ペット用仏壇について!種類や供養法を紹介
家族であるペットを亡くすことは、とても辛い経験です。
人間同様の供養を行ってあげたいと願う人が多いことのあらわれで、ペットの「家族化」が進んでいるといえます。
- ペット仏壇の種類にはどんなものがあるの?費用はどのくらい?
- どうやって供養すればいいの?
- ペットの看取り方がわからない。
この記事では、以上のような悩みを抱えた人のために、ペット仏壇の種類や費用、供養法についてご紹介した後、ペットの看取り方についても解説します。
仏壇以外の供養法もご案内するため、自分とペットにとって最適な供養の形が見つかりますよ。
ペットの仏壇は大きく分けて3タイプ
ペットの仏壇は、大きく分けて3タイプがあります。
- ミニチュア仏壇タイプ
- ボックスタイプ
- ステージタイプ
以上の3つです。それぞれ詳しく説明します。
人間の仏壇とそっくりなミニチュア仏壇タイプ
ミニチュア仏壇タイプは、人間の仏壇を模したものです。
漆塗り、もしくはニスなどで仕上げてある木製の小さな仏壇で、扉は観音開きになっています。
仏壇の内部には、位牌や遺影、仏具などを置けるため、まるで人間のような供養が可能です。
仏具のかわりに骨壺を納めておくこともできます。
ペットも家族なのだから、人間同様に手厚い供養をしてあげたいと願う人におすすめです。
フォトフレームとドッキングしたボックスタイプ
ボックスタイプは、表面にフォトフレームを配した箱型の仏壇です。
遺影の役割も果たしているため、フォトフレームを買う必要がなく経済的といえます。
木製のほかに、ピンクやブルーなど可愛らしい色のプラスチック製が売られています。
内部には、仏具の他に骨壺や、思い出の品などを収納することができます。
ミニチュア仏壇タイプよりも愛らしい雰囲気になるため、ペットの可憐さを引き立てます。
シンプルなステージタイプ
ステージタイプは、仏壇やボックスのような収納箱を持たず、ひな壇だけがあるシンプルな仏壇です。
多くは、上段に遺影や骨壺を置き、下段に仏具を置いて供養を行います。
箱型のようにしまうスペースがないため、常に遺影や仏具が目に触れている状態で供養したい人におすすめです。
以上、ペット仏壇の種類をご紹介しました。
3つのタイプ、それぞれに個性があります。
さらに、タイプによって相場も変わってくるため、次章では仏壇の費用について説明しましょう。
ペットの仏壇の相場は1万円から5万円
ペットの仏壇の相場は、1万円から5万円です。
大きなものだと100万円を超える人間用仏壇と比べると、だいぶ費用が抑えられることがわかるでしょう。
タイプ別の費用相場は以下の通りです。
仏壇のタイプ | 費用相場 |
---|---|
ミニチュア仏壇タイプ | 3万円から5万円 |
ボックスタイプ | 1万円から3万円 |
ステージタイプ | 1万円から2万円 |
値段の違いは、ほとんどが素材の違いです。
プラスチック製は安価で、木製はやや高く、木製の中でも天然木を使った仏壇は値が張る傾向にあります。
以上、ペット仏壇の費用についてご紹介しました。
しかし、ペットの供養は、仏壇を買うだけではできません。
こまごまとした仏具が必要になります。次章では、ペット仏具と供養法についてご紹介します。
仏壇の他に揃えたい仏具と供養法
仏具の他に揃えたい仏具と、仏具による供養法は以下の通りです。
自分の希望に合わせて揃えましょう。
- おりん、線香立て、花立て(セットで5千円程度)
人間同様、仏式で供養したいなら、線香立てやおりんが必要です。
毎朝、あるいは記念日などに花を活け、線香を立てておりんを鳴らし、供養します。 - 水入れ、供物皿(それぞれ千円程度)
生きている間と同じように、お水やご飯を上げたいという人は、水入れと供物皿を用意しましょう。
専用の水入れや供物皿が売られていますが、家にある小皿などで代用することもできます。 - 遺影(フォトフレーム3千円程度)
小さいサイズのペット遺影用フォトフレームがあります。
手を合わせるとき、遺影があると生前の姿をよりくっきりと思い出すことができます。 - 骨壺(1万円程度)
火葬場で遺骨を納めてもらった骨壺でもかまいませんが、ペット用につくられた愛らしいミニ骨壺を活用することができます。
手を合わせるとき、遺影の隣にあると、よりペットを身近に感じられます。 - 位牌(1万円程度)
ペットの位牌として一般的なのが、名入れのクリスタル位牌です。
写真を彫刻してもらうこともできます。
仏壇を拝むとき、人間のように位牌が必要だと感じる人におすすめです。
以上、ペット仏具についてお伝えしました。
仏壇と合わせて、ご紹介したすべての仏具を揃えると、5万円から8万円ほどになります。
予算に応じて、また自分が必要だと感じるものを優先して揃えるようにしたいものです。
さて、「家に仏壇を置く以外に、ペットの供養法はないの?」と疑問に思う人もいるでしょう。
そんな人のために、次章では仏壇を買う以外の供養法をご案内します。
仏壇を買う以外の供養法
仏壇を買う以外の供養法は、以下の4つが考えられます。
- ペット霊園で全ての供養を行う
- 遺骨を庭に埋め、庭で供養を行う
- 骨壺のみで供養をする
- 遺影のみで供養をする
それぞれ解説します。
ペット霊園で全ての供養を行う
家に仏壇を置かず、ペット霊園で全ての供養を行うという供養法があります。
家にペット専用の仏壇を置けない事情がある人におすすめです。
以下の3つの方法が考えられます。
- 個別のペット墓を建てて供養する
ペット1匹につき、あるいは一家につき1つのペット墓を建てて供養する方法です。 - 供養塔に合祀する
大きな供養塔へ遺骨を納め、他のペットと一緒に眠る方法です。
多くの場合、骨壺から遺骨をあけて埋葬するため、のちに個別に取り出すことはできません。 - 納骨堂に骨壺を安置する
ペット霊園やペット火葬場の一角に設けられた納骨堂を活用する方法です。
納骨堂の一区画に、骨壺や遺影、仏具を安置して供養します。
遺骨を庭に埋葬し、庭で供養を行う
家に仏壇を置かず、庭に遺骨を埋葬し、その周囲で供養を行う方法です。
持ち家で広い庭がある人におすすめです。
遺骨を埋葬したところに墓標を立て、記念日などには水や供物をお供えしてお参りします。
骨壺のみで供養をする
仏壇を買わず、骨壺の周囲に遺影や仏具を置いて供養をする方法です。
よりシンプルに供養したいと考える人に向いています。
骨壺と仏具を置く場所には、マットなどを敷いて祈りのスペースを確保するのがおすすめです。
骨壺を簡素なものから愛らしいデザインのものに変えると、インテリアにも映えます。
遺影のみで供養をする
仏壇を買わず、遺骨はペット霊園などに埋葬して、家には遺影のみを置いて供養をする方法です。
訪問客には、単に動物の写真がディスプレイされてあるという印象を与えることができるので、さりげない供養が好きな人に向いています。
記念日には、お花や好きだった食べ物を供物として飾るのがおすすめです。
以上、家に仏壇を置かないペット供養についてご紹介しました。
仏壇を置くべきか否か、自分なりに答えが出たのではないでしょうか。
さて、この記事を読んでいる人のなかには「ペットが近いうちに亡くなりそうだから、仏壇について調べておきたい」と考えている人も、いるのではないでしょうか。
どんなにか、辛い気持ちで調べ物をしていることでしょう。
ペット亡きあとのことを考えて準備することは本当に辛いですが、後にその準備こそが、自分の気持ちを支えてくれます。
次章では、ペットの看取りに必要なものをお知らせします。
ペットの看取りに必要なもの
ペットの看取りに一番必要なのは、「しっかり看取ってやる」という覚悟です。
その覚悟を持つためには、看取り後の流れを知り、準備をしておかなければなりません。
看取り後の流れを含め、前もってやっておくべきことについてお伝えします。
火葬から供養までの流れを決めておく
現代では、ペットは火葬を行うのが一般的です。
民間のペット火葬場か、公営のペット火葬場にペットを持ち込み、あるいは迎えにきてもらって火葬を行います。
火葬後、遺骨をどうするかは次のような選択肢があります。
- 遺骨を家に持ち帰らず、火葬場で供養をしてもらう
遺骨は火葬場の供養塔などで供養されることになります。 - 遺骨を家に持ち帰らず、火葬場内の納骨堂に安置する
民営のペット火葬場には、納骨堂が設置されているところが多数あります。
納骨堂の一区画を契約し、骨壺を安置することができます。
ほとんどが年間契約なので、家で供養するか、霊園にお墓を建てるか迷っているようなときには有効です。 - 遺骨を家に持ち帰り、家で供養をする
仏壇や遺影などとともに、遺骨を家で供養します。 - 遺骨を家に持ち帰り、お墓を建てるまで保管する
ペット霊園にお墓を建てたいと考えている場合、納骨堂ではなく家にひとまず安置するという方法があります。
火葬後のペット供養については、以上のなかから、いずれかを選ぶ必要があります。
亡くなってから火葬まではあっという間なので、火葬後、遺骨を家に持ち帰るかどうかだけは決めておかなければなりません。
ペット火葬場を決めておく
ペットの遺体は、あまり長く家に置いておけません。1、2日以内には火葬をするのが望ましいでしょう。
よって、亡くなったら速やかにペット火葬場へ連絡する必要があります。
生前の内からペット火葬場を決めておければスムーズです。
民営よりも、公営のほうが火葬料金は安いですが、公営のペット火葬場は、「火葬場」というより「処理施設」に近いものです。
公営のペット火葬場の多くは遺体を合同で火葬するため、火葬後、個別に遺骨を戻してほしいと考えても、かなわないことが多いでしょう。
また、民営のペット火葬場のなかには、納骨堂や霊園を設けているところと、火葬のみのところがあります。
火葬後、遺骨をどのようにしたいかを考えて、ペット火葬場を決める必要があります。
段ボールとタオルを用意しておく
ペットの遺体を持ち運ぶ際は、段ボールとタオルが必要になります。
亡くなってすぐの遺体からは糞尿や体液が出やすいため、衛生面を考えると、ペットを抱き上げて火葬場へ移動するのは難しいのです。
段ボールにタオルを敷いてペットをそっと納め、またタオルをかけてあげた状態での移動が基本です。
死期が近づいたら、正しい搬送のために段ボールとタオルを用意しておきましょう。
以上、ペットを看取る準備についてお伝えしました。
いざペットの死に接すると、動揺してしまい、適切な行動ができなくなるものです。
落ち着いたお別れのためにも、看取りから火葬、供養までの段取りを頭に入れておきましょう。
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まとめ
この記事では、ペット仏壇の種類や費用、仏具を使った供養法、またペットの看取りの準備品について解説しました。
仏壇以外の供養法も合わせて紹介したので、どんな供養が自分とペットにとってふさわしいのか、考える契機となったなら幸いです。
生きている間、ペットは人間に愛らしい姿を見せ、さまざまなことが起こる暮らしのなかで、かけがえのない癒しとなってくれました。
亡くなってもなお、想い出のなかで家族を支えてくれます。
それを十分に感じられるような供養となるよう、納得のゆく弔い方を模索しましょう。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
日本一有名なペット犬といえば、忠犬ハチ公といえるかもしれません。忠犬ハチ公の飼い主である上野英三郎氏のお墓は、都立青山霊園内にありますが、同じ区画内には忠犬ハチ公の碑もあり、花や折り紙などの供物が絶えることなく供えられています。ハチは人々に愛され、新聞がハチの死を伝えると、渋谷駅は大変な人だかりになったとか。
人間と同じように、動物の死も人々に大きな影響を与えます。家族と一緒に暮らしていたペットならなおさら、丁寧に弔っていきたいと思うのが自然な流れだと思います。