埋葬の意味や目的について詳細解説!
「埋葬」という言葉は、あまり一般的ではないですよね。「納骨」や「散骨」といった言葉は、葬儀のことを調べていると耳にする機会は多いと思います。
- 「埋葬って土葬のこと?火葬のこと?」
- 「埋葬するにはどのくらい費用がかかるの?」
- 「埋葬の意味を知りたい。宗教毎に埋葬への考え方って異なる?」
この記事では、人を弔うために行われてきた「埋葬」について、言葉の意味や方法について紹介します。
宗教や国によって「埋葬」という言葉の意味は変わってきます。ぜひ、言葉の意味だけではなく目的について理解していただけると嬉しいです。
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この記事の目次
埋葬とは~意味や目的について~
埋葬とは、亡くなった人の遺体や遺骨を土の中に埋めることです。
ここでは埋葬の意味や目的についてご説明いたします。
どうして埋葬するのか。3つの理由
亡くなった人を土の中に埋めるのは次の3つの理由が考えられます。
- 死臭や腐乱による衛生面の悪化を防ぐ
遺体をその場に放置していたら、死臭が発生し、腐乱が進行します。
これは、遺された人々の生活の大きな妨げになってしまいます。
そのために土を掘って、その中に遺体を埋めます。 - 動物が荒らすのを防ぐ
埋葬をしないと肉食獣が荒らし、遺体を四散させてしまいます。それを防ぐ意味でも土中に埋葬します。
また、犬やイノシシなどは匂いをかぎ分け土の中の遺体をも荒らすと言われています。
それを防ぐために石が置いたのが墓石の始まりだという説もあります。 - 死者に敬意を払い、再生を願う
死臭を放ち、荒れた姿になっていくのを見るのはつらく、また亡くなった故人をないがしろに扱うようにも映ります。
故人を目に見えない場所、つまり土の中に埋葬することで故人の尊厳は守られています。
火葬しても土に還すのは、仏教よりも儒教の影響
元来、日本では土葬が主流だったために、遺体は土中に埋めることが当たり前でした。
土葬の理由はさまざま考えられますが、遺体の不衛生を防ぐための、最も簡単な方法だったのでしょう。
現在は火葬が主流です。
火葬をするとそうした衛生面での心配はないのですが、それでも埋葬するのはどうしてなのでしょうか。
ここには日本人の死生観や宗教観が見え隠れしています。
仏教発祥の地であるインドでは、火葬した遺体はガンジス川に流すと言われています(これを「水葬」と呼びます)。
インド仏教と日本の仏教には大きな違いがあります。
小乗仏教と大乗仏教です。
小乗仏教は、出家した修行者が己の力で悟りを開く、いわば自力本願。
一方、大乗仏教は、仏の教えで広く人々を救おうとする、いわば他力本願。
中国や韓国や日本などの地域に大乗仏教が広まっていったのは、この地域が儒教の影響を受けていることが考えられます。
儒教の教えでは、親子や先祖関係をなによりも第一に考えます。
つまり、儒教から見ると、修行のために出家するなんてありえないことです(家を出ると先祖関係が絶たれてしまいますよね)。
そもそも儒教的社会だった中国に、外来宗教である仏教がやってきて、二つが組み合わさったのです(ここに道教も加わります)。
そうして中国化された仏教がさらに日本にやって来ました。
日本でも仏教は、日本古来のアミニズム(自然崇拝)や神道など組み合わさり、こうしていまの埋葬文化があります。
日本人が、土葬でも、火葬でも、最後に遺骨を土に還すのは、儒教的な影響が色濃いのだと思われます。
埋葬方法の種類
「埋葬」とは遺体や遺骨を土の中に埋めることを指します。
昔のお墓は、埋葬した土の上に石碑を置くというシンプルなものでした。
しかし、ここ最近のお墓は、お墓の地下に納骨室(カロート)を設けて骨壺のまま納めます(地域による)。
お墓の中に納めるのに土には還らないこの状態は「埋蔵」と呼びます。
さらに、お寺の納骨堂などに遺骨を預ける際は「収蔵」と呼びます。
とてもややこしいのですが、これらはすべて法律用語として用いられています。
これらの用語別に、さまざまな埋葬方法についてくわしく見ていきましょう。
埋葬とは土葬の ~遺体を土の中に埋める~
埋葬とは遺体を土の中に埋めて、時間をかけて土に還すこと、つまりは土葬のことです。
ただし現在の日本は99.99%という割合で火葬が行われています。土葬は皆無といっていいでしょう。
埋蔵とは火葬後の納骨 ~お墓の中に遺骨を納めること~
埋蔵とはそもそも、何かを土の中に埋めて納めること全般を指す言葉です。
お墓の場面では、この「埋葬」と「埋蔵」の使われ方の線引きが実に曖昧ですが、ここで分かりやすく一線を引きたいと思います。
現在の日本の遺骨の処理は、まず火葬にし、その焼骨を壷に入れて、お墓に納めます。
お墓の地下は納骨室(カロート)と呼ばれ、四方を壁で囲まれています。遺骨はその中に納められます。
九州や沖縄などは、このカロートが地上にあり、内部の棚に骨壺を並べます。大きいものだと人が入れるほどです。
このように、遺骨を壷のまま納めて、お墓の中で安置しておくことを「埋蔵」と呼びます。
遺骨は土に還ることなくずっとそこにいつづけるので、「埋葬」とは異なるのです。
なお、地域によっては納骨室の底部が土になっているものもあります。
骨壺のまま納めるケースもあれば、遺骨を取り出して土に還すケースもあります。
収蔵とは納骨堂 ~地上の施設に遺骨を預けること~
「収蔵」とは地上の施設に遺骨を預けることです。
お寺の納骨堂や永代供養墓などがこれにあたるでしょう。
土の中に埋めるということをせずに遺骨を安置します。
細かいことをいうならば、九州や沖縄などで見られる、地上の納骨室のタイプのお墓も、「収蔵」と呼ばれるかもしれません。
宗教によって埋葬方法と意味が異なる
地域や宗教によって、埋葬方法もさまざまです。
キリスト教やイスラム教は土葬
キリスト教やイスラム教にはその根幹に復活思想があります。
もしも遺体が火葬されていたら復活できないために、土葬が原則です。
ただし、ヨーロッパでも北部のプロテスタント圏(イギリスやドイツなど)では、公衆衛生や合理性から火葬が広まっています。
インドの水葬(ガンジス川に遺灰を流す)
インドでは、人が亡くなるとまた新たに生まれ変わると考えるために、遺体や遺骨に執着しません。
ガンジス河の川岸で火葬された遺灰を川に流すのはそのためだと言われています。
チベットの鳥葬
チベットでは、遺体を解体し、鳥に食べさせる「鳥葬」が有名です。
鳥が肉を食べて天高く登ることから中国語では「天葬」とも呼ばれています。
これには風土的な問題もあります。
土葬して寒い土地のために微生物による分解がなかなか進まずに遺体が土に還らない。
高地であるために火葬の燃料となる薪が採れない。
このような理由から鳥葬がされてきたと言われています。
風葬
風葬とは、遺体を風にさらして風化を待つ方法です。
南西諸島や沖縄だけでなく、台湾、東南アジア、ポリネシアや南米などの環太平洋海域でみられてきた慣習です。
また風葬で白骨化した遺骨はやがて酒や水などできれいに清めてから、甕(かめ)に納めて埋葬しました。これを「洗骨」といいます。
最近ではあまりみられなくなった方法ですが、かつては世界中で洗骨が行われてきたそうです。
国内での埋葬は火葬での納骨が一般的
国内での埋葬は在の日本では、99.99%以上の確率で火葬が行われていると言われています。
土葬はほとんどみることができません。
また、焼骨(火葬した遺骨は)(=お墓)に埋葬されるのが一般的です。
最近では、寺院の永代供養塔、樹木葬、散骨など新しい方法も徐々にではありますが浸透してきています。
葬儀後から埋葬までの流れについて
葬儀後の埋葬までの流れを、もっともポピュラーなケースでまとめました。
- 葬儀終了。遺骨は自宅に安置する。
- 七日ごとに寺院が自宅にやってきて中陰法要をする(省略するケースが多い)
- 四十九日法要。仏壇と位牌を用意する。
- 一周忌や三回忌にあわせて墓地を取得し、お墓を建立する。
- 寺院にお墓の開眼法要をしてもらい、埋葬する。
※お墓の建立や埋葬に期限がありません。お墓がある場合は葬儀当日に埋葬することもあります。
埋葬方法の費用について
ここでは、さまざまな埋葬の費用をまとめました。
あくまでも参考にしていただければ幸いです。
お墓への埋葬
お墓への埋葬は、墓地の取得とお墓の建立が必要です。
墓地と墓石の価格で200~300万円近くはかかると言われています。
寺院の納骨堂
寺院の納骨堂に納める場合は、利用する納骨堂のタイプによって異なります。
安いもので20万円、高いもので100万円程度するでしょう。
永代供養
跡取りや墓守がいない場合はお寺に永代供養してもらいます。
こちらも供養の方法によって異なります。
合祀のような簡素な方法だと数万円。
33年まできちんとした供養をしてもらう場合は50万円前後かかるでしょう。
埋葬するときに気をつけること
昨今ではさまざまな埋葬の方法がありますが、一度してしまうと二度と遺骨が還って来ないものもあります。
たとえば、海洋散骨であったり、合祀(他の人と同じ場所に埋葬される)であったり。
家族構成や費用の問題から、さまざまな埋葬の方法を選ぶことができますが、あくまでも遺された人があとあと困らないような方法を事前に考えて閑雅ておくのが賢明です。
まとめ
いかがでしたか?
埋葬と言いましても、従来の意味での「土葬」は日本では行われていません。
一度焼骨にした遺骨を、さまざまな方法で供養するのです。
さまざまなライフスタイルにあわせて方法が脚光を浴びています。
しかし、故人様は遺された人たちにとってのルーツにもなりえます。
のちのちの人たちが手を合わす場所を考えておくのも大切なことかもしれません。
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