祭壇は葬儀で故人をあらわすもの!その意味や種類を紹介
葬儀の祭壇と聞くと、白木に彫刻があしらわれた仏教的な祭壇を思い浮かべる人が多いでしょう。
では、そんな祭壇を葬儀で使うとしたら、使用料はいくらくらいだと思いますか?
葬儀などそう何回も経験することではないので、費用感を割り出すのは難しいですよね。
でも、いざ喪主になったときには、祭壇の料金が妥当なものなのかどうか、判断しなければなりません。
この記事ではこのような疑問を解消!
- 「祭壇にはどんな種類があって、使用料の費用感はどんなものなのだろう?」
- 「祭壇は、小さければ小さいほど安いの?」
- 「オリジナル祭壇がいいときは、どんな風にオーダーすればいい?」
この記事では、以上のような疑問を持つ人のために、祭壇の種類や使用料の費用感、祭壇の選び方について解説します。
オリジナル祭壇のオーダー方法や、祭壇が必要かどうかを判断する方法もお伝えするので、
故人と家族にとって最高にふさわしい祭壇を選べるようになりますよ。
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祭壇とは葬祭用品を並べ、会場を演出し、故人をあらわすもの
祭壇とは、そもそもは葬儀に必要なものを並べる台をあらわしましたが、現代では会場演出のための最重要品となっています。
さらに近年では、故人の人となりをあらわすものへと変化してきました。
このようにさまざまな意味合いのある祭壇について、歴史をたどりながら解説します。
本来は棺を祀り葬列用品を並べるためのもの
祭壇は、土葬時代には棺を一番上に置いて祀り、さらに葬列に持っていく葬祭用品を並べるためのものでした。
葬列とは、葬儀会場である自宅などから棺を担いで埋葬先へ向かう、親族を中心とした行列です。
土葬から火葬へと移り変わるにしたがって、葬列は廃れてきました。
伝統的な白木の祭壇の一番上に、豪華な屋根を持つ家のようなものがついているのをご存じでしょうか。
あれは輿(こし)と呼ばれ、本来は輿の中に棺を据え、葬列を組むときには輿ごと担いでいました。
他、祭壇に飾られている遺影や位牌はもちろん、彫刻が施された装飾品も、もとは葬列へ持っていくための道具だったのです。
現代では故人を偲ぶものを中心に飾られる
火葬が主になり、葬列がなくなった現代においては、棺は裸のまま祭壇下に飾られます。
そして、焼香の際に祭壇を見上げて故人を偲ぶため、遺影が大きな意味を持つようになりました。
最近では、祭壇上の大きなスクリーンに遺影が映し出されることがよくあります。
参列者が多くなるほど大きな祭壇が必要
100人、200人といった規模の葬儀では、祭壇から参列者までの距離がかなり遠くなります。
すると、祭壇が小さければ遠くの人からは見えませんし、何となく寂しく思えてしまいます。
バブル期以降、一般人でも100人、200人規模の大きな葬儀を行うことが増え、大きな祭壇を設けることが一般化しました。
故人の人となりをあらわすものへと変化を遂げた
最近では、故人が好きだった花を盛り込んだり、趣味を祭壇上で再現したりと、祭壇は故人の人となりをあらわすものへと変化を遂げています。
たくさんの人が訪れる盛大な葬儀から、気の置けない人たちだけで営む葬儀へとブームが移行し、祭壇にも変化が訪れたのです。
祭壇に限らず、オリジナルの演出など葬儀全てにおいて、「故人らしさ」が葬儀のキーワードとなってきています。
葬儀の主役である祭壇には、さまざまな意味が込められていることがおわかりいただけたかと思います。
次に、祭壇の種類について、装飾品を含めて具体的に紹介します。
祭壇は宗派に合わせて4種類
祭壇には、宗派に合わせて4種類があります。
- 仏式祭壇
- オリジナル祭壇
- 神式祭壇
- キリスト教式祭壇
祭壇に飾られるものも含めて、それぞれ詳しく解説します。
仏式祭壇
仏式祭壇の特徴は、白木の祭壇に透かし彫りが施されている点です。
なぜ白木かというと、日本の文化において白木は「汚れのない真新しい状態」を意味し、「一度きり」しか使いません。実際は使いまわしをしていますが、新仏に対してのみ使用するため葬儀の祭壇は塗ではなく白木が用いられます。
また、「あまりに急な葬儀なので、塗を施す時間がなかった」というメッセージを伝えるためとも言われています。
塗りを施さないことで、故人を失った驚きや悲しみを表現しています。
仏式祭壇の装飾品は以下の通りです。
- 輿
屋根のついた、部屋のようになっている部分です。昔は輿に棺を納めました。 - 遺影台
遺影を置く台です。最近では省略され、スクリーンが活用される例が多いでしょう。 - 位牌台
位牌を置く台です。 - 供物台
供物を置く台です。蓮の花の彫刻が施されていることが多いでしょう。 - 灯籠
明かりです。龍の彫刻などが施されている場合が多いでしょう。 - 僧侶が使う儀式用品
棺の前に台をしつらえ、ろうそくや香炉など僧侶が使う儀式用品が置かれます。
最近では輿や灯籠を割愛し、生花を飾ることもあります。
オリジナル祭壇
オリジナル祭壇とは、故人の人となりを大事にした祭壇です。
故人がゴルフ好きだったなら、ゴルフ場を祭壇上に再現したり、画家であったなら、祭壇上にたくさんの絵を掲げて最後の個展としたりします。
また、宗教色を極限まで排し、白木ではなく透明なアクリル板を使い、生花を中心として仕上げる祭壇も、オリジナル祭壇と呼ばれます。
オリジナル祭壇の使用は、無宗教のときだけでなく、儀式に必要なものさえそろっていれば、どんな宗派でも可能です。
神式祭壇
神式祭壇も、基本的には仏式同様、透かし彫りが施された白木の祭壇がベースです。
ただ、装飾品はかなり異なります。装飾品は以下の通りです。
- 三種の神器
鏡・勾玉・剣が飾られます。神道にとって最重要とされるシンボルです。 - ぼんぼり
明かりとして、大小のぼんぼりが使われます。 - 五色旗
彩り鮮やかな旗が左右に飾られます。 - 三方
供物を飾るために使われるシンプルな方形の台です。 - 霊璽案
霊璽(れいじ)を置くための台です。霊璽とは、仏式でいう位牌のようなものです。 - 紙垂としめ縄
神社にあるような、あるいはお正月に玄関へ飾るようなしめ縄飾りが施されます。
神式祭壇において、省略されるものはほとんどありません。
キリスト教式祭壇
キリスト教の葬儀は、本来は所属している教会で行うものなので、祭壇を用意する必要はありません。
しかし、葬儀ホールでキリスト教式を行う場合もあります。
葬儀ホールでキリスト教を行うとき、十字架を掲げ、燭台にろうそくをともす以外は自由に装飾できます。
飾り方はホールによってさまざまです。
以上のように、宗派によって祭壇の装飾品はガラッと変わります。
続いて、気になる費用相場についてご案内します。
祭壇の費用相場
祭壇の費用相場は、宗派というよりも祭壇の大きさで変わってきます。
祭壇の大きさを決めるのは、会場の規模であり、会葬者の規模です。
家族葬の祭壇費用は20万円から50万円
家族葬の場合、祭壇費用は20万円から50万円ほどとみておけばいいでしょう。
家族葬とは、親族を中心とした少人数の葬儀で、30人から50人ほどの規模になるのが一般的です。
宗教的な装飾以外は何もあしらわないのであれば、祭壇費用は20万円程度で済みます。
生花をあしらったり、オリジナルな装飾を施したりすると、金額は大きくなります。
祭壇のレンタル費用だけでなく、祭壇を組み立てるための人件費や、オリジナル祭壇のデザイン費などを含めるため、祭壇費用は高くなるといえるでしょう。
実際には見積額に出てこないところですが、祭壇費用の内訳例を示してみました。
▼ 家族葬の場合の祭壇費用内訳例
費用項目 | 金額 |
---|---|
基本祭壇レンタル料金 | 10万円~20万円 |
人件費 | 一人あたり2万円~4万円 |
生花料金 | 10万円(一部)~30万円(祭壇全て) |
オリジナル祭壇デザイン料 | 5万円~ |
一般葬の祭壇費用は30万円から80万円
一般葬の場合、祭壇費用は30万円から80万円ほどとみておきましょう。
一般葬とは、親族やご近所、会社関係など縁ある人を全て参列対象にする葬儀のことで、100人から200人ほどにもなるのが一般的です。
家族葬よりも大きな葬儀ホールを使い、祭壇も大きくなるので、費用は少し膨らみます。
▼ 一般葬の場合の祭壇費用内訳例
費用項目 | 金額 |
---|---|
基本祭壇レンタル料金 | 20万円~30万円 |
人件費 | 一人あたり2万円~4万円 |
生花料金 | 10万円(一部)~50万円(祭壇全て) |
オリジナル祭壇デザイン料 | 5万円~ |
社葬など大規模な葬儀は100万円以上かかることも
社葬など、会葬者が300人以上にもなるような葬儀の場合、祭壇費用は100万円以上かかることも珍しくありません。
大きな会場なので、かなり大きな祭壇を使わないと見栄えがしないためです。
祭壇が大きいので、生花もたくさんの量を使うことになり、費用はかさみます。
▼ 大規模葬の場合の祭壇費用内訳例
費用項目 | 金額 |
---|---|
基本祭壇レンタル料金 | 30万円~50万円 |
人件費 | 一人あたり2万円~4万円 |
生花料金 | 30万円(一部)~100万円(祭壇全て) |
オリジナル祭壇デザイン料 | 5万円~ |
以上、祭壇費用内訳はあくまで目安なので、参考程度にご覧ください。
祭壇費用に人件費を含む場合もあれば、ホールの使用料に全ての人件費を含む場合もあります。
なお、キリスト教式は基本的に教会の祭壇を使うため、葬儀社への支払いはぐっと抑えられます。
祭壇の使用料は、教会側にお礼として納めることになります。
費用感を押さえたところで、次に祭壇を選ぶポイントについて解説します。
祭壇を選ぶポイント
祭壇を選ぶポイントは、宗派と費用、そして会葬人数を意識することです。
それぞれ詳しく解説します。
宗派を重んじるかオリジナルにするか
祭壇を選ぶとき、真っ先に考えるべきなのが、宗派を重んじるか、オリジナルにするかを決めることです。
神葬祭であれば祭壇の装飾品はある程度決まっているため、オリジナル色を出すことは難しくなります。
仏式、キリスト教式は、儀式用品さえそろっていればデザインはある程度自由ですが、斬新すぎるデザインは宗教者を驚かせてしまうかもしれません。
自分たちの希望も大事ですが、かなり派手なデザインにしたい場合は、菩提寺や所属教会の意見も尊重して決めましょう。
オリジナル祭壇の場合は画像資料を駆使してイメージを伝える
故人の趣味を生かしたり、故人の人となりを生花で表したりしたい場合には、具体的な画像資料を駆使して葬儀担当者にイメージを伝えましょう。
言葉だけでイメージを伝えると、できあがりに違和感を覚えてしまうことがあります。
インターネットでイメージに似た祭壇を探してプリントしたり、簡単にデッサンを行ったりして、イメージをアウトプットするのが大事です。
生花料金は供花料でカバーできる場合がある
生花をふんだんに使いたいと考えると、費用がかさみますが、生花料金は供花料でカバーできる場合があります。
供花料とは、参列者が購入する花籠や盛籠の料金のことです。
葬儀の際、祭壇脇に名札を付けた盛り花がズラッと並んでいるのを見たことがあるでしょう。
あの盛り花を用意する代わりに、祭壇の上に飾られる生花へ費用をあてさせてもらうのです。
供花料を提供してくれた人の名前は、受付脇などの芳名版に記されることになります。
供花料を祭壇の生花に振り替えると、祭壇料金はぐっと抑えられます。
ただ、可能な葬儀社と不可能な葬儀社があるため、事前の相談が必要です。
少人数の葬儀には祭壇を設ける必要がないこともある
家族葬のなかでも、会葬者が10人にも満たないような場合には、祭壇自体がいらないとする考え方もあります。
少人数なら、葬儀本来の主役である棺を囲んで儀式を営むことができるためです。
棺を場の中心に据えて、周りを生花で囲み、遺影台を設けるだけで、祈りの空間ができあがります。
宗教的な装飾をする必要がない、無宗教葬に向いている形式です。
ただ、仏式やキリスト教式であっても、香炉や十字架など儀式に必要なものさえそろっていれば可能な場合があります。
祭壇は葬儀に絶対必要なものとは限りません。
宗派、予算感、人数を考えながら、納得のゆく祭壇について見極めましょう。
まとめ
以上、祭壇の意味や種類、使用料の目安、祭壇を選ぶポイントについて解説しました。
祭壇そのものを買うわけではないとはいえ、使用料は決して安いものではないので、慎重に選びたいですね。
祭壇をこだわりたいなら、葬儀社への生前相談がおすすめです。
じっくり相談して理想の祭壇を作り上げれば、参列者に喪主の想いが伝わりますよ。
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後悔しないお葬式をおこなうためには、複数の葬儀社から希望に合う葬儀社をしっかり選ぶことです。
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監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
葬儀で使用する祭壇は、生花祭壇が増え、白木祭壇はひと昔前に比べるとずいぶん減ってきました。白木祭壇は、昔からあるものではなく、告別する場が野辺送りから告別式という形になり、戦後祭壇メーカーによって商品化されたものです。
仏式で使用する祭壇のベースとなる台の部分を須弥壇と言います。これは仏の世界観をあらわす須弥山を表現したもので、寺院の仏堂にもあるものです。しかし、時代が進むにつれ、その須弥壇の形はデザイン性が重視されるタイプも多くなっていきました。