3分でわかる!通夜の食事、通夜振る舞い(通夜ぶるまい)の作法とマナー
通夜が終わった後、弔問客を別室に案内して酒食をふるまうことを通夜振る舞い(通夜ぶるまい)と言います。
お通夜では、通夜振る舞いに応じて、故人と最後の食事をともにするのが一般的です。
焼香後に、葬儀社や遺族からすすめられたら、短い時間でも座って箸をつけましょう。
ただし、地域によっては、通夜振る舞いがない場合もあります。
この記事の目次
通夜振る舞いとは?
通夜振る舞いとはお通夜に参列してくれた弔問客を別室に案内してもてなす儀式です。
軽食やお酒を出して、弔問のお礼とともに、思い出を語り合って故人を偲びます。
通夜振る舞いには、弔問のお礼とお清め、故人への供養のための故人とともにするこの世での最後の食事という意味があります。
通夜振る舞いの食事は、お斎(おとき;葬儀・法事など仏事でとる食事)と呼ばれます。
お斎は、飲食を楽しむための食事ではなく、亡き人を偲んだり、法話を聞いたりして、お互いに語りつつ会食する、仏様と仏弟子が食事をともにする仏事のひとつです。
通夜振る舞いの席は、故人への供養とともに、弔問客への感謝の気持ちを表す席で宴会ではありません。
故人の思い出を語り合うしめやかな席になるよう配慮します。
弔問客も、故人を偲んでしめやかに思い出を語る場ですので、節度を持ちましょう。
また、長居も禁物ですので、頃合いをみて失礼しましょう。
通夜振る舞いの最中は、世話役やお手伝いの人は裏方なので同席はできません。
世話役の人たちには、別室で仕出し弁当か、通夜振る舞いと同じ料理を交代で食べてもらい、弔問客が帰ったら、お手伝いの人を通夜振る舞いと同じように、お酒や食事でもてなします。
通夜振る舞いは必ずするとは限らない
通夜振る舞いは、仏事のひとつなので、ほとんどのお葬式では行います。
ただし、最近では、通夜振る舞いを行わずに、通夜振る舞いの代わりとして、弔問客に酒と折詰め、あるいはビール券や商品券などの粗供養品を持ち帰ってもらうこともできます。
葬儀社に粗供養品を頼むと残った分を引き取ってくれるところもあります。
また、最近では、通夜振る舞いをするための部屋の確保が難しく、弔問客には受付から式場での焼香、通夜振る舞いの席へと式場係の誘導によって一巡してもらい、順次退席してもらう簡略化された通夜が、都市部を中心に定着しています。
さらに、地方によっては、通夜振る舞いの習慣がなく、親族だけが席について、弔問客はまんじゅうや寿司の折詰めなどの返礼品を食事の代わりに持ち帰るところもあります。
このあたりはお願いする葬儀社に確認するとよいでしょう。
キリスト教では通夜ではなく、前夜式と呼びますが、カトリック、プロテスタントともに派手な通夜振る舞いは避ける傾向にあります。
通夜振る舞いの料理
元来は、精進料理で、肉や魚は避けられていましたが、最近では、特にこだわらず、簡素化されて、寿司や刺身などが出る地域もあります。
手軽につまめるサンドイッチやオードブルなどを大皿に盛ってもてなすなどでも構いません。
また、死の穢れを清める意味もあり、日本酒やビールなどのお酒も用意します。
弔問客にひと通り行き渡る程度の量でいいでしょう。
かつては、夜更けまでの酒宴になることもありましたが、最近では簡単に1~2時間程度で終わることが多いです。
車で来る人や子供などのためにジュースなども用意しておきます。
通夜振る舞いの料理の準備は、葬儀社に手配してもらうこともできます。
その場合は、弔問客の人数を予想して葬儀社に依頼します。
地方では、喪家で手伝いの人がご馳走を作りますが、都会では店屋物や仕出し屋に頼む場合が多くなっています。
通夜振る舞いの作法とマナー
地域によって参加者の範囲は異なる
通夜振る舞いに参加する範囲は地域によって異なります。
関東地方では一般会葬者も参加しますが、関西地方では遺族や親族のみで通夜振る舞いを行うことが多いです。
声をかけられたら参加する
通夜式で僧侶が退場した後に喪主の挨拶で通夜振る舞いのアナウンスがあります。
強制ではありませんが、故人を偲ぶという点から、声をかけられたら断らず、参加しましょう。
参加する場合には、ひと口でも箸をつけるのがマナーで、箸をつけることが故人の供養になります。
遺族側も、弔問客にその旨を伝えて、席についてもらようにお願いしましょう。
お酒は節度をもって飲む
通夜振る舞いの席では、お酒が用意されることもあります。
飲める人は飲んでも構いませんが、あくまでも故人を偲ぶ場で、宴会ではありません。
節度を守って、飲みすぎって酔っ払ったり、盛り上がって大きな声を出したりすることがないようにしましょう。
30分程度で退席する
通夜振る舞い自体は1時間程度行われますが、故人や遺族と親しい間柄ではない場合は長居せずに30分程度で退席しましょう。
通夜振る舞いを辞退する場合
通夜振る舞いは応じるのがマナーですが、やむをえない事情があるならすぐに帰っても構いません。
どうしても通夜振る舞いを辞退する必要がある場合には、遺族や世話人に挨拶をし、退席する際は両隣の人に「お先に失礼します」と挨拶して、目立たないように退席します。
ただし、それでも通夜振る舞いへの参加をお願いされた場合には、一口でも箸をつけるようにしましょう。
僧侶にはできれば同席してもらう
地域や寺院によりますが、できれば同席してもらったほうがよいでしょう。
もし、僧侶が通夜振る舞いを欠席する時は御膳料(ごぜんりょう)を渡します。
表書きを御膳料として、毛筆か筆ペンで、普通の墨で書きます。
無地の封筒で、水引・のしのないものにします。
喪主の氏名は、御膳料よりもやや小さめに、毛筆か筆ペンで、普通の墨で書きます。
僧侶に不幸があったわけではないので、薄墨では書きません。
御膳料の金額
御膳料の金額は5,000~10,000円程度が目安です。
御膳料を渡すタイミング
御膳料は、葬儀が終わってからか、お通夜の前か後に渡します。
通夜振る舞いでは親族、世話役、手伝いの人を労う
親族や世話役など、葬儀の手伝いをしてくれる人は参列者の案内などで忙しく、なかなか食事をとることができません。
遺族側が気を配り、事前に食べ物などを用意しておくとよいでしょう。
または、通夜振る舞いの料理があれば、それを食べてもらいましょう。
受付、会計などを手伝ってもらった場合も、通夜振る舞いの席で必ずお礼を言いましょう。
心づけはできる範囲でしましょう。
表書きは、御礼、志として渡します。
遺族に対して配慮する
故人と関係のない話はしないなど、遺族への配慮も忘れないようにしましょう。
遺族は身内を亡くしているということを忘れないようにしましょう。
また、通夜振る舞い中も遺族は忙しくしています。
遺族と話し込んだり、邪魔にならないようにしましょう。
通夜振る舞いのNGマナー
通夜振る舞いのNG①:遺族に死因を尋ねる
故人の死因について触れられたくない遺族もいます。
気になっても、死因をたずねないのがマナーです。
通夜振る舞いのNG②:大声で笑う
たとえ、遺族から「にぎやかなほうが故人も喜びます」と言われても、遺族の気持ちを考えて、大声で笑ったり、はしゃぐことは慎みましょう。
通夜振る舞いのNG③:仕事の話をする
仕事関係の人と会っても、そこで名刺交換をしたり、仕事の話などをするのは失礼にあたります。
通夜振る舞いのお開きのタイミング
予定の時間が過ぎたら、喪主や親族の代表者などがあいさつをします。
その後、喪主や遺族は帰る弔問客を見送らなくても失礼にはなりません。
通夜振る舞いのあとにやること
通夜振る舞いの後は遺族や身近な方々のみで故人を見守る時間になります。
また、喪主と世話役などは、葬儀社と翌日の葬儀の打ち合わせを行い、司会者、弔辞の順番、喪主の挨拶などを確認します。
弔電は、遺族がチェックして、読み上げるものを決めます。
名前や肩書きなどの読み間違えのないように、ふりがなをつけると丁寧です。
また、出棺の際に誰が棺を運ぶかも、このときに確認します。
その他、会計係から香典を受け取ります。
通夜後に確認すること
- 翌日の葬儀の式次第
- 紹介する弔電
- 挨拶の内容
- 出棺時に棺を運ぶ人
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監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
通夜に参列すると、式場の出入り口付近で「お清めの席がありますのでどうぞ」と案内されることがあります。これが「通夜ぶるまい」の席です。通夜ぶるまいは、故人との最後の共食という意味もありますから、一口でも口をつけるのがマナーと言われていましたが、近年は、特に都市部では通夜ぶるまいの席に立ち寄らないで後にする人が増えたように感じます。さらに葬儀の簡素化、通夜を省く一日葬の増加によって、通夜ぶるまいをしないというケースも増えてきたように思います。 知人の通夜では、親戚を中心に故人が生前よく通っていた店の「うな重弁当」を配っていました。内々だけの家族葬のような形が増え、共食のスタイルも時代に合わせて変化しています。