覚えておきたい!香典返しの金額を決める2つの判断基準
お通夜やお葬式の喪主側になると、短期間で決めなければならないことや対応がたくさんあり、忙しくなりますよね。忙しい期間は、葬儀が終わり四十九日を迎えるまで続くことになります。
そしてやっとの気持ちで四十九日を終えても、すぐに対応しなければならない香典返しという慣習があります。
香典返しに関するこのような疑問を解消
- 「香典返しの金額は、どうやって決めたらいい?」
- 「失礼にならない香典返しって、何を選べばいい?」
この記事では、香典返しの金額や商品の選び方、お返しをする際に気をつけた方が良いことをまとめています。
喪主側になり準備に迫られている人はもちろん、今後突然やってくるかもしれないその時に備えて、知っておいて損はない情報ですのでぜひ読んでみてください。
この記事の目次
1.香典の金額を基準にする
まずは、香典の金額を基準にする方法をお伝えします。
通常は香典の半額程度
通常、香典返しは香典の半額程度の品物をお返しします。 親族ではない一般的な参列者の香典相場が5,000円なので、2,500円程度の品物を用意する人が多いでしょう。
高額な香典の時は3分の1程度
親族などから高額な香典をもらった時には、香典返しを3分の1程度にとどめる場合も少なくありません。
例えば、10万円の香典をもらった時、5万円の品物を用意するのは困難ですし、相手も恐縮してしまいます。他の親族と同等金額の香典返しにしても、差し支えありません。
当日返し(即日返し)をする場合
通夜や葬儀会場の受付で、香典と引き換えに渡す香典返しを、当日返し(即日返し)といいます。
当日返し(即返し)を行う場合には、一般的な参列者の香典相場が5,000円なので、2,500円程度の品物を用意する人が多いでしょう。
当日返し(即返し)を行う場合には、一般的な参列者の香典相場が5,000円なので、2,500円程度の品物を用意する人が多いでしょう。例えば、2,500円の品物を当日返しでお返しすれば、5,000円の香典を持参した人には、後で香典返しを送らなくてよいためです。
ただ、ひとまずのお返しという意味を込めて、1000円程度の品物を「粗供養品」として葬儀当日に配る場合もあります。この場合は、当日返し(即日返し)をしない場合と同様、後日多くの人へ香典返しをお送りすることになります。
2.香典の名義に合わせる
次に、香典の名義に合わせて香典返しを用意する方法をお伝えします。
友人・知人といった個人にお返しする
友人・知人といった個人へお返しする場合には、1番同様、半額程度のお返しとします。
会社や代表、同僚などの勤め先関係にお返しする
会社や代表、同僚などの勤め先関係へお返しする場合には、その会社の風土に合わせましょう。総務部などへ、これまでの一般的な例をたずねます。部署からまとめて香典をもらった場合は、香典返しの必要がないことがあります。そのときには、人数に合わせて、個別包装されているお菓子などを贈るのがいいでしょう。
会社代表や同僚から個人的に香典をもらった場合には、一般会葬者と同じように、個別に香典返しを渡しましょう。
自治会などの連名にお返しする
自治会などの連名にお返しする場合には、自治会の風習に合わせましょう。お菓子を配るなど、地域によってさまざまなしきたりがあります。多くの人からごく少額を集める自治会の場合には、香典返しの必要はない場合が少なくありません。
親族にお返しする
親族へお返しする場合には、香典金額の3分の1から半額程度の香典返しを用意します。
葬儀を手伝ってくれた方にお礼をする
葬儀を手伝ってくれた方には、香典返しとは別にお礼をします。
自治会のメンバーが手伝ってくれたなら、自治会の風習に合わせてお礼をします。受付や帳場を集団で手伝ってくれたなら、1000円から3000円のお菓子や現金をと言われることが多いでしょう。世話役を務めてくれた人には、5,000円から1万円程度でお礼をします。
ここまで、香典返しの金額などについて2つのタイプをご紹介しました。次に、香典返しにふさわしい商品について解説します。
香典返しにふさわしい商品
香典返しには、ふさわしい商品があります。香典返しにふさわしいもの、ふさわしくないものをご紹介します。
食べ物などの消費できるもの
葬儀のお返しものは、「消えもの」がよいとされています。「消えもの」とは、消耗品など使ってすぐになくなるもののことです。よって、食べ物やタオル、日用雑貨などが選ばれます。
相手が決められるカタログギフト
近年、香典返しとしてカタログギフトが流行しています。消えものでなくても、相手が欲しいものを選べるなら、贈って困らせることはないでしょう。
選ばない方がいいもの
のちのちまで残るようなものは、香典返しに選ばないほうがいいとされています。
なお、遺族の想いがこもりすぎているものを贈るのはやめましょう。想いがこもりすぎているものの例としては、故人の絵や本人の写真がレイアウトされたマグカップやお皿などです。いずれも、葬儀のときのお返しものだと思うと処分しにくいためです。
以上、香典返しにふさわしいもの、ふさわしくないものについてお伝えしました。
それでは、香典返しはいつ渡せばよいの?と思った人もいることでしょう。次に、香典返しを渡すタイミングについてお伝えします。
香典返しを渡すタイミングは宗派によって違うもの
香典返しを渡すタイミングは、宗派によって若干違ってきます。それぞれの宗派について説明しましょう。
仏教の場合は四十九日後
香典返しを渡すタイミングは、仏式で葬儀を行った場合には、四十九日の法要を済ませた後です。
「無事、四十九日法要を済ませました」といった文面のお礼状をつけて送ります。四十九日前には準備をしてしまい、法要が済んだらすぐに発送できるようにする人が多いでしょう。
神道の場合は五十日祭の頃
神道のお葬式である神葬祭を行った場合には、香典返しを五十日祭の頃にお送りするのが通例です。仏式同様、「無事、五十日祭を済ませました」といった文面のお礼状をつけて送ります。
キリスト教やその他の場合
キリスト教やその他の宗派の場合、香典返しを送るタイミングはそれぞれです。宗教者などに尋ねましょう。
ただ、香典返しは日本独特の風習であり、日本の葬儀の9割は仏式です。 迷うようなら、仏式にならって四十九日頃のお返しをめどにしましょう。
ときには、香典返しを辞退されることもあります。次は、香典返しを辞退されたときの対応についてお伝えします。
香典返しを辞退されたときは理由を考慮して対応する
香典返しを辞退する場合、さまざまな理由があります。理由を考慮して対応するようにしましょう。
気遣いから辞退された場合
例えば若い父親の急逝など、残された遺族の生活がこれから苦労を伴うだろうと思われる際には、香典返しの辞退を申し出る人が少なくありません。お気持ちをありがたく頂戴し、お礼状のみお送りしましょう。お礼状には、個別に手書きでお礼を書き添えると丁寧です。
会社のルールとして決まっている場合
会社のルールとして香典返しは不要と言われた場合には、わざわざそのルールを崩し、無理にお返しする必要はありません。
喪主が勤務している会社であれば、葬儀後や四十九日後の朝礼などで、みんなにお礼を言う機会を設けてもらいましょう。故人が勤務していた会社であれば、遺族が葬儀後早いうちにご挨拶に伺いましょう。その際、人数に合わせた菓子折りを持参していけば、より気持ちが伝わります
まとめ
以上、香典返しを渡すタイミングや金額、辞退された場合の対応などについてお伝えしました。
香典返しについてよく知っておけば、葬儀を営む側として、スムーズな行動ができるでしょう。葬儀の後は、心身の負担に加え、やるべきことがたくさんあります。せめて香典返しについては、迷わず対処できるよう、知識をつけておきたいものです。
~香典返しの費用 地域別ランキング~
ここからは補足の情報として、香典返しの費用について、地域別のランキングをお伝えします。
費用の高い順ランキング
香典返し費用の高い順ランキング
1位 東京都
2位 愛知県
3位 石川県
※筆者の調査とWEB上の情報から、総合的に順位をつけています。
上位3県の費用が高い理由
まず、1位の東京都について、香典返しの費用が高い理由をお話ししましょう。
「香典返しは半返し」という「常識」を決めていると考えられるのが、圧倒的に人口の多い関東地方です。
関西のほうでは、きっちり半返しというよりも、「3分の1程度」のお返しという文化が根付いていて、香典を受け取らない葬儀も多く発生しています。
また、関東よりも北、東北や北海道のほうへ行くと、更に香典返しの額が低くなる傾向にあります。とくに北海道の一部など、冠婚葬祭を質素にしようという戦後の「新生活運動」がいまだ根づいているところは一般会葬者の香典が1,000円で、香典返しがないということもあるのです。
人との関係が希薄といわれている東京都。
しかし、関係が薄いからこそ、「香典返しは半返し」という常識をきっちり守ろうという人が多い傾向にあると考えられます。
2位の愛知県、3位の石川県は、冠婚葬祭が派手といわれ、お付き合いを大事にする文化があります。結婚式の引き出物は7品、8品とつく場合もおかしくないほどです。よってお葬式についても、香典をあげるほうも金額が高く、それに従い、お返しものが立派になる傾向があります。
さて、どのようなものが香典返しで贈られているのか、気になりますよね。ご紹介しましょう。
香典返しで贈られているもの
香典返しで選ばれているものは、お茶や乾物など定番もののほか、今治タオルや豪華な缶詰、コーヒーと老舗のお菓子のセットなどです。消耗品というラインを守りながらも、「自分ではなかなか買わない、もらったら嬉しい高級なもの」が選ばれ、また喜ばれています。
贈った先に選んでもらえることの気楽さからか、カタログギフトの需要も増えているといえるでしょう。
お墓の準備はできていますか?
終活といっても、生前整理、葬儀、お墓の検討などさまざまです。そのなかでも「お墓」は、一生に一度あるかないかの買い物ですね。
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など、数々の不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。
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監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
近年、お香典返しは「即日返し(即返し)」といって、葬儀当日に渡してしまうケースが多くなりました。
一般の参列者の香典の相場が5000円、10000円が多いので、葬儀当日に2000円~3000円程度の香典返しを準備しておき、香典の額にかかわらず一律同じ品物を渡すという方法です。
この方法だと、親戚など香典の額が大きい方だけ後からおくれば良く、遺族の負担が軽減できることもあって、「即日返し(即返し)」は急速に普及しました。
即日返しに好まれる品物の傾向は「軽量」「かさばらない」「小分けできる」もの。
参列する側も高齢化しているので、実用的で持ち帰りやすい品物が好まれます。
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