葬儀とは何かがわかる!葬式・告別式との違いについて
葬儀とは何だろうと考えたことはありますか。あなたは、葬儀と聞いて何を思い浮かべますか。
いわゆるお葬式でしょうか、 それとも、通夜や火葬も含めた、亡くなってからの一連の儀式の流れでしょうか。
じつはどちらも、「葬儀」の意味としては正しいといえます。しかし、この曖昧さが混乱を招く原因になることがあります。
最近では葬儀に対する考え方が人によって違い、「一般参列者を呼ばない」「通夜をしない」など、さまざまなものを省略する人も増えているからです。
この記事ではこのような疑問を解消!
- 「葬儀への参列はご容赦ください」とお知らせ状に書いてあるとき、通夜には出ていいの?
- 「葬儀はしない」というときは、通夜もしないことになるの?
- 「葬儀」「葬式」「お通夜」「火葬」の意味の範囲がわからない。
この記事では、以上のような悩みを持つ人のために、葬儀の意味の範囲を解説したうえで、 葬儀にまつわるさまざまな事態に、どう対処するのが最適なのかをお知らせします。
さまざまな葬儀の形がある現代で、あなた自身がどのような葬儀を選ぶのか、その指針もハッキリ見えてきますよ。
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葬儀には2つの意味がある
葬儀には、2つの意味があります。
- 「葬式」を「葬儀」と呼ぶ場合
- 死後~火葬にいたるまでの儀式全てを「葬儀」と呼ぶ場合
上記の通り、一般的に2通りの使い方がされることが多いです。順番に詳しく説明します。
1. いわゆる「葬式」を「葬儀」と呼ぶ場合
通夜の翌日、火葬の前に営まれる儀式のことを「葬儀」と呼ぶのだと理解している人は多いでしょう。
この儀式は、「葬儀」のほかに「葬式」などとも呼ばれています。
つまり、「葬儀」イコール「葬式」というのが、一般的な理解です。
これが、ひとつめの意味での葬儀です。
2.「通夜」「葬式」「火葬」をまとめて「葬儀」と呼ぶ場合
臨終から火葬に至るまでの一連の儀式を、まとめて「葬儀」と呼ぶ場合があります。
例えば、「葬儀日程を決める」というときには、いわゆる葬式をいつにするかを決めるのではなく 通夜、火葬、葬式すべての日時と場所を決定するという意味を持ちます。
これが、ふたつめの意味での葬儀です。
以上のように、葬儀には2つの意味があります。
この記事では、意味を混同しないよう、あくまで便宜的に多くは通夜の翌日に行われる供養の儀式を「葬式」と呼び、通夜・葬式・火葬などの亡くなってすぐに行う儀式を「葬儀」と呼ぶことにします。
葬式と聞いて、もう一つの言葉を思い浮かべた人も多いでしょう。「告別式と呼ぶこともあるよね。それと葬式はどう違うの?」
次章では、「葬式」と「告別式」の違いについて解説します。
「葬式」と「告別式」の違い
「葬式」と「告別式」には、明確な意味の違いがあります。
順にその意味を紹介していきます。
「告別式」は宗教的な儀式を含まない
「告別式」は、本来は宗教的な儀式を含まない葬式のことを指します。
宗教的な儀式とは、お坊さんがお経を読んだり、神主が祭祀をあげたり、牧師が聖書を読んだりすることです。
主に、故人と宗教者のための儀式の部分を指します。
一方、宗教的な儀式を含まない部分とは、弔事や弔電、喪主のあいさつなどです。
主に故人と別れを惜しむ人たちのための儀式の部分を指します。
つまり「告別式」とは、無宗教で行われるお別れの儀式のことです。
ただ、告別式という言葉が浸透している地域によっては、宗教的な儀式を含んでいても「告別式」と呼ぶことがあります。
「葬式」は宗教的な儀式を含んでいても無宗教葬でも使う
「葬式」は、宗教的な儀式を含んでいても、無宗教葬であっても、どちらでも使える言葉です。
通夜の翌日、多くは火葬前に行われる儀式を指す言葉として、オールマイティに使えます。
以上、「葬式」と「告別式」の違いについてお伝えしました。
「葬儀」「葬式」「告別式」と並べてみると、だいぶ意味が紛らわしいですね。
次は、意味の違いに戸惑いがちなシーン別に、具体的な対応方法をお伝えします。
意味に戸惑うシーン別の対応法
この章では、葬儀の意味にまつわるありがちなシーン別に、どう対処するべきかをお答えしていきます。
心当たりのあるシーンが、けっこうあるのではないでしょうか。
「葬儀への参列はご容赦ください」とお知らせ状にあったとき
葬儀のお知らせ状をもらったとき、「葬儀への参列はご容赦ください」と書いてある場合があるかと思います。
これは、いわゆる「葬式」には来ないでくださいということでしょうか、 それとも「通夜」にも「葬式」にも来ないでくださいということでしょうか。
実は、これだけでは、どちらとも言えません。
お知らせ状をよく見てください。通夜の日時や場所については、書いてありますでしょうか。
もし、通夜の日程が明らかであれば、「葬式には来ないでほしいけれど、通夜には来てもいい」ということを表します。
一方で、お知らせ状に何の日程も見当たらない場合は、「葬式にも通夜にも来ないでほしい」ということを表します。
「葬儀は14時から」といわれたら、14時に行けば火葬に間に合うか
「葬儀は2時より執り行います」とお知らせ状に書かれていたら、「2時に行けば葬式に出られるし、最後に顔を見てお別れできる」と思う人が多いでしょう。
しかし、東北など一部の地域では、葬式の前に火葬をします。
つまり、この場合、2時の時点ではすでにお骨になっているので、顔を見てお別れすることができません。
このように、とくになじみのない地方で葬儀に参加するときには、「火葬が先か、葬式が先か」をまずは確かめてみましょう。
「直葬で行います」といわれたとき、通夜や葬式はない
「直葬で行います」とお知らせに書かれていたら、一般の会葬者が参列できる機会はまずないと思ったほうがいいでしょう。
「直葬」とは、通夜や葬式を行わず、火葬だけを行う葬儀のことです。
どうしても最後にお顔を見たいと思ったら、親族に直接相談しましょう。
「家族葬です」なら通夜や葬式はあるが基本的に親族だけの会葬
「家族葬で行います」とお知らせ状に書かれていたら、一般の会葬者は、特別に呼ばれるのでなければ参列できません。
家族葬とは、近親者だけで営まれる葬儀のことです。
通夜も葬式も行う場合もあれば、葬式だけを行う場合もあります。
いずれにせよ、基本的に親族だけの会葬となります。
血縁者でなくても、特別に故人と親しくしていたのであれば、遺族から参列してほしい旨の連絡がいくことでしょう。
「ワンデーセレモニー」「一日葬」は通夜か葬式をする
「一日葬で行います」「ワンデーセレモニー形式とします」といわれ、なんのことかわからず戸惑った経験のある人もいることでしょう。
一日葬、あるいはワンデーセレモニーというのは2000年代から出てきた葬儀の形式で、通夜か葬式、どちらかを行います。
通夜と葬式、同じような儀式が2回続くと親族の負担になるため、いずれかのタイミングにまとめて行おうという発想から生まれています。
ワンデーセレモニーに参列するときは、夕方なのかそれとも日中なのか、時間帯に気をつけましょう。
お別れ会は多くが無宗教のもの
お別れ会は無宗教であり、また火葬はすでに済ませてあるケースが圧倒的に多いでしょう。
一般的なお別れ会は、臨終から始まり火葬に至るまでの一連の葬儀の流れにはなく、そのあとに営まれます。
以上、具体的に考えられるケースについて、その意味や対応すべきことなどをお答えしました。
ここで「自分の、または自分の親のときには、どのような葬儀にしようか?」と考え始めた人もいるのではないでしょうか。
次章では、葬儀の一連の流れを考えるにあたって、ポイントになることをお伝えします。
葬儀を考えるなら「通夜」「葬式」「火葬」すべてを考える
葬儀をどうするかを考えるときは、「通夜」「葬式」「火葬」について、どのようにするのが自分や家族らしさが出るのかを考えなければなりません。
「直葬」「家族葬」「ワンデーセレモニー」「お別れ会」など、葬儀の形式を表す言葉は増えてきました。
しかし、いずれにしろ、考えなければならないことは同じです。
「通夜」をするか、しないか。するとしたら、誰を呼ぶのか。
「葬式」をするか、しないか。するとしたら、誰を呼ぶのか。
「火葬」は、どのタイミングで行うのか。
それぞれについて態度を決めれば、オリジナルな葬儀の形が見えてきます。
「通夜」への態度の決め方
多くの通夜には、一般会葬者がたくさん来ます。
通夜が営まれるのは夕方からなので、仕事帰りに寄ることができるためです。
よって、通夜を行わないということは、一般の参列者がぐっと減少するということにつながります。
故人との最後の夜を、家族だけでゆっくり過ごしたいという人は、通夜のない葬儀を選ぶのがいいでしょう。
または、一般会葬者にはお知らせを出さず、家族だけで通夜を営むというスタイルもあります。
「葬式」への態度の決め方
葬式は、故人とお別れする最後の機会です。
葬式をするなら、3つの選択肢があります。
- 一般会葬者も呼んで盛大に葬式をする
たくさんの人へ感謝を示したいときに有効です。 - 親族だけでひっそりと葬式をする
親族だけで気のおけないお別れをと思うときに有効です。 - 葬式自体をしない
すでにお別れは済んでいると思うときに有効です。
どの方法が自分と家族の希望を叶えるのかを考えて、決めるようにしましょう。
「火葬」のタイミングの決め方
火葬には、3つのタイミングがあります。
- 葬式の後に火葬をする
葬式に会葬する人たちが、最後のお別れのために故人と会うことができます。 - 火葬の後に葬式をする
火葬場へと出棺する前の、最後のお別れの時間は、家族だけでゆったりと過ごすことができます。 - 身内だけで葬式を行った後に火葬し、後日お別れ会を催す
火葬前は身内だけの葬式なのでゆったり過ごせて、後日お別れ会をすれば、生前お世話になった人たちに感謝を表すことができます。
宗教者の方針や地域の風習によっても、火葬と葬式の順番は変わることがあります。ご住職や近隣の親族とよく話し合って決めるようにしましょう。
まとめ
以上、「葬儀」とは何を指すのか、そして意味に迷いがちなケースではどう対応するのかについて説明しました。ひとくちに「葬儀」と言っても、さまざまなシーンを表すことがありますので、注意が必要です。
自分や家族のための葬儀はどうすべきかについてもあわせて考え、納得のいくスタイルで葬儀を行いましょう。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
葬儀は、「葬送儀礼」の略で、これには大きくわけて3つの意味があります。
ひとつは狭い意味で宗教儀礼等をメインに故人を「あの世」へ送り出す儀式のこと(最狭義)。
この記事では「葬式」にあたる部分で、通夜も告別式も含みません。
もう少し広い意味で捉えると、通夜、葬儀・告別式等のセレモニー全般をあらわすようになります(狭義)。
この記事でいう葬儀にあたる部分です。
さらに広義で捉えると、セレモニーだけでなく、四十九日や一周忌などの弔いの儀式、追悼儀礼、さらに先祖の祀りなど、葬送に関する一連の儀礼を意味します。
弔いの儀式は、臨終(もしくはそれ以前)から喪にいたるまで、一連の流れで捉えていくことが大切です。
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