仏壇の値段相場を確認!納得の金額で購入するためのチェックポイント
葬儀を終えて、故人を祀る場所として仏壇を構えなければなりません。
しかし、仏壇にもたくさんの種類があります。
仏壇に関するこのような疑問を解消!
- 「宗派によって何が違うの?」
- 「相場はどれくらいなの?」
- 「どうしてこんなに費用が違うの?」
など、はじめてのお買い物という人がほとんどでしょうから、分からないことだらけだと思います。
この記事では、仏壇の値段について、分かりやすくご説明します。
この記事の目次
4つに分けられる仏壇の種類
仏壇の費用を語る前に、まずは仏壇がどのような種類に分けられるのかをご説明します。
唐木仏壇
唐木仏壇とは、紫檀や黒檀などの銘木で作られた仏壇のことです。
東南アジアをはじめとする外国の銘木を中国人から輸入していたことに由来して「唐木」と呼ばれているそうです。
最近では、欅(ケヤキ)や楠(クス)や槐(エンジュ)や屋久杉(ヤクスギ)など、日本の銘木も仏壇の素材として利用されています。
唐木仏壇は4段構造になっていて、上から本尊(仏様)の段、位牌(ご先祖様)の段、五具足(花一対、灯一対、香1つ)の段、そしてお供え物の段です。
金仏壇(塗り仏壇)
金仏壇は、主に浄土真宗の門徒向けの仏壇です。特徴は、金箔や漆塗りで表された絢爛豪華な世界です。浄土真宗の本尊である阿弥陀如来は”極楽浄土”いるそうです。
この極楽浄土を表すために、まばゆい金や漆や蒔絵などの伝統工芸が施されています。また、浄土真宗では位牌を用いないので、位牌段がない特別な内部構造になっています。
モダン仏壇
モダン仏壇とは、居間やリビングなどにも合う、新しいデザインの仏壇です。
”家具調仏壇”とも呼ばれます。従来から用いられていた銘木ではなく、ウォールナットやタモなど、洋風家具などで用いられている材木が好まれています。
宗派としての形や決まり事を省略し、「掃除がしやすい」「コンパクトに収まる」など、機能性やデザイン性を重視しています。
上置き仏壇
上置き仏壇とは、下台のない仏壇全般のことを指します。床から立ち上がる仏壇は、仏壇本体と下台でできています。それとは異なり、上置き仏壇は台や棚の上に置いて祀ることができるコンパクトサイズの仏壇です。
工法はさまざまで、金仏壇、唐木仏壇、家具調仏壇、それぞれどのタイプでも上置き仏壇はあります。とはいえ、上置き仏壇の大半は家具調のデザインのです。
仏間を持たない人に多く選ばれ、居間やリビングに置くことが多いので、必然的に家具調の商品が人気なようです。
伝統的な仏壇の値段相場
それでは仏壇の値段相場についてご紹介していきます。
ここで言う「伝統的」とは、唐木仏壇や金仏壇のことを指します。
唐木仏壇の費用相場は70万~100万円
唐木仏壇の費用相場は70万~100万円くらいと見込まれます。
もちろん、これよりも安いものもあれば、高いものもあります。
唐木仏壇の費用は、使用している材質、工法、仏壇の大きさなどによって異なります。
材質
仏壇に使用される材料は、黒檀、紫檀、鉄刀木(タガヤサン)、タモ、シャム柿、黄王檀などの外国の木材。または、栓、桐、ケヤキ、槐(えんじゅ)、屋久杉などの和木も用いられます。
工法
仏壇は、銘木を芯から使用すること(総無垢)はほとんどありません。芯材には朴(ほお)やMDF(中密度繊維板)などが用いられ、その表面に銘木を貼付けます。
貼り付け方にも、四方、三方、二方などさまざまで、貼付ける面積が多いと必然的に費用も高くなります。
また、銘木を使用せずに、芯材に木目を印刷したものや、木目を印刷した転写フィルムなどを貼り付けたものもあります。品質は劣りますが、値段は安く抑えることができるでしょう。
大きさ
仏壇の大きさも、小さなものから大きなものまで幅広くあります。上置き仏壇は高さ50cm、幅40cmくらいが一般的な大きさです。
台付き仏壇になると、小さいもので高さが140㎝程度、大きなもので170㎝程度と、人の背の高さ位のものがあります。
仏壇は仏間に納まる前提で作られていますが、自宅によっては半間(約90㎝)の仏間もあれば、4尺(120㎝)や一間(180㎝)の仏間もあります。
同じ170㎝くらいの仏壇でも、幅が70㎝くらいの半間仏間に納まる仏壇もあれば、100㎝を超える仏壇もあります。当然、大きな仏壇の値段も高くなります。
金仏壇の相場は100万~150万円
金仏壇の相場は100~150万円でしょう。
金仏壇は、主に浄土真宗専用の仏壇として使用されています(一部、他の宗派が使う位牌段のある金仏壇もあります)。
あくまでも「お寺の飾りを自宅用に表す」という点では共通していますが、日本各地の浄土真宗な盛んな地域で、それぞれ独自の伝統工芸として発展してきました。
有名な産地は、新潟、金沢、名古屋、彦根、京都、大阪、姫路、広島、八女、鹿児島などです。最近では中国などの海外製品もあり、国産に比べると比較的安く購入できます。
また、金仏壇の特徴は、木地、彫刻、漆、金箔、蒔絵、金具、組み立てなど、それぞれの伝統工芸の職人たちによる分業制だということです。そのため、唐木仏壇と比べて比較的値段が高めです。
- 漆
黒塗りの部分も、金の部分も、まずは下地として漆を塗ります。
ただ、漆は産出量が激減しているために、代用漆(カシュ-の木)やウレタンなどで塗装をしている仏壇を多く見ます。
何を使って塗りをするかによって費用も変わるでしょう。 - 金
金仏壇を象徴するのがまばゆい金色です。
金の使用にも、金粉、金粉、金塗装などの方法があり、工法によって値段は増減します。 - 蒔絵
蒔絵にも、手描きや、蒔絵シールを張り付けたものなどがあります。
仏具セットの値段相場
さて、仏壇の中には当然仏具を納めなければなりません。仏壇店によっては、セット価格を表示するケースと、そうでないケースがあります。
伝統的な仏壇の場合は、セット価格が多いようです。なぜなら、その仏壇によって納まる仏具が宗派別で決まってくるからです。
ご先祖様そのものを表す位牌に関しては、セットではなく、家族に自由に選んでもらうために別計算であることが多いようです。
仏具の費用の内訳は、仏壇や納まる仏具の大きさによっても異なりますが、仏壇価格の1~2割くらいでしょう。
ちなみにモダン仏壇では仏具を別に計算しなければなりません。
デザイン重視のモダン仏壇では、仏具も仏壇に合わせてコーディネートするためです。
サイズも値段も手頃!モダン仏壇
最近では、小型で費用も手ごろなモダン仏壇が主流になりつつあります。
大きく2つに分けられるモダン仏壇の費用をご紹介します。
モダン仏壇の相場は50万円前後
家具調仏壇の値段の相場は50万円前後でしょう。モダン仏壇は、居間やリビングに合うようなデザインが特徴の仏壇です。
唐木仏壇や金仏壇に比べて作りはシンプルですが、材質やデザインに洗練されています。
また、伝統的な仏壇は宗派の寺院を模したもの、そして仏間に納まることが前提で作られていたのですが、モダン仏壇はそうではないために大変自由度が高く、さまざまなデザインのものが登場しています。
上置き仏壇の相場は30万円前後
上置き仏壇の相場は30万円前後でしょう。安いものでは数万円から販売されており、逆に高いものでは50万円を超えるものもあります。
なによりもサイズが小さいので、台付き仏壇に比べると値段が安いのです。
”上置き仏壇”とはあくまでもサイズや形を指すので、厳密にはモダン仏壇だけではありません。
それぞれ、上置きの唐木仏壇、上置きの金仏壇のような従来仏壇の上置きタイプもあるのです。
とはいえ、居間やリビングに置く人が多いため、モダンな上置き仏壇がその大半のようです。
仏壇を決めるときに気をつけること
仏壇を購入する際は、次のことを考えて検討しましょう。
- 宗旨宗派
まずは自分の家がどの宗派なのかを確認しましょう。
宗派によっては選ぶ仏壇や中に納める仏具が異なります。 - 仏間寸法や仏壇を置く場所の間取り
仏壇を置く予定の場所の寸法や状況を把握しておきましょう。 - 予算
いいものを見ればきりがありません。予算はしっかりと決めておきましょう。
仏壇の購入場所
仏壇を買うためには地域の仏壇専門店を訪ねましょう。どの仏壇店に行けばいいか分からない人は葬儀社や寺院に相談してみるのもいいでしょう。
また、最近ではインターネットで仏壇を買う人もいます。無店舗型のネットショップ、仏壇の製造メーカーや卸問屋がネット上で販売していますので、店舗型の小売店よりは安く購入できるでしょう。
ただし、伝統的な仏壇の場合、仏間との寸法の兼ね合いや、仏具の取り付けが必要なので、専門家のいる店舗型の仏壇店をおすすめします。
モダン仏壇の場合は、比較的簡単に据え付けできるので、インターネットで購入してもいいかもしれません。
仏壇以外のお家で供養する方法
「亡くなった人は祀りたいが、お寺を呼ぶほどではない」
「いつも自分たちの側に置いておきたい。」
このような人たちに昨今注目を浴びているのが手元供養です。
遺骨をオシャレに祀ることのできるミニ骨壺。遺骨を納めることのできるジュエリー。
仏様を中心に祀られる仏壇ではなく、あくまでも故人を中心に祀られるのが手元供養です。
ネットで仏壇をお探しの方はこちら!
まとめ
仏壇は、一生に一度あるかないかのお買い物です。亡くなった人を祀る大切なものです。
安いにこしたことはありませんが、安ければいいというものでもありません。自分たちが納得した仏壇で手を合わしましょう。
思わず手を合わせたくなるような仏壇と巡り合えることをお祈りいたします。