通夜・葬式での化粧はここに気をつける!知っておきたい大人のマナー
突然の通夜や葬式に行くことになっても、「喪服を着ればそれで問題ない」と思っている女性は多いのではないでしょうか。
でも、待ってください!葬儀という落ち着いた場所では、服装だけではなく、化粧や髪型にも気をつけなければならないポイントがあります。
この記事ではこのような疑問を解消!
- 「厚化粧がだめなら、ノーメイクなら問題ない?」
- 「薄目のお化粧って、ポイントごとにどの程度したらいい?」
- 「カラフルなジェルネイルは取らなきゃダメ?」
- 「いつもカラコンを着けているけど、やっぱりマナー違反かな?」
この記事では、通夜や葬式といった葬儀の場にふさわしい化粧のポイントと、そのほか身だしなみについて解説いたします。
ポイントを意識し、大人の女性としてマナーのある振る舞いをしましょう。
ノーメイクはマナー違反!葬儀メイク「片化粧」を知る
「葬儀の場は派手なメイクはダメだという。それならばノーメイクでいけばいいのでは?」と思ってしまうかもしれません。
しかし、これは原則としてNGです。大人の女性にとっては、ノーメイクは逆にマナーを欠く行動となってしまいます。 葬儀の場には、それにふさわしい化粧があります。
葬儀メイク「片化粧」とは
葬儀のときの化粧に使われる表現として、「片化粧(かたげしょう)」があります。
これは、ごく簡単にわかりやすい言葉で言うのであれば、「薄化粧」を意味するものです。
ただ、一般的な薄化粧とは異なり、基本的には口紅は用いません。用いるとしても、派手な赤色ではなく、ほんのり色づく程度のものにしておきましょう。
ちなみに、「なぜ口紅をひかないのか」については、「悲しみのあまり、紅をひくこともできませんでした」というような由来があると言われています。もちろん、華美な印象を与えるからという理由もあります。
ノーメイクは失礼になる
大人の女性であるのならば、特段の事情がない限りノーメイクは避けるべきです。
たとえば、「肌が極端に弱くて、医師から化粧そのものを禁止されている」などのような状態でない限りは、きちんと化粧をしていきましょう。
葬儀時の化粧というのは、「顔を華やかにすること」「おしゃれにすること」が目的なのではありません。一般的な社会人のマナーとしての「身だしなみ」です。男性がヒゲをそり落とし、髪の毛を整えるのと同じで、社会人の女性には相応の化粧が求められます。
なお、学生さんの場合は原則として化粧は必要ありません。
パールやラメ、グロスなどのキラキラ系は控える
「口紅をひいてはいけないのなら、グロスやリップならばOKだろう」と考える人もいるかもしれません。
この考え方自体は間違ってはいませんが、少し注意も必要です。
もちろん商品にもよりますが、グロスはかなりキラキラして見えるものが多い傾向にあります。このため、この「テカリ」「キラキラ感」が葬儀の場で悪目立ちしてしまう可能性があります。そのため、原則として避けましょう。
また、パールやラメの入ったものも避けるようにします。特に注意したいのは、アイシャドウです。現在は「パールがそもそも組み込まれている」というアイシャドウも多いので事前に必ずチェックをしておいてください。
パーツ別 片化粧のポイント
ここからは実践編として、パーツ別の葬儀用の化粧のポイントについて見ていきましょう。
肌:ベースメイクも薄目を意識
「コンシーラーをガッツリ入れて、元の顔の色が分からないくらいに厚塗りをして、美白に見えるようにする」という考えは、葬儀の場面では相応しくありません。
葬儀のベースメイクに必要なのは、「落ち着いた色合いにすること」です。
役に立つのは、BBクリームでしょう。これを使うとかなり自然な感じに仕上がります。「透き通った肌」は普段ならば好まれますが、葬儀の場では、光沢のない質感で仕上げることを目指します。また、ベースメイクに限った話ではありませんが、葬儀の際の化粧は、「見苦しくない程度」を心がけます。
普段より薄くいれるように心がけましょう。
眉:整える程度を意識する
「普段から眉毛をすべてそり落としている」という人は、自分で書くことになります。自分の眉毛がある人は、それを生かして、自然な形で仕上げるとよいでしょう。
眉毛は細くしすぎると、どうしても「いかにも『描きました!』という感じの出来上がり」になってしまいます。ナチュラルさを求められる葬儀の場面ですから、眉毛はやや太くても構いません。
色は、ダークもしくは落ち着いたブラウンがいいでしょう。髪の毛の色に合わせるのが鉄則ですが、明るすぎる色は避けた方が無難です。
目:ビューラー、マスカラ、カラコンは必要なし、アイシャドウは原則OK
次は「目の周りのメイク」について見ていきましょう。
まず、目を大きく、華やかに見せてくれるマスカラやつけまつげ。これらは必要ありません。また、同じように、ビューラーでまつげを上げることも避けましょう。「極端な下向きのまつげを持っていて、目によくあたる」などのように特段の事情がある場合を除き、使わないようにします。
いわゆるデカ目効果のあるカラーコンタクト(以下「カラコン」)も利用しません。カラコンの場合、目が不自然に大きく見えてしまうこともあるため、葬儀の場では避けるべきです。
アイシャドウは、基本的には付けていっても構いません。しかし色にはこだわるべきです。原則として、黄色や青、赤、緑といった派手な色は避けます。もっとも無難なのは、落ち着いたブラウン系統です。もしくは薄いピンクを選ぶがおすすめです。上でも述べたように、ラメの入ったものは選ばないようにします。
口:口紅は薄い色を選ぶ
「片化粧」の原則を考えるのであれば、口紅はつけない方がよい……ということになります。
現在は『薄い色のものならばつけてもよい』とする考えもでてきています。メイクの一つとして口紅が広く普及するようになったことや、薄い色の口紅もたくさん出ていることが、このような「考え方の変化」につながったのかもしれませんね。
ただ、口紅は「つけていないようにみえる」という程度の色のものを選ぶのが無難でしょう。極めて薄い色のものを選び、派手な色のものは避けます。また、顔色が悪く見えてしまいがちな「深いブラウン」などは、避けた方がいいかもしれません。
頬:チークもできれば使わない
チークは血色を良く見せるためのメイク道具です。このため、亡くなってしまった方とのお別れのシーンでは、相応しいものではありません。原則として使わないようにしましょう。
ただ、「チークがないと、明らかに顔色が悪く見える」というような場合は、薄付きのものならば採用してもよいでしょう。丸く入れるのではなく、頬骨の位置を意識していれます。また、「チークが入っている」ということを気付かせないように、ぼかします。
突然の葬儀にも安心!仕事用メイクを片化粧にする裏ワザ
人の生死というのは、まったくわからないものです。仕事用のメイク道具しかないのに、急に葬儀が入るということも。そのような場合はどうしたらいいのでしょうか。
ティッシュをフル活用
急場の措置として使いやすいのがティッシュです。これは何かと便利に使えます。
特に、グロスなどをぬぐい、テカテカ感を押さえることに役立ちます。
また、口紅などでも、どうしても透明感が出すぎてしまうということであれば、ティッシュで押さえるようにしてください。こうするだけで、印象が大きく変わります。
フェイスパウダーでツヤ感を抑える
ラメが入っていないフェイスパウダーを使用し、肌の仕上がりをマットに見せるのもポイントです。 通常、ラメやハイライトを使用したツヤ感のあるメイクというのは、パーティーなどの華やかな場に向けたメイクです。
皮脂をティッシュで軽く抑え、その上からマット感のあるフェイスパウダーをはたきましょう。
この時、肌の色に合わないカラーの使用や粉の付け過ぎにより、顔色が悪く見えることがないように気をつけましょう。顔全体的に軽くフェイスパウダーをはたくようにします。
その他、気をつけるべき身だしなみ
ここまでは「化粧」を中心としてお話してきましたが、最後に、プラスアルファとして「葬儀の格好」について見ていきましょう。
服:地味な色で露出を控える
「故人との関係性」「葬儀かお通夜か」によって格好は異なりますが、黒、もしくは濃い紺色の服装を選ぶべきです。灰色も可とされていますが、一着、黒か紺色の服を持っておくと安心です。
夏場でも、原則として肌は見せません。葬儀会場はエアコンも効いていますから、原則として長袖です。そうでない場合は七分丈を選びます。
靴:色は黒でエナメル素材は避ける
靴は黒色のものを用意します。エナメル素材などの表面が光る素材は避けるのが賢明です。
また、葬儀の場なので、「殺生」に繋がるものは避けます。ワニ皮などの素材はやめておきましょう。また、フェイクであったとしても、「ワニ皮やヘビ皮などに見られるもの」はやめておくべきです。
髪:長い髪はまとめるのが無難
髪の毛は基本的にはまとめます。ただ、このあたりは地域差・個人差にもよるため、なかなかはっきりとは言えません。長い髪の毛のまま参列される方もいらっしゃいます。ただ、どちらでもいいように、バレッタなどを持っていくと安心でしょう。
爪:派手なネイルは黒手袋で隠す
女性に多い「ネイルアート」。自分でつくっているもの、マニキュアを塗っただけ……というものであるのなら、オフにするのが望ましいでしょう。
ただ、「ついこの間ネイルアートをしてもらったばかりなのに!」という人にとっては、かなり勇気のいることです。
このような場合は、黒の手袋で手元を隠すとよいでしょう。また、濃いベージュ色のマニキュアを塗ることで、ジェルネイルを隠すことができます。手袋に抵抗があり、時間のある方はこちらを試すと良いでしょう。尚、ベージュ色のマニキュアを落とす場合は、アセトンを含まない除光液を使いましょう。ジェルネイルはそのままに、上のマニキュアのみを落とすことができます。
飾:指輪やネックレスはシンプルにする
賛否両論はありますが、ネックレスは原則としてつけない方が安心です。真珠ならば可、とも言いますが、これは「つけるならば真珠を」という意味であり、「真珠のネックレスが必須」というわけではありません。また、つけるのであれば、必ず一連のものを選びましょう。
結婚指輪以外の指輪はつけません。
葬儀の服装や持ち物についてさらに詳しく知りたい人は、
「通夜と告別式では服装が違う!目的に合わせた適切な身だしなみ」を参考にしてください。
まとめ
通夜や葬式といった葬儀の席では、
- 片化粧が求められる
- メイクはおとなしく
- 服装にも気を配ること
上記の身だしなみが求められることをご紹介してきました。
化粧や服装に通ずることは、「控えめ」にすることです。これは、故人や遺族の方への配慮を表します。
葬儀に出席する際は、ついドタバタとしてしまいがちです。しかし、葬祭の場ということを忘れずに、大人のマナーを意識した振る舞いをしましょう。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
通夜や葬儀に参列する際の女性の化粧について考えてみたいと思います。喪服のときは「片化粧」といって薄化粧にすべきと言われています。ただ人によって、通常メイクの基準が違いますので、実際の現場で参列者のメイクを観察していると、かならずしも薄化粧ばかりではないと感じています。ただ、一般的には色味を多用せず、チークなどもベージュ系でまとめた方が無難であることに違いはありません。
髪型も、奇抜なスタイルでない限り、普段と同じでもかまわないでしょう。ただ、受付を頼まれるなど、遺族側の立場としてお手伝いをする場合は、お迎えする立場として失礼にならないような身なりを心掛けたいものです。
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