています。
「保管場所に困っているし、200年以上前の遺影写真まである……『片付ける』のではなく、『処分』してしまいたい」ということであれば、自治体のルールに従って一般的な写真と同じように処分してしまって問題ありません。遺影写真とそれ以外の写真を分ける法律はありません。
処分する際に気を付けること
専門家の間で考えは分かれているものの、「遺影写真には宗教的な意味はない」と考えるのが現在の主流です。
ただそれでも、心理的な抵抗感があって、一般的なゴミとして捨てるのは忍びない……という人もいるでしょう。
また、開眼供養(かいがんくよう。仏壇などに魂を入れる儀式)が行われるのを自分の目で見ていると、もっと捨てにくいかもしれません。
その場合は、閉眼供養(へいがんくよう)を行うとよいでしょう。
魂を抜くための儀式であり、仏壇やお墓をしまうときに行われる儀式です。
僧侶を呼んで行うわけですから当然お布施が必要となりますが、心理的な負担は軽減できます。
「閉眼供養までは考えていない。でも、生ごみなどに混ぜて出すのは避けたい」ということであれば、ほかのゴミとは分けて別の袋に入れて収集に出すとよいでしょう。
布などでくるんでおくと、さらに処分しやすくなるかもしれませんね。
遺影写真は、亡くなった人を思い出し、偲び、大切にしていくために使われるものです。
そのため、無理に処分する必要はありません。
ただ、亡くなってから時間が経った人のものやスペースの都合があるのならば、家族の気持ち次第で処分しても構わないものだといえるでしょう。
まとめ
遺影写真の歴史は、100年以上前に始まりました。
当時は戦死者を悼むためのものであったと考えられています。
現在の遺影写真は、四つ切りとL判(L版)で作られることが多いのですが、明確な決まりはありません。
スナップ写真やハレの日に撮った写真、また複数人が写っている写真や背景が写りこんでいるものでも問題ありませんが、ピンボケがしておらず、ある程度大きく・はっきり写っていることが重要です。
今は、「その人らしい顔の写真」を遺影写真にするのが一般的ですから、笑顔の写真などを選ぶのがよいでしょう。
服装に関しても普段着で問題ありません。ただ、希望すれば着物などに着せ替えをしてくれます。
遺影写真を作る方法は、
- 自分で行う
- 写真館に頼む
- 葬儀会社に頼む
の3つがあります。
自分で行う場合は費用がかからないというメリットが、写真館に頼む場合はクオリティが高くなるというメリットが、葬儀会社に頼む場合は手間がかからないというメリットがあります。
現在は終活の一環として、生前に遺影写真を撮るという人も増えています。
生前に遺影写真を撮った場合、
- 自分らしく美しい写真を遺影写真にすることができる
- 家族が写真を探す手間を省くことができる
- 「直葬(火葬式)だが遺影写真は飾ってほしい」などのような細かい要望を叶えることができる
というメリットがあります。
生前に遺影写真を撮る場合、写真館を利用するのが一般的です。
高品質な写真を撮影できるのがメリットですが、金額は写真館によって大きく異なりますから注意したいものです。
遺影写真は、仏教の場合は四十九日を境として、鴨井などに飾る場合が多いでしょう。
また、風呂敷などに包んで押し入れで保管し、法要のときにだけ出してくる……としている人もいます。
ただ、明確な決まりがあるわけではありませんから、家族の気持ちで決めてよいでしょう。
ちなみに遺影写真は、一般的な写真と同じように処分することができます。
「ほかのゴミと一緒に捨てるのは忍びない」ということであれば、布などに包んで別の袋に入れて収集に回しましょう。
また、どうしても抵抗がある場合は、閉眼供養などを行った後に処分するのも一つの方法です。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
遺影写真といえば、昔は白黒が多かったのですが、今はカラー写真で、額縁も黒ではなくナチュラルな額縁を好む人が増えています。
遺影写真の扱い方で、近年多いのは「四つ切の遺影写真はどのように扱ったら良いでしょう」というご相談。
故人と遺族が同居していないケースが多くなり、住宅事情の関係で大きいサイズの遺影写真は自宅に置いておけないという悩みからでしょう。
四つ切の遺影写真は、必ず飾らなくてはいけないというわけではありませんので、しばらくはそのまま保管しておく人も多いようです。
処分する場合、基本的にはそのまま廃棄物として処分してもかまいませんが、気になるようでしたら人形供養等と同じようにお焚き上げ処分してもらうとよいでしょう。お焚き上げを行ってくれる業者も多数あります。
墓じまいを検討されている方
- 墓じまいはどこに相談するのかわからない
- 複雑な事務手続きをやりたくない
- 墓じまいにいくら必要なのか知りたい
親族や知人などに墓じまいを経験した人がおらず、不安に感じる人もいるかと思います。
また、今あるお墓を片付けることに抵抗感がある方もいるかもしれません。
しかし、大切なのはお墓をきちんと片付け、あとの供養に繋げていくことです。
ライフドットでは、墓じまいの複雑な事務手続きの代行、新しい墓地・霊園への引越しの提案までサポートします。
墓じまいで悩まれている方は、まず一度ライフドットにお問い合わせください。